「氷菓」高校を舞台に身近な謎を思考する青春ミステリー

氷菓 (角川文庫)

 

氷菓

 

米澤 穂信 著

 

 

神山高校という学校を舞台に、4人の高校生が日常に潜む謎を思考していく青春ミステリー小説シリーズの第1弾。

 

部員4名で構成される「古典部」を舞台に、日々の部活動やプライベート、学校で行われるイベントなどが描かれています。

 

米澤さんの作品では、ミステリーの構造を楽しむものも非常に多いのですが、何よりキャラクターが魅力的です。

 

一人一人の個性がしっかり設定されていて、心の描写を楽しむのも一つの魅力です。

 

特にこの「氷菓」に始まる「古典部シリーズ」は、キャラクターに愛着を持って読み進めることができました。

 

 

 非常に愛着のある「古典部シリーズ」ですが、これまで書評を書いていないことに気がつきましたので、書いていきたいと思います。

 

 

今回のトピックはこちら!

 


  • 「氷菓」に登場するメインキャラクター紹介

  • 「氷菓」で登場する謎
  •  アニメ化と実写映画化
  • 終わりに
  •  

     

     

     

     

     

     

    「氷菓」に登場するメインキャラクター紹介

     

     

    ということで、まずはキャラクターの紹介をしていきたいと思います!

     

     

     

    ・ 折木 奉太郎

     

    物語のメイン主人公。

    読書が好きで、かなりの思考能力を持つ頭のいい男の子。

    「やらなくていいことはやらない。やらなければならないことは手短に」をモットーに、省エネを信条として生活をしている。

     

     

     

    ・ 福部 里志

     

    奉太郎と中学生の頃からの友人で、とても活動的な男の子。

    古典部手芸部、総務委員会の3つを兼任するほど、いろいろなものに興味を持つ。

    自身のことを「データベース」と称するほど知識には自身を持っており、様々なことに意見したり話を展開したりするが、「データベースは結論を出せないんだ」が口癖で、結果についてはやや曖昧な部分が見える。

     

     

    ・ 千反田 える

     

    物語のメインヒロイン。

    頭が良く、美人で、名家の娘という高スペックな女の子。

    非常に好奇心が旺盛で、ちょっとした謎や問題を見つけては、奉太郎に解決を求め相談する。

    「私、気になります」が口癖で、この言葉を引き金に奉太郎は様々な謎解きに巻きこまれる。

     

     

     

    ・ 伊原 摩耶花

     

    奉太郎とは小学生の頃から、里志とは中学生の頃からの友人。

    気は強いが面倒見は良く、自分の意思もはっきりしている女の子。

    古典部と漫画研究会を兼任しており、漫画には格別な思い入れがある。

    里志に好意を抱いているが、しれっとかわし続けられている。

     

     

    こんな4人が、謎解きを繰り広げていくストーリーは読み応えがあります。

     

    私がキャラクターに思い入れがありすぎて、若干一人で盛り上がっている節はありますが(笑)

     

     

    氷菓」自体は2001年に発表された作品なので、かなり前のものにはなるのですが、2016年初めに第6弾が発表されたりと、まだまだ続いている作品です。

     

    氷菓はアニメにもなった作品で、何度も書いてしまっていますが、キャラクターがとても魅力的なんです。

     

    4人とも個性的で、「あーこんな高校生活もいいな」なんて思わされる内容になっています。

     

     

     

     

    「氷菓」で登場する謎

     

     

    ・ いつの間にか密室になってしまった古典部の部室

     

     

    入学して「古典部」に入学した奉太郎。

     

    部室は特別棟4階の隅っこにある地学講義室ということで、鍵を持っていざ向かわん。

     

    鍵を使って地学講義室のドアを開けると、なんとそこには「千反田える」の姿があった。

     

    という状況なのですが、なぜ千反田は鍵のかかった部屋の中にいたのか、奉太郎は疑問に思うわけです。

     

