【書評】「チュベローズで待ってる AGE22」(加藤シゲアキ)物語の展開と落差に驚かされました

 

チュベローズで待ってる AGE22

 

チュベローズで待ってる

加藤 シゲアキ 著 読了。

 

ジャニーズのNEWS所属でありながら、小説家でもある加藤シゲアキさんが書いた最新作。

「ピンクとグレー」でデビューを果たし、それからいくつかの作品を発表しています。

芸能活動を前線でやりながら、作家業でもしっかり作品数を持っているあたり、ものすごい努力をしているんだろうなと思います。

「ピンクとグレー」でもそうでしたが、「陰と陽」をうまく表現する作品を書かれていて、この「チュベローズで待ってる」も人の感情の陰と陽をうまく描いています。

急展開と陰・陽の表現を楽しみながら、リアリティのある世界観に引き込まれていきます。

加藤シゲアキさんのすべての作品を読んでいますが、どの作品も毎回驚かされて面白い。

オススメです。

 

ピンクとグレーの書評は以下のリンクからお読みいただけます。

tekaten.hatenablog.jp

 

今回のトピックはこちら!

 


  •  「チュベローズで待ってる AGE22」の主な登場人物

  • 「チュベローズで待ってる AGE22」ってどんな作品?
  • 陰と陽を描く加藤シゲアキの作風
  • 終わりに
  •  

     「チュベローズで待ってる AGE22」の主な登場人物

    光太

    「チュベローズで待ってる」の主人公。

    大手ゲーム会社への就職を希望していたが、ことごとく内定をもらえず就職活動に失敗する。

    悲観している最中、人気ホストからホストクラブへの勧誘を受ける。

    家族を養うこと、就職浪人をすることに対してお金が必要だったため、ホストを始める決心をする。

     

    光太をホストの道へと導いた大人気ホスト。

    ホストクラブ「チュベローズ」のナンバーワンホスト。

    容姿、所作、身だしなみのどれをとっても完璧で、ホストとしての能力にも秀でている。

    雫には、チュベローズで成し遂げるべきミッションがあり、その思惑が見え隠れする。

     

    亜夢

    光太と同時期にチュベローズに入ったホスト。

    人懐っこい性格と幼い容姿で、優しいキャラクターの印象。

    亜夢にもチュベローズで成し遂げるべきミッションがあり、その狙いは不明。

     

    水谷

    チュベローズのオーナー。

    容姿や喋り方などは、どこからどう見てもヤクザである。

    チュベローズ内では、誰も水谷に逆らうことはできない。

     

    美津子

    光太が受験した大手ゲーム会社に勤める女性部長。

    訳あってチュベローズに来店する客となる。

     

    「チュベローズで待ってる AGE22」ってどんな作品?

     

     あまり多くを書いてしまうとネタバレになってしまうため、触りのみにはなりますが、

    「チュベローズで待ってる」は就活に失敗した光太が、大人気ホストの誘いによってホストとして登り上がっていくストーリーになっています。

    それまでただの大学生であり就活生であった一人の青年が、ホストとして働く。

    この設定だけでも、十分に興味を引いてくれます。

     

    就活に失敗したという傷を負いながら、ホストとして働く。

    その中では、ホストという職業の裏側や、いろいろな思惑で働くホストの姿、ホストになったからこそ知り合えた人々や新しい世界との出会いなどが描かれています。

    きらびやかなホストクラブとは裏腹に、いろいろな思惑がうごめきあったり、トラブルや問題が発生したりと、普段見えている「陽」と普段は見えていない「陰」の部分をうまく表現されています。

     

    陰と陽を描く加藤シゲアキの作風

    加藤シゲアキさんの魅力は、何と言っても「陰と陽」をうまく描き分ける作風だと思っています。

     陰と陽、つまり明るい部分と暗い部分をうまく描き分けることで、リアルな設定の作品でも展開に落差をつけることができるし、どんどん興味がそそられていきます。

    これが最大の魅力。

     

    「ピンクとグレー」では、芸能界という華々しい世界の陰と陽をとてもリアルに描かれていました。

    陽は、まさに普段一般の私たちが見ているテレビや芸能活動といった「とても華やかで輝かしい世界」のこと。

    陰は、私たちが知らない「芸能界の裏側だったり、下積み時代だったり、闇に値する部分」のこと。

    芸能界の陽ばかりを見ている私たちにとって、陰を描くことで驚きや急展開を表現できるし、それでいて本物の芸能人が書いているというリアリティがある。

    「ピンクとグレー」には、そんなリアルな面白さがありました。

     

    そして「チュベローズで待ってる」では、働くということに関する陰と陽、ホストクラブというステージでの陰と陽が描かれた作品になっています。

    どちらの作風にも、どことなく共通した部分が読み取れることから、加藤シゲアキさんの書きたいものがまさに「物事の陰と陽」なのかなーと思いながら読んでいるところです。

     

    ありそうでなかった魅力が、ここにあります。

     

    終わりに

    この「チュベローズで待ってる」は光太が22歳の頃を描いた「AGE22」と32歳の頃を描いた「AGE32」の2冊が同時発売になっています。

    つまり、長く楽しめる長編作品になっているということなんです!

    素敵な作品だったからこそ、続編が発売するまでがもどかしかったりするのですが、2冊同時発売であることは強いですねー。

    読書好きにはありがたい新作!

    もともと、加藤シゲアキのファンだったてかてんにとっては、この上なく嬉しい2冊同時発売でした。

     

    2冊目の「チュベローズで待ってるAGE32」も手元にあるので、すぐに読んで書評を書きます。

    楽しみですね。

     

    本日も、てかてんの書斎にお越しいただきありがとうございました! 

     

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    コメント

    1. 突然のコメント、失礼いたします。はじめまして。
      書評でつながる読書コミュニティ「本が好き!」を運営しております、和氣と申します。
      貴ブログを拝読し、ぜひ本が好き!にもレビューをご投稿いただきたく、コメントさせていただきました。
      本が好き!:http://www.honzuki.jp/
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