【 年間120冊読書計画 43冊目】
「ぼくは明日、昨日のきみとデートする」
七月 隆文 著作 読了。
タイトルが「ぼくは明日、昨日のきみとデートする」とあるように、何か深い意味を感じる一冊。
詳しい設定について話してしまうと、物語の面白さそのものに影響を与えてしまいかねないため、今回の書評では大まかなストーリーにのみ触れておきます。
あまり大きなネタバレになると、面白さが「半減」どころではなくなりそうなので。
■■
美術系の大学に通う「高寿」は電車に乗ったときに見かけた「愛美」に一目惚れ。
「このタイミングを逃したら、一生この子に近づけないかもしれない」
そんな思いに、人生初の行動に出る。
電車を降りる愛美を追いかけて、いきなり声をかける高寿。
「一目惚れしました!」という唐突な告白から物語がスタート。
それから恋人になる高寿と愛美ですが、「彼女の秘密」が明らかになると共に、これまで二人で過ごしてきた日々の意味を考えると、切ない気持ちになるストーリーでした。
恋人となり、デートをして、一緒に食事をしたり、家でDVDを楽しんだり・・・
ありきたりな恋人模様を描きながらも、愛美の気持ちに隠れている真実を知った時、物語はさらに深い愛情で包まれます。
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「彼女の秘密を知ったとき、きっと最初から読み返したくなる。」
小説の帯に書かれているキャッチコピーですが、まさにその通りな一冊でした。
一目惚れして、勢いで告白!なんていうベタな恋愛物の小説を読んだことはあまりありませんでしたから、なんともむず痒いような気持ちで読み進めました。
恋人になった高寿の気持ちを表現している場面では、
「確かにこんな風に考えていたこともあったな」
と、恋愛をする中で感じる「男心」のようなものもうまく描かれていました。
初デートの約束をした日、デートプランを考えて、実際に一人でリハーサルをする場面なんかは、とても温かい気持ちになりました。
場所の下見だけでなく、近所のお店でご飯まで食べてみて、おすすめのお店をあらかじめ決めておくという徹底ぶりには、少々ほほえましい気持ちにもなりました。
こんな感じで、「普通の恋愛小説」としても楽しめる1冊だと感じました。
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ぼくは明日、昨日のきみとデートする (宝島社文庫)
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七月 隆文
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