【書評】「作家の収支」(森博嗣)とっても気になる作家の収入面がわかる1冊

 

作家の収支 (幻冬舎新書)

 

「作家の収支」

森 博嗣 著 読了。 

 

 

今回のトピックはこちら!

 


  •  作家「森博嗣さん」ってどんな人?

  • 作家に収入が入る仕組み
  • 印税率と発行部数から見える作家の収入
  • 作家になりたい人へ「森博嗣さん」からのメッセージ
  • これからの出版業界について
  • 終わりに
  •  

     作家「森博嗣さん」ってどんな人?

    森博嗣さんは、大学で建築博士として研究する傍らで1996年(当時38歳)の時に、「すべてがFになる」で作家デビューを果たす。

    すべてがFになる」は2014年にテレビドラマとして放映もされており、その時に名を知った人も多いのではないだろうか。

     

    2015年の時点で278冊を出版している凄腕の作家であり、小説・ビジネス書・エッセイなど幅広い出版活動をされている。

     

    総発行部数は1400万部、総収入は15億円という驚きの数値。

    自身では、大ヒット作品を持つ作家ではないのでマイナー作家だとおっしゃっているが、この実績は十分メジャーな作家だろう。

     

    作家に収入が入る仕組み

    作家に収入が入る仕組みはいくつかあります。

    箇条書きしてみると、

     

    ・ 本の印税収入

    ・ 雑誌などの記事寄稿の収入

    ・ 講演会の報酬

    ・ 作品のドラマ化・アニメ化・映画かに伴う収入

    ・ メディアに出演した際の収入

     

    などが挙げられますね。

    作家さんだからといって、本の印税収入だけではなく、様々な収入の形があるようです。

    「作家の収支」の中では、このような細かい収入についても触れています。

    こんな本はめずらしい(笑)

     

    作家の収入というと、どうしても本を発行した際に支給される「印税収入」のことばかりに目がいってしまいますが、実はいろいろな収入源があるんですね。

    「作家の収支」の中で紹介されていたのですが、印税収入よりも講演会の収入をメインに活動している作家さんがいたり、作家さん自身のキャラクターに人気が出て、メディア露出の収入のほうが多くなった人もたくさんいるようです。

    作家だから印税収入!とは一概に言えないくらい、作家さんの活動範囲は広がっているんですね。

     

    印税率と発行部数から見える作家の収入

     

    作家になって夢の印税収入を!と夢を描きながら執筆活動にチャレンジしている人はたくさんいると思いますが、その原理をよく知っている人は少ないのでは?と感じます。

    てかてん自身も、いろいろと作家に関する本を読んでいましたが、知らないことはまだまだたくさんあります。

    ということで、

    一例として印税率と発行部数を当ててみて、作家の収入についてイメージしていきたいと思います。

     

    例えば、印税率が8%だとします。

    1000円の本1冊あたり80円の印税が作家のところに入ってくる計算ですね。

    つまり、

    1万冊であれば、80万円の印税!

    これは大きな収入ですよね。

     

    有名な小説とかだと、500万部突破!とかシリーズ累計1000万部!とか目にしますが、

     

    500万部 = 500万冊 × 80円 = 4億円

    1000万部 = 1000万冊 × 80円 = 8億円

    サラリーマンの生涯賃金をはるかに超える金額を、1つの作品だけで手に入れると考えると、とんでもない話です。

     

    そして、印税は「本を印刷した時点で支払われる」ものであることが多いそうなので、売れる売れないは関係なく「増刷」された時点で支払われるのです。

     

    これは案外知られてない情報なのではないでしょうか?

     

    作家になりたい人へ「森博嗣さん」からのメッセージ

    作家になりたいのなら、とにかく自分の作品を書くこと。

    これに限るのだそうです。

    1作品書き終えて、それを出版社の新人賞に送ったとします。

    その時、結果が出るまで待っているようでは、もしもデビューできたとしてもそこまでの作家だとおっしゃっています。

    本当に力を持った作家になりたいなら、1作品書き終えて結果を待つ間に2つでも3つでも作品を書くだけの力が必要なのだそうです。

     

    そうでないと、もしもデビューできたとしても、次々と作品を生み出したり、雑誌に寄稿し続けたりすることはできませんよね。

    必要なのはとにかくたくさんの作品を書く力。

    一冊で満足することなく、作品を書き上げることを楽しみながら、たくさん書く力が求められているのですね。

     

    これからの出版業界について

     

    これからの出版業界はどのようになっていくのでしょうか。

    個人が電子書籍を出版できるようになって数年経ちますが、このように出版社を通さずして本を世の中に提供出来る時代となっています。

    一昔前に比べると、ブロガーが出版社を通して本を出すことも増えていて、多種多様な方が本を書くようになってきました。

    アイドル、お笑い芸人、ブロガー、Youtuberなど、活躍の幅が広がっていることで、本を出すのが作家さんの専売特許ではなくなりつつあるのですね。

    どんな人であっても、価値ある情報が提供できるなら、それは本になるのです。

     

    時代性を考えると、小難しい本や難解な文学よりも、ライトなものが流行りつつあると感じています。

    もちろん、小難しい本も難解な文学もてかてんは好きで、読者の中にも熱く愛されているものだと思います。

    しかし、ライトノベルや猿でもわかる!といった初心者向けのビジネス本などが流行っているところを見ると、ほんのバリエーションも読者の層も、どんどん変わっていっているんですね。

     

    面白いなーと思いながら、出版業界についても持論を持っておきたいと思います。

     

     

    終わりに

     

    作家がどんなことを考えて、そしてその収支について語るのか。

    本のタイトルを見ただけでついすぐに買ってしまった一冊ではありましたが、とても面白い本でした。

    作家さんがそんなことまで書いちゃっていいの?と思ってしまうほど赤裸々に語られていて、とても勉強になりました。

     

    てかてんも個人で無名ではあるのですが、本を出す!という夢があるので、今書きかけている電子書籍を早く仕上げたい!と気持ちを新たにしました。

     

    本日も、てかてんの書斎にお越しいただきありがとうございました!

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