レバレッジ・リーディング
本田 直之 著
レバレッジコンサルティング株式会社 代表取締役兼CEOの本田直之さんが書かれた、読書術に関するレバレッジシリーズのビジネス本。
本田さんは、数社の会社の経営に関わりながら、自身でも代表取締役を務め、それでいて本を何冊も出版しているやり手のビジネスマンです。
「レバレッジ」という言葉をキーワードに、社名や著作にも度々登場しており、「レバレッジ=最小の労力で最大の結果を得る」という意味で活用されています。
本書、レバレッジ・リーディングも同様に、最小の労力で読書から最大限のリターンを得る方法として、本の選びからから読み方、その後の活かし方に至るまで詳しく記載されています。
基本的には、多読「たくさんの本を読むこと」を推奨されていて、不要な部分の読み飛ばしや時間制限を設けたスピード読書術、気になったところにメモやカラーマーカーを使った印付けなどを行い、自分の気になる言葉を拾っていく読書を行います。
この時、読みながら全て理解することはできないということを頭に入れておき、後から大事だなと思ったところが復習できるように探していくような読み方をするのです。
そして、読み終わった後は、ページの端を折った部分やメモ・カラーマーカーが入っているところを読み直し、そしてパソコンやノートなどにまとめていく作業を行います。
まとめた言葉は、いつも持ち歩くノート・手帳・ファイルなどで携帯し、暇な時間に繰り返し読み直すことで、自分が本から学ぶべき重要箇所を脳に刷り込んでいくことができるのです。
ざっと紹介すると上記のような読書術が、レバレッジ・リーディングということになります。
詳しくは、レバレッジ・リーディングのやり方を含め、読書の効果を最大限に高めるための方法として、記事の本文の中で紹介していきます。
記事の最後には、レバレッジ・リーディングを受けて私自身が取り組んでいる読書法についても触れていきます。
以下、過去に書いた本田直之さん著作の書評記事を載せておりますので、よろしければご一読ください。
それでは、今回のトピックはこちら!
たくさんの本を読む、多読の効果
読書を継続するコツ
読後のフォロー「レバレッジ・メモ」の作成と活用
てかてんの読書術
終わりに
たくさんの本を読む、多読の効果
まずは、なぜ「多読」をするのか?について考えていきます。
本の読み方には、いろいろありまして、
速読 : 本を素早く読み進めていく読書術
精読 : 本をじっくり味わいながら、理解しながら読み進めていく読書術
積読 : 買った本を積み上げたまま読んでいない本
(積み上げた背表紙だけ読んでいるという皮肉的なニュアンス)
遅読 : 本をゆっくり読み進めていく読書術
乱読 : 特にジャンルを決めず、なんでもかんでもとにかく読む読書術
多読 : とにかくたくさんの本(大量の数)を読んでいく読書術
・・・ などなど
本当に様々な読書のやり方を表す言葉が存在しています。
その中でも、レバレッジ・リーディングが多読を推奨しているのには、もちろん意味があります。
レバレッジ・リーディングでは、そもそも本を読むことを「勉強」であり仕事で使える能力を身につけるための「自己投資」だとしています。
だからこそ、数少ない本から学びを得るのではなく、圧倒的な量の本を読んで成果に結びつけようということになるのです。
さらに、お金を貯めたいから「貯金やお金の使い方に関する本を読もう」という人がいた場合、たった一冊の本から得た情報をだけを鵜呑みにしてしまうと危険。
例えばその本に、「お金は若いうちに残業してでもとにかく稼ぐ量を増やせ!」と書いていたとすると、その方法だけが正しいと思い込んでしまうからです。
しかし、多読をして、「貯金やお金の使い方に関する本」をたくさん読んでみれば、
・ お金を貯めるには、まず自分の収支のバランスを知る
・ その中で、不要なお金を貯金に回す
・ 固定費を見直す(不要な固定費を減らす)
といったことが度々重要視されていることに気づき、収入を増やすよりも支出のコントロールが貯金には重要だと気がつくこともできます。
実際は、収入を増やすということが現実的に難しいため、支出のコントロールで貯金しよう!ということなのですが、ここに気がつくがどうかは大きな差だとも思えます。
要するに、一人の意見で納得するのではなく、たくさんの人の意見を取り入れて、自分の中でどうしていくことが大切なのかを判断する。
そのためにはたくさんの本を読む(多読)が必要不可欠なのです。
読書を継続するコツ
前述の理由で多読が必要になってくるのですが、頭ではわかっていても読書を習慣にするのは簡単なことではありません。
現代のビジネスマンは、仕事・人付き合い・家庭・プライベートとたくさんのことに時間を使う必要があり、なかなか勉強や読書に時間を充てることが難しいからです。
そんな中でも、読書を継続するためには幾つかのコツがあります。
本を早く読むコツなどを身につける前に、まずは本を読む時間の確保から始めます。
一般的に、趣味や勉強などに時間を確保しようとした時、まず最初に思いつくのが「仕事も食事なんかも全て終わった夜の時間」を使おうという考え。
この時間はやめておきましょう。
正しくは、この時間をあてにしておくことはやめましょう。
実際に、夜に余裕ができた日は本を読む時間として有効活用すべきですが、夜のフリーな時間は毎日決まって手に入るわけではありません。
突発的な残業で遅くなってしまった、上司との飲み会があってお酒を飲んでしまっている、家族とテレビを楽しんで本を読む気が無くなってしまう、疲れであまり集中できない、などなどたくさんの理由があります。