    そして等の千反田は、自分が部屋の鍵をかけたわけではないらしく、なぜ部屋に鍵がかけられていたのかわからないという話に。

     

    「どうして鍵がかけられていたのか、気になります」ということで、奉太郎は状況を確認し、なぜ地学講義室に鍵がかけられていたのか?という「古典部シリーズ」最初の謎を考察することに。

     

     

     

     

    ・ 毎週必ず貸し出しされているある本について

     

     

    図書委員を務めていた伊原摩耶花は、「毎週金曜日の放課後になると、同じ本が返却されている」というちょっとした疑問を持ちかける。

     

    しかもなんと5週連続で、ということ。

     

    5週も連続で、しかも返却されたのを待っていたかのように同じ周期で貸し出されるある本について、なぜいつも貸し出され、そして毎週末返却されてくるのか。

     

    その本は、まさに辞典のような装いで、「神山高校50年の歩み」という名を持つ、明らかに高校生に人気が出るとは思えない1冊であった。

     

    果たして、5週連続で返却され続けている「神山高校50年の歩み」に関わる謎とはいかに。

     

     

     

     

     

    ・ 「氷菓」というタイトルがついた文集の謎

     

     

    神山高校では、なんと50を超える部活や研究会が存在している。

     

    そのほとんどが文科系の部活で、少人数から大人数まで、多岐にわたっている。

     

    そんな神山高校では、「カンヤ祭」という文化祭が人気を呼んでおり、実に3日間にわたる大規模な文化祭を開催している。

     

    文化祭では、各部活が各々のパフォーマンスやイベントを実施し、文科系では文集を作ってお客さんに販売する部活も少なくない。

     

    古典部も、「氷菓」という文集を作ることが伝統となっており、毎年古典部員が製作した氷菓をカンヤ祭で販売しているようだ。

     

    昔の氷菓を読んでいた「古典部メンバー」は、ある謎にたどり着く。

     

    実は昔、カンヤ祭は5日間開催されていたそうだ。

    そして、関谷純という30年以上前に神山高校の生徒だった先輩が、カンヤ祭をめぐるある事件によって退学を余儀なくされてしまったことを知る。

    その事件について調べていくにつれ、なぜ「神山高校の文化祭がカンヤ祭と呼ばれているのか」、なぜ文集「氷菓」は「氷菓」という名前になったのか、という話につながっていく。

     

     

    この小説のタイトルにもなっている「氷菓」の設定と、古典部メンバーの謎を考察する流れなども読み応えがあり、感心してしまう内容でした。

     

     

     

     

     アニメ化と実写映画化

     

     

    古典部シリーズ「氷菓」は、小説として作品が発表され続けているのとは別に、実はすでにアニメ化もされています。

     

    アニメは2クール分の24話構成で、すでにDVDにもなっているので興味がある方はレンタルしてみてください。

     

    アニメになって一気に人気が爆発したようなイメージがあります。

     

    私も、アニメのキャラクターが非常に個性的で愛着がわき、そこから小説もすべて読んだタイプなので、アニメが与える影響は大きいですよね。

     

     

    さらに、実写映画化の情報も出てきています。

     

    小説の実写映画化はとても興味があるのですが、一度アニメとして人気になった作品を実写映画化するのはちょっと危険な気もします。。。

     

    アニメのイメージが強すぎると、俳優や女優が演じるキャラクターとのギャップが顕著になり、滑ってしまうパターンもありますから。

     

    とは言いつつも、お気に入りの作品なので実写映画も見てみたいと思います。

     

     

     

    終わりに

     

     

    ミステリーとしても読み応えがありますが、それでいて青春を思い出すような高校と部活を舞台としたライトミステリーとして誰にも読みやすい作品に仕上がっていると感じます。

     

    何度も書いている通り、キャラクターが非常に生きている作品です。

     

    小説は作数も6作目に突入しているので、何かシリーズものが読みたい方にもオススメ。

     

    ぜひ、一度手にとっていただきたい作品です。

     

     

     

     

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