「マネジメントの基礎理論」
海老原 嗣生 著
会社で仕事をしていると、よく耳にするのが「マネジメント」という言葉。
みんな揃ってマネジメント、マネジメントって言っているけど、本当は一体どういう意味なのだろう?まずは何をすればいいんだろう?と思っている人が多いのではないでしょうか。
特に、班長・組長・係長・リーダーなどの中間管理職も含めた、管理職と言われる人たちがよく使っている言葉ですね。
自分が「マネジメントする立場」であれば言葉の意味を間違って使っていたらものすごく恥ずかしいし、やり方を間違えている可能性も考えられます。
そして「マネジメントされる立場」であれば、よく言葉の意味を理解してマネジメントされてあげた方が、上司と円滑に業務が進められます。
いずれ自分も「マネジメントする立場」になると考えて、知っておいて損はありません。
この記事では、マネジメントという言葉の意味から、初期段階として取り組めるマネジメントの考え方まで、「マネジメントの基礎理論」の内容からまとめていきます。
今回のトピックはこちら!
そもそもマネジメントってなんだろう?
マネジメントは「経験と勘」ではなく「理論」に基づいている
部下にやる気を持たせることがマネジメントの第一段階
終わりに
そもそもマネジメントってなんだろう?
まず最初は、そもそもマネジメントってなんだろう?ってところから考えましょう。
マネジメントとは、英語で「管理」を意味する「Management」をそのまま使っている言葉です。
マネジメントにも意味はいろいろとあるんですが、一般的に使われているのは「管理」という意味です。
部下を管理する、お金を管理する、業務を管理する、時間を管理する、チームを管理するなど、様々な場面でマネジメントが登場します。
部下を持たない平社員でも、自分自身の業務をマネジメントしたり、時間感覚をマネジメントしたりと、いろんなマネジメントを日々行っていることになります。
ただ、本や仕事の中で使われる「マネジメント」は、だいたい「部下を管理することやチーム単位を管理すること」に対して使われます。
マネジメント業務、マネジメント能力なんか呼ぶ場合には、部下を管理する業務や部下を導く能力のことを指しているわけですね。
つまり、「マネジメント」というのは、部下や組織を管理し、導いていくこと・まとめることを意味しているのです。
マネジメントは「経験と勘」ではなく「理論」に基づいている
マネジメントというと、その人の感覚や人付き合い、性格などに依存すると思われがちですが、Amazonの「マネジメントの基礎理論」紹介ページによると、
「経験と勘と口伝」で積み上げられたものと思われがちなマネジメントには、実は学問的な裏付けがある!
マネジメント理論の巨匠18人を選び、彼らの提唱した理論からクイズ形式で効率的に根幹を学べる一冊。
後輩ができたらぜひ、課長を目指すなら絶対おさえておきたいマネジメントの基礎理論。
(Amazon商品紹介ページより引用)
と記載されています。
仕事は先輩の仕事をよく見て学べ。あとは経験しながら身に付けろ。
という昔ながらの考えでは、一人前に育つまでにどれだけ時間がかかるかわかりませんよね。
Amazonの商品紹介にもあるように、「経験と勘と口伝」ではなく、「学問的に理解して取り組む」ことで、ちゃんとみんながマネジメントできるようになるのだと思います。
そもそもマネジメントがどういうものなのか理解していなければ、やっぱり経験とか勘に頼ったマネジメントになってしまいます。
ですから次に、マネジメントを簡単に捉える方法をまとめます。
部下にやる気を持たせることがマネジメントの第一段階
マネジメントとは、「部下を管理すること」と先ほど説明したのですが、もっと簡単に一言で表現するなら「部下にやる気を持たせること」だと言えます。
部下にやる気を持たせると言っても、いろんなタイプの人間がいるので、一筋縄ではいきません。
しかし、まずは「部下にやる気を持たせること」がマネジメントの第一歩だとわかっておくことが重要です。
上司は部下のやる気を大切にしなければならない。
部下には能力にぴったりのものではなく、少し難しめの仕事を与えるべきだ。
部下とは会社の仕事の話だけでなく、時にはプライベートの話もしたほうが良い。
(「マネジメントの基礎理論」より引用しています。)
部下に媚を売ってもいけませんし、部下を放っておいてもいけません。
適した距離感で、その部下にあった仕事の配分を考えたり、よりやる気を引き出せるように働きかける必要があります。
時には、仕事だけでなくプライベートの話なんかで、お互いを理解することも必要でしょう。
「やる気」とは、とてもコントロールが難しいものなのです。
そしてこの部下のやる気のことを「内発的動機」というそうです。
さらに、
内発的動機とは「やる気」のことです。
マネジメントの基本がここにあるといってもいいでしょう。
(「マネジメントの基礎理論」より引用しています。)
「マネジメントの基礎理論」で描かれている「内発的動機」、つまりやる気を持たせることがマネジメントの基本であるということ。
そして、マネジメントの基本であり、最も重要なことなのです。
この部下のやる気を持たせることが、全然できていないのが現実です。
基本でありながら、最も重要かつ「最も難しいこと」なのだと言えるでしょう。
上司側が「マネジメントできているつもり」「しっかりマネジメントやっている」と思っていても、部下が全く「やる気になっていない」としたら、そのマネジメントはうまくいっていません。
マネジメントは、部下がやる気を持ち、しっかりと組織の向くべき方向へ導いてあげる手法なのです。
その部下がやる気を持てておらず、何も導かれていないのであれば、独りよがりのマネジメントであって、「マネジメントしているつもり」に過ぎません。
組織にとって最適であるように、元からやる気を持って取り組むタイプには、少し難しめの仕事を与えてさらにやる気を引き出してやる。
あまりやる気を持てないタイプは、できるだけその人がやっている仕事の意味だったり、責任を理解させてあげたりすることで、自分の役割を認識させてやる気を引き出します。
こんな感じで、その人にあったやる気の引き出し方を試してみて、組織全体を導くことが重要なのですね。
社員の内発的動機を高めると、社員は自ら頑張るようになり、長時間労働もいとわず、そのうえ辞めません。
(「マネジメントの基礎理論」より引用しています。)
このレベルまでマネジメントができていれば、組織は自然と成長していくレベルにまで来ています。
なかなかこんなレベルのやる気を複数の社員に持たせることは難しいですが、マネジメントを進めていくとより生産的な組織になっていくことがわかります。
終わりに
マネジメント能力は、いずれすべての人に求められる能力となります。
課長や部長といった管理職だけに必要な能力ではないのです。
後輩に仕事を与える時にも小さなマネジメントが必要ですし、自分がプロジェクトリーダーなんかをやるのだとしたら、そのプロジェクトメンバーに仕事を割り振ったりプロジェクトそのものをうまく進めるためにマネジメントが必要になります。
また、自分自身が成長していった先に、管理職が待っているかもしれません。
自分が管理職になってから慌ててマネジメントを意識し始めても遅いので、今からマネジメントを学びながら、意識しながら仕事をしていきたいものです。
この「マネジメントの基礎理論」は、小難しいことが少なめで、本当に基礎から学べる内容となっていました。
そもそもマネジメントって?って人から、今まさにマネジメントで困っている人まで、一読の価値ありの本だと思います。
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