「遅読家のための読書術」年間700冊を読む著者から学ぶ読書法

 

遅読家のための読書術――情報洪水でも疲れない「フロー・リーディング」の習慣

 

「遅読家のための読書術」

ー 情報洪水でも疲れない「フロー・リーディング」の習慣 ー

 

印南 敦史 著 読了。

 

 

書評家でフリーランスライターもやられている株式会社アンビエンス代表取締役の印南さんが書かれた読書術の一冊。

 

今では毎日書評を書く仕事をしているということで、年間になんと700冊もの本を読んで書評を書いているとのことですが、書評家を始める前は1ページに5分もかかって読んでいたとのこと。

 

一冊の本が300ページだとすると、一冊読み終わるのに1500分、つまり25時間もかけていたことになります。

 

これでは、月に数冊読むことすらままならないでしょう。

 

ではなぜ、印南さんは1日2冊ペースで本が読めるようになっていったのでしょうか。

 

この記事では、「遅読家のための読書術」の引用文とてかてんの解説を交えながら、本を素早く読むことと、その読書から学びを得ることについてまとめていきたいとお思います。

 

 

今回のトピックはこちら。

 

・ 遅読家というのは、読書に対する「真面目さ」を捨てきれない人のこと

・ 読書は「測量」よりも「宝探し」に似ている

・ 読書をさらに楽しむために好きな本だけ読むことをやめる

・ 終わりに

 

 

 

遅読家というのは、読書に対する「真面目さ」を捨てきれない人のこと

 

印南さんは本の中で、

 

遅読家というのは、読書に対する「真面目さ」を捨てきれない人のことです。

 

「熟読の呪縛」の発端は、おそらく学校教育にあります。

 

「作者の言いたい事を正しく読み取る」とか「主人公の気持ちを選択肢から選ぶ」といった教育を受けているうちに、「本を読むという行為は、著者の意図を一字一句正しく理解し、それを頭の中に写し取ることである」という不文律を植え付けられてしまっているのです。

( 「遅読家のための読書術」 p42 より引用 )

 

と書かれています。

 

これはまさにその通りだと私も思っています。

 

本を読む、文章を読むという行為が、一言一句逃さず丁寧に読み、さらには内容までもきちんと読み取ることだと、誰もが信じて疑わない。

 

それが根付いている理由が学校教育だということなのです。

 

子供の頃にそれがあたかも当たり前のように教えられているからこそ、共通認識として誰もが信じてしまっているのですね。

 

私は過去に「読書感想文を書くことが、未来の読書家を少なくしている原因になってはいないか?」という切り口で記事を書いたことがあります。

 

よろしければそちらもご一読ください。

 

 

tekaten.hatenablog.jp

 

 

 

読書は「測量」よりも「宝探し」に似ている

 

読書に対する真面目さがあるせいで、本をじっくりゆっくり読んでしまうことはここまででわかりました。

 

ではどうすれば、じっくりゆっくりではなく、読書を楽しめば良いか?

 

印南さんの言葉を借りると、

 

 

「価値ある一行」を意識しながら読むことは、読書に対するネガティブな感情をかき消す効果もあります。

 

読書を「面倒くさい」とか「苦痛だ」と考えるのは、「そこに書かれている文字列を全て目で追い、かつ、内容を咀嚼しなければ『読んだ』とは言えない」という思い込みがあるからです。

 

読書が作業になってしまっているということだと思います。

 

しかし、「1行」を探しながら読むようにすると、そこには冒険しかありません。

 

( 「遅読家のための読書術」 p88より 引用 )

 

ということを書かれています。

 

実は私も本のタイプに応じてこの読み方を取り入れていますが、確かにかなりスピードは上がりますし、読書の楽しみ方も変わります。

 

本のタイプとしては、ノウハウ、自己啓発、何か1つの技術やスキルに関して書かれている本などが当てはまります。

 

 

具体的にどのような読み方のことを印南さんが述べているのかというと、

 

本を読む中で、自分があまり興味を惹かれないところや著者が伝えたいことの前置き部分など、読んでも読まなくても大して変わらないとわかるところは読み飛ばす。

 

そして、いいなと思う1行や、著者が繰り返し伝えようとしてくる1行に関しては、「覚えようとする」、「ページの端を折る」、「手帳やノートに書き写す」などを行って、自分の知恵にするのです。

 

簡単に言えば、1冊という膨大な文章の中から、これだと思う1行を見つける。

 

これが宝探しのようで、面白い読書法になる、という感じです。

 

 

 

 

 

 

読書をさらに楽しむために好きな本だけ読むことをやめる

 

 

最後のトピックは、読書に偏りを持たせないように、好きな本・好きなジャンルの本だけを読むことはやめよう。というトピックです。

 

 

「ちょっと読む気がしないくらいの本」を入れるようにする。

 

いかにも自分が好きそうな本ばかり読んでいると、それはマンネリ化してきます。

 

むしろ、これまで関心が無かったはずの本に感動するという体験こそが、読書の醍醐味の1つではないでしょうか?

 

そうやって、自分の興味の範囲をどんどん広げていけるような仕組みを「本選び」の中に入れておくのです。

 

( 「遅読家のための読書術」 p155〜156 より 引用 )

 

 

人は、知らず知らずのうちに自分の好きな物に目がいってしまうものです。

 

コンビニで何か買うときでもそうですよね。

 

ついついいつも買うジュースやおにぎり、お菓子なんかを手に取ってしまうことは

、誰にでも経験があると思います。

 

本もそれと同じで、ビジネス本が好きな人はビジネス本ばかり買ってしまいますし、小説が好きな人は小説ばかり買ってしまいます。

 

さらにその中でも同様で、ミステリーが好きな人は恋愛ものやホラーものを全く読まなかったりもするわけです。

 

せっかく読書という趣味を確立しているのなら、本のあらゆるジャンルにもちょこっとずつ手を出してみると、実はものすごくはまってしまうことだってあるでしょう。

 

 

私も初めはビジネス書ばかり読んでいました。

 

特に経営者が書いた本や、起業に関係のある本ばかりでしたが、次第に読書そのものが好きになって読書術やノート術の本にはまった時期もあります。

 

ある著者にはまって、著作数十冊をまとめて読んだこともありました。

 

今では、ビジネス本3割、小説7割ぐらいの割合で本を読んでいるのですから、自分がどんなジャンルが好きで、どんなジャンルの本をどのくらい読みたいのかなんて、いろいろ読んでいけば変わっていくのです。

 

 

 

終わりに

 

本の読み方はいろいろあって、読書術と名のつく本をかなり見かけるようになりました。

 

それらはその作家さんの読書術であって、自分に合う読書術とは限りませんよね。

 

しかし、そこから読書のやり方を学んで、自分なりにアレンジしていけば、我流で本を読むよりも、圧倒的に効率良く学べるだけでなく、読書をより楽しんでもらえることと思います。

 

この記事で書いたことも、一つの参考として、まずは試してもらえると嬉しいですね。

 

 

 

 

 

 

コメント

タイトルとURLをコピーしました