【書評】「その時までサヨナラ」(山田悠介)死んだ妻からの恩返し

 

【文庫】 その時までサヨナラ (文芸社文庫)

 

「その時までサヨナラ」

 

山田 悠介 著

 

 

タイトルとパッケージでは内容があまり想像できなかった「その時までサヨナラ」。

読んでみると、山田悠介さんの持ち味であるホラー作品ではなく、親子と夫婦の愛情を描いた作品でちょっと驚きました。

 

最近は山田悠介さんの作品を読み続けていて、ほとんどがホラー作品だったのでちょっと一息つけた感じになりました(笑)

たまには、山田悠介さんが描くホラー以外の作品を読むのも面白いですね。

 

ということで、「その時までサヨナラ」の書評を書いていきます。

 

 

今回のトピックはこちら!

 


  • 「その時までサヨナラ」のあらすじ

  • 徐々に息子への愛情が芽生えていく
  • 仕事と家庭はバランスが大切だと感じました
  • 終わりに
  •  

     

     

     

    「その時までサヨナラ」のあらすじ

     

     

    仕事ばかりで家庭を大切にしていなかった悟は、妻と子供と別居してしまっていた。

    そんな別居中の妻が突如、旅行先の列車事故に遭遇して死亡してしまう。

    奇跡的に息子だけが生き残り、悟は親として引き取ることになった。

     

    それでも仕事のことしか頭にない悟は、息子を義理の両親になんとかひき取らせようと試みるのだった。

     

    ある日、亡くなった妻の親友だという謎の女が現れる。

    春子と名乗る謎の女は、なぜか家に何度も訪れ、悟に子育てを指導し始める。

    お風呂の入れ方、着替えのやり方、料理や洗濯などの家事全般を無理やり指導してくる春子に、悟は苛立ち追い出そうとするが、いよいよ荷物までまとめて居候を始めた。

     

    生活を共にする中で少しずつ芽生える息子への愛と、春子への感謝。

    そして亡くなった妻が抱いていた思いを知った時、悟の心に大きな変化が訪れる・・・

     

     

     

     

    徐々に息子への愛情が芽生えていく

     

     

    本当に仕事一筋で、全く家庭のことを考えていなかった悟は、家事や子育てが何一つできませんでした。

    そこまで仕事に打ち込んでいることはある意味すごいですが、それは本当に幸せな日々だったのかは疑問符が立ちます。

     

    妻が亡くなってもあまり動じることなく、仕事がもっと自由にできると少し前向きな部分すらあります。

    だからでしょうか、息子を引き取っても全然可愛がろうとせず、そんな状況になってもなお仕事のことばかりしか考えられない。

     

    仕事も大切ですが、家庭の幸せあってのことだなと感じます。

    これまで向き合ってこなかった家族と向き合わざるを得なくなり、少しずつ息子のことを可愛がっていく悟の心境の変化が読みどころです。

     

     

     

    仕事と家庭はバランスが大切だと感じました

     

     

    やっぱり、仕事に対して熱心に取り組むことはもちろん大切なのですが、家庭を捨ててまでのめり込むのは間違っていると感じますね。

    家庭ばかりで仕事に対して不真面目なのも問題です。

     

    バランス良く、家庭を守りながら仕事も真剣に取り組むということが大切なのですね。

     

    家庭を守り、そして家族をより幸せにするためにと思えば、辛い仕事も頑張れるものです。

    もともと仕事人間だという人も、家庭を捨てて仕事だけになってしまうと、本当に幸せにはなれないと思います。

     

    改めてになりますが、家庭はしっかり守り、仕事も頑張るというバランスが大切だなとしみじみ感じた一冊でした。

     

     

     

    終わりに

     

     

    山田悠介さんが書いた作品の中で、全くホラー要素のない作品は初めて読んだような気がしました。

    愛と感動を描いたストーリーは、素直に心動かされるものでしたねー。

     

    てかてんも、本業の仕事にのめり込みすぎて、家庭をないがしろにしてしまわないよう、注意する気持ちは持っておきたいと思いました。

     

     

     

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