山田 悠介 著
ここ数回の書評は「山田悠介」さんの作品が多くなっています。
それもそのはず、この間「山田悠介さんの本をまとめ買い」したからなんですね。
急に山田悠介さんの本が読みたくなって、よく行くブックオフで探してみたところ、まだ書斎の本棚には無い本がたくさんありましたので、まとめて15冊ほど買い込みました。
ということで、密かに山田悠介ブームとなっているので、ここからの書評もちょこちょこ登場すると思います。
書斎に溜まった未読本の数は増えていく一方なので、読書のスピードも上げていきたいところですねー。
本を読みたい!と気合いが入っている時に限って、仕事が忙しくなったりするので曲者です。。。
それでは、山田悠介さんの「レンタルチルドレン」の書評、行ってみましょう!
今回のトピックはこちら!
「レンタルチルドレン」のあらすじ
愛する息子の「優」を病気で亡くしてしまった泰史と嫁の冬美。
すっかり人が変わったようにぼーっとするようになった冬美をなんとかしたい泰史であったが、どう対応していいものか日々悩んでいた。
そんなある日、「子供をレンタルしたり、売買したりしている会社がある」という話を耳にする。
泰史は疑いつつもその会社を訪ねてみると、確かにしっかりとした外観の会社がそこにはあり、担当の社員は子供達のリストを手渡してきて具体的なプロフィールを紹介してくれた。
すると、そのリストの中には驚くことに「優」にそっくりな子供がいたのだ。
冬美はその子を「優」と勘違いしてしまい、すぐにレンタル手続きをすることに・・・
幸せな日々が戻ってきたように感じたのもつかの間、1ヶ月後に子供の姿に異変が現れ始める。
泰史は真相を求めて子供をレンタルしてくれた会社の研究所に忍び込むが・・・
幸せな雰囲気から一変、恐怖のスタートとなる山田ワールド
亡くした息子が戻ったように、新しい幸せな日常をスタートする泰史夫妻だったのですが、急激な展開で不幸と恐怖が舞い込んでくる。
この急展開ホラーも山田ワールドの一つですよねー。
ネタバレになるのですが、子供が1ヶ月を過ぎたあたりから急に変化し始め、顔が崩れたり皮膚がただれたりと、恐ろしい姿になっていきます。
そんな恐怖の原因となっていたのが、「子供をレンタルする会社」そのものでした。
子供は、実はクローンだったというのがストーリーの結末なのですが、やはり物語の中でもクローンは研究段階だったのか、急激に老いてしまうという欠陥がありました。
せっかく遺伝子を研究した末に得た、人類の英知とも言える技術なのにもかかわらず、どうしてもそれを悪用する人って少なからずいるんですよね。
パソコンの技術が発展すると、ウィルスを作ってしまうハッカーがいるように。
クローン技術が発達すると、悪用する人もいるかもしれない
クローンの技術って本当に実装されるとなれば、本当にいろいろなことが便利になると思うんです。
倫理的にどうなの?ってこともあるんだと思いますが、利用方法によっては素晴らしい技術なはず。
でもやっぱり、子供をクローンで作ってレンタルするなんてことになっちゃうと、悲しいですよね。(物語の内容を批判しているわけではありませんよ)
こうやって考えてみると、技術は日々進歩して行って、本当になんでもできちゃうんじゃないかってくらいすごいです。
そんな技術の一つ一つが、使い方やルールをしっかり構築しておかないと、悪影響のほうが多くなってしまうような気がして怖くなります。
最近はやりのVR(ヴァーチャルリアリティ)の技術も、悪用されるようなニュースは今の所ありませんが、これから問題視される可能性もあるでしょう。
技術の進歩は、「悪影響」の側面も考えておかなければなりませんね
どんな素晴らしい技術も、使い方次第でどうにでもなっちゃうということですね(笑)
優れた技術であればあるほど、悪用の幅も広がってしまう矛盾は、致し方なのかもしれません。
しかし、そこはモラルやルールをもってきちんと使っていきたいところです。
せっかくの素晴らしい技術も、ルールを破って悪用する人がいるばっかりに実用化されなかったりするのであれば、人間のモラルが問われることになります。
終わりに
本の内容からはちょっと外れてしまいましたね。
久しぶりにクローンを扱った小説を読んだので、つい熱弁になってしまいました。
レンタルチルドレンは、設定もしっかりしているし、程よくホラーで恐怖を味わうこともできて面白かったです。
幸せと恐怖の両方を1冊で描く。
やっぱり山田悠介さんの小説は面白いですね。
まだまだいっぱい溜め込んでいるので、どんどん読みたいと思います。
山田悠介さんの作品で、他にも書評を書いているので合わせて読んでみてください。
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