たとえ本を読む余裕があったとしても、夜の時間を毎日本ばかり読んでいては、家族から不満が募ることだってあるでしょう。
ということで、時間の確保は「朝の出勤前」と「スキマ時間・ながら時間」を活用します。
朝1時間早く起きれば、その分読書に充てられます。
朝は、メールや電話が来ることも少ないし、テレビ番組も魅力的なものが少ないため、邪魔が入らず集中して本が読めます。
夜に比べて脳も体も疲れがリフレッシュされているので、実は本の理解力も高まり効果的。
しかも寝坊さえしなければ、ほぼ確実に毎日1時間を確保できるので、朝の時間を活用することが理想的です。
あとは、スキマ時間・ながら時間。
スキマ時間とは、ちょっとした間の時間のことを意味していて、ながら時間は「〜しながら本も読める」という時間を意味しています。
・ 駅について電車が来るまでの数分間
・ 電車で移動しながらの時間
・ 休憩時間
・ 待ち合わせ場所で待つ数分間
・ 風呂で湯船に浸かりながらの時間
これらの時間も、毎日ルーティンのように少しずつ確保出来る時間ですので、この時間を見逃さずにさっと本を取り出して読んでいきます。
この時間確保をやり始めてから、私も年間100冊の本を無理なく読めるようになりました。
さらに詳しい解説は以下の記事にもまとめています。
読後のフォロー「レバレッジ・メモ」の作成と活用
レバレッジ・リーディングの最も重要な根幹が「レバレッジ・メモ」の作成と活用になります。
レバレッジ・メモとは、本を読みながら気になった文章や書き込んだメモなどを、後ほどパソコンでエクセルなどにまとめて文書化し、それをプリントアウトしたものになります。
つまり、読書で得た学びを一枚の紙にまとめて、いつでも重要箇所だけ見直せるようにした「自分だけの勉強ツール」になります。
このレバレッジ・メモを作っておけば、その本をもう一度時間をかけて読み直さなくても、自分が気になった言葉だけであれば1枚の紙を読み直すだけでOKなのです。
人間は、どんなに集中して頭を使って本を読んでも、読み終わった頃には大体のことを忘れてしまっているものです。
この本はいいことを書いていたなーとか、1つだけ重要箇所を覚えている、くらいのもので、本全体のことはあまり覚えていないと思います。
しかし、レバレッジ・メモを見れば、さっと全体像を見直せるし、繰り返し読み直すことで重要箇所が脳に刷り込まれていくのです。
人間の習慣を作り上げるには、とにかく繰り返しその情報に触れる必要があります。
勉強は朝1時間早く起きた方が身につきやすい
↑ このフレーズさえも、何日かすればすぐ忘れてしまうし、意識して思い出さなければ行動にさえ結びつきません。
ですから、レバレッジ・メモでこのフレーズを毎日読み返せば、
「朝の時間が大切だから早起きしよう」
という考えが、無意識のうちに頭から出てくるようになってくるのです。
そして朝の早起きと勉強が習慣になれば、読書を行動に結びつけることができているので、ただ本を読んだだけではなく、結果を出すことができたことになります。
本は、読んだだけで高揚感があったり、やる気が出たりするものですが、それで終了となってしまう人が大勢なので、レバレッジ・メモを活用して1つずつ自分の能力を高めることが大切です。
また、このレバレッジ・メモですが、1冊ごとにまとめページを1枚作成するのも良いのですが、私はジャンル分けを行ってエクセルシートにこれまで読んだ全ての情報を詰め込んでいます。
てかてんの読書術
私は、このレバレッジ・リーディングに感銘を受け、自分なりにアレンジした「データベース読書法」を活用しています。
内容としては、エクセルシートに、
・ 著者名
・ 本のタイトル
・ 気になった文章
・ ジャンル
などを記載し、本を読み終わったらそのエクセルシートに情報をどんどん溜め込んでいくというもの。
レバレッジ・メモのように、今すぐ身につけたい文章は印刷してシステム手帳で持ち歩くか、pdfに変換してiphoneで持ち歩くかしています。
エクセルシートであれば、「フィルタ」の機能を使って溜め込んだ大量の文章の中から必要なキーワードだけをまとめて表示することも可能です。
例えば、著者名でフィルタをかければ、ある著者の本のフレーズだけを表示することも可能ですし、「読書」という言葉でフィルタをかければ「読書」という言葉が含まれたフレーズだけを表示することも可能です。
さらに、ジャンル分けも行っているため、「読書術」でフィルタもかけられるし、「健康」というジャンルでフィルタをかけることもできます。
これまで自分が読書で見つけてきた重要な言葉を、エクセルシートに溜め込んで「自分だけの知識のデータベース」を作成しておくことで、いつでも学びの手助けになります。
終わりに
ちょっと脱線しながらかなり長い記事になってしまいまして申し訳ありません。
しかし、熱が入ってしまうくらい、このレバレッジ・リーディングという本には影響を受けたので、たくさん書いてしまいました。
本は読むだけで満足するものではなく、せっかくなので結果に結びつけるものであってほしい。
そして、自分だけのデータベースを作れば、これからいろんな場面で活躍してくれます。
読みっぱなしの読書から、自分を進化させる読書へ。
この記事と、レバレッジ・リーディングがそんな一助となれば幸いです。
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