【書評】「チュベローズで待ってる AGE32」(加藤シゲアキ)ゲームの主人公は僕ではなかった

チュベローズで待ってる AGE32

 

チュベローズで待ってる AGE 32

加藤 シゲアキ 著 読了。

 

「チュベローズで待ってる」のシリーズ第2弾。

物語は10年後になっていて、キャラクター達を取り巻く環境も大きく変わっています。

前作から続く光太の思いや境遇、そして華やかな世界で活躍する裏で持つ暗い感情など、やはり加藤シゲアキさんの持ち味である「陰と陽の対比」がうまく描かれた作品。

 

ネタバレはなるべく避けたいので、本の表紙や帯、ポップなどに書かれているレベルのあらすじにしか触れないようにしながら、書評を書いていこうと思います。

 

ピンクとグレーの書評と「チュベローズで待ってるAGE22」の書評は以下のリンクからお読みいただけます。

tekaten.hatenablog.jp

tekaten.hatenablog.jp

 

今回のトピックはこちら!

 


  •  「チュベローズで待ってる AGE32」の主な登場人物

  • 「チュベローズで待ってる AGE32」ってどんな作品?
  •  光太の人生が大きく変わり、展開していくストーリーが面白い!
  • 「ゲームの主人公は僕じゃなかった」すべてを覆す愛と衝撃
  • 終わりに
  •  

     「チュベローズで待ってる AGE32」の主な登場人物

    光太

    「チュベローズで待ってる」の主人公。

    前作では就活に失敗してホストの道に進み、10年後の今作ではホストからゲーム会社のエースとして活躍。

     

    亜夢

    前作では光太と同じタイミングでホストクラブに入ってきた新人ホスト。

    今作ではフリーライターとして光太とともに物語の鍵を握る。

     

    美津子

    チュベローズの常連客であり、大手ゲーム会社の部長も務めるやりてのキャリアウーマン。

    物語の根本には美津子の存在があり、すべての謎の中心人物。

     

    ユースケ

    美津子の甥っ子。

    今作では光太とともに物語を紡いでいくパートナーとして活躍。

    荒っぽい性格だが、強い信念を持っている青年。

     

    八千草 

    大手ゲーム会社の重役であり、今作では光太とともに新規ゲームのプロジェクトを進める責任者。

    父親のような包容力とずば抜けたビジネススキルで世の中を変えるレベルのゲームを世の中に生み出している。

     

     

    「チュベローズで待ってる AGE32」ってどんな作品?

     

    前作「チュベローズで待ってるAGE22」は、就活に失敗した光太が、なんかホストの雫と出会い、自らもホストとして生きていきながら様々なことに向き合うストーリーでした。

     

    今作「チュベローズで待ってるAGE32」は、前作から10年経った世界で、のぞみのゲーム会社で一旗あげた光太が、AGE22で迎えた結末の真実を探り、また新たな衝撃に向かい合うストーリーになっています。

     

     華々しくゲーム会社で活躍する光太の心の中には、大きな闇が腰を据えており、

    そんな表と裏のギャップも読み応えのひとつになっている感じです。

    「チュベローズ」というホストクラブがすべての始まりで、そこで働くホスト、通い詰める客、そしてその関係者。

    すべての人々の思いには、表で見えている部分と、見え隠れする裏の部分がある。

    うまく描き分けられた「陰と陽」が、読み手にどんなふうに伝わるのかわかっているような書き口で、人間の心の中がリアルに伝わるストーリーです。

     

     光太の人生が大きく変わり、展開していくストーリーが面白い!

     

    2部作ということで、10年という大きな時の動きを描いている点がおもしろさを引き立てます。

    1部では、まだ20代そこそこという若い光太が、さまざまなことを経験する中での思いが読み取れる作品になっていました。

    そしてこの2部では、10年という時が光太を成長させ、さらに環境や状況も大きく変化しているのです。

    長編2部作品ならではの、大きな変化を楽しめる一冊になっていました。

     

    人生で考えると、20代前半からの10年間ってものすごく変化する時期ですよね。

    学生から社会人へと変わり、働くことが中心になる生活。

    そして、自分でお金を稼いで生計を立てていくという責任感の成長。

    仕事においても、人間関係や責任のある仕事、経験したことのないものとたくさん出会います。

    プライベートでも、結婚したり子供を授かったり、働く場所に起因して住む世界が変わったり。

    移動手段や食べる物のジャンルさえも変わっていきます。

    文字通り、人生で一番大きな変化を体験する時期といっても過言ではありません。

    このような大きな変化を、作品の中でも垣間見ることができます。

     

     

    「ゲームの主人公は僕じゃなかった」すべてを覆す愛と衝撃

     

    この言葉は、本の帯に書かれている言葉です。

    「ゲームの主人公は僕じゃなかった」すべてを覆す愛と衝撃

    とても興味を引く言葉ですよね。

     

    帯のこの言葉を読んで、この本を買いたくなる人も大勢いるんじゃないかなと思うほど。

    キャッチコピーの力強さを感じます。

     

    物語を最後まで読むと、この言葉の意味を理解することができますので、ぜひ興味のある人は読んでみてはいかがでしょうか。

     

    終わりに

     

    「ピンクとグレー」の頃から加藤シゲアキさんのファンとして、新作はすぐに読んできました。

    やっぱり、「チュベローズで待ってる」でも期待を裏切らない素晴らしい作品で、もうすでにつぎの作品が待ち遠しい感じ。

     

    「ピンクとグレー」を手に取ったときは、

    「ジャニーズが副業とかキャラクター作りの一環で本を書いたりして、おもしろいとは思えない」

    なんて感じで否定的に見ていました。

    でも読んでみて、自分の考えを改めることに。

    ひとりの作家として、ひとつの作品として、とても優れていたし面白かったんです、

     

    偏見でしたが、今となっては芸能活動もこなしながら作家としても活躍する努力と才能に、ファンとして魅了されています。

    自分ももっと、仕事をこなしながらも本を読みらブログで思いを発信し、本を書いて世の中に伝えるというミッションを頑張りたいと思いますね!

     

    本日も、てかてんの書斎にお越しいただきありがとうございました! 

     

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    加藤 シゲアキ
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