【書評】「王様ゲーム臨場」(金沢伸明)未だ語られていない過去の王様ゲームが明らかに

 

王様ゲーム 臨場 (双葉文庫)

 

王様ゲーム 臨場」

 

金沢 伸明 著 読了。

 

王様ゲームシリーズ第3弾の、「王様ゲーム臨場」。

 

前作、「王様ゲーム終極」では、王様ゲームを生き残った伸明と奈津子が、再び王様ゲームと戦う姿が描かれていました。

 

今作では、過去に奈津子が体験した王様ゲームの詳細について明かされており、新たな王様ゲームの側面が見え隠れする物語となっています。

 

死を天秤にかけられた時、友情や愛情では語れない本心が露わになり、人間はどう行動して生き延びようとするのか。

そんな状態がリアルに書き上げられています。

 

とにかくスピード感があり、恐ろしい内容だけれど物語だからこそ、どこか冷静に見ていけるストーリーに仕上がっています。

 

過去の王様ゲームシリーズの内容と照らし合わせながら、臨場を楽しんでいただければと思います。

 

過去の王様ゲームシリーズの書評記事は、以下のリンクにまとめております。

 

 

tekaten.hatenablog.jp

 

tekaten.hatenablog.jp

 

 

今回のトピックはこちら!

 

 


  • 「王様ゲーム臨場」のあらすじ

  • 伸明と奈津子、2つの王様ゲームが繋がる
  • 違うメンバーでも、同じような展開になるデスゲーム
  • 終わりに
  •  

     

     

    「王様ゲーム臨場」のあらすじ

     

    伸明は一度、王様ゲームを生き残り、転校してきた。

    奈津子も一度、王様ゲームを生き残り、転校してきていた。

     

    二人は、過去に王様ゲームを生き残り、転校してきた学校で再び王様ゲームと戦っているのだ。

     

    そして、奈津子が以前に戦った王様ゲームについてはこれまで語られていなかったが、ここで過去に振り返って語られることになる。

     

    奈津子は、王様ゲームを経験する前、普通の女子高生だった。

    しかし、王様ゲームという死を目の前に突きつけられたゲームの中で、クラスメイト達の心の闇を目の当たりにしながら、次第に奈津子の心も闇に包まれていった。

     

    伸明の経験した王様ゲームよりも残酷な命令が多く、心の闇を表に出さずして生き残れる状態ではなかったのだ。

     

    そして、伸明同様、大切な人の命とも向き合いながら、命からがら王様ゲームをくぐり抜けていくストーリーが展開される。

     

    奈津子の経験した王様ゲームで最後に残されたメッセージとは。

    辛く悲しい過去、残酷な王様ゲームの詳細が明かされる。

     

     

    伸明と奈津子、2つの王様ゲームが繋がる

     

    王様ゲーム終極では、奈津子が突如豹変する場面があり、読者は戸惑ったのではないかと思いますが、奈津子がそうなってしまった理由が過去の王様ゲームにあったことがわかってきます。

     

    奈津子も最初は普通の女子高生だったのですが、恐ろしい王様ゲームを生き残る過程で様々な思いが溢れてきたようでした。

     

    伸明の経験した王様ゲームの最後に、奈津子の名前が記載されたメールが届いておりましたが、その奈津子は過去に奈津子の父が愛した人の名前であり、本人とは別人だということも判明。

    自身の子供に、かつて愛した人の名前をつけてしまうあたり、呪われた運命なのかもしれないと感じますね。

     

    伸明の経験した王様ゲームも、奈津子が経験した王様ゲームも、奈津子の父が経験した起源となる王様ゲームと繋がっていた、ということがわかります。

     

    王様ゲームの呪いは連鎖する。

    終わらせる方法は未だ解明していない。

    そんな絶望的な状態で、物語が進んでいきます。

     

    現段階では、過去の王様ゲームの情報を集約しても、王様ゲームの真相や終わらせる方法は見つかっていない状態です。

    ものすごく真実が気になる。。。

     

     

    違うメンバーでも、同じような展開になるデスゲーム

     

    伸明が元いたクラスも、奈津子が元いたクラスも、全く違ったクラスメイトの構成なのは言うまでもありません。

     

    そんな違うメンバーが集まっても、命を天秤にかけられたとき、同じような展開になるのだということが描かれています。

     

    生き残るために友人を平気で犠牲にする人、誰かを助けるために必死になる人、みんなを救うためになんとかしようと駆けずり回る人、死を目前にしても自分自身の考えを持たない人。

     

    どちらのクラスでも、このような人たちにわけられているようでした。

    いかなるメンバーであっても、命が天秤にかけられると、同じような思考が展開されるのですね。

     

    綺麗事ではないですが、極限まで追い込まれてしまう前に、みんなで生き残る策を練られるように信頼関係は保ちたいと思いました。

     

     

     

    終わりに

     

     

    徐々に謎が解かれつつあるものの、本当に芯の部分には触れられていない状態。

    王様ゲームの真相にあたる部分にたどり着くまで、一気に続きを読み込みたいと思っています。

     

    ネット上で真相を検索すると一瞬ですが、物語を進めながらあれこれ考察するのも楽しいものです。

     

    とはいえ、先を詠む力はかなり弱いので、 予想はあまりできないまま物語を純粋に楽しめそうです(笑)

     

    本日も、てかてんの書斎にお越しいただき、ありがとうございました!

     

     

     

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