「黒猫の小夜曲」
知念 実希人 著
こんにちは、てかてん(@tekaten)です。
今回は、優しい死神シリーズの第二弾「黒猫の小夜曲」を書評していきます。
人間の寿命が見えてしまう死神は、死後「地縛霊」とならないよう、生きているうちに「未練」を晴らしてあげようと四苦八苦します。
前回同様、とても心優しい死神が奮闘する姿に感動してしまいますね。
優しい死神シリーズの前作、「優しい死神の飼い方」については、
下記リンクより書評記事をお読みいただけますので、合わせて読んでみてください。
今回のトピックはこちら!
優しい死神シリーズの第二弾
優しい死神の飼い方に引き続き、優しい死神シリーズ第二弾。
優しい死神は、人々の命を刈り取るわけではなく、
むしろ「人間が未練を残さず逝ける」手助けをするのがお仕事です。
もうすぐ寿命を迎える人間の元へ、
警戒されない可愛い動物に乗り移り、
生きているうちに「未練」を断ち切るお手伝いをするのです。
今回は、黒猫の姿に乗り移り「クロ」と名付けられて街中を走り回ります。
前作は、死神がゴールデンレトリバーに乗り移り多くの人々を救ってきました。
今度も同じ世界観、そして同じ死神たちが、あなたの動物とともに人間を救いにやってきます。
今度は黒猫になった優しい死神
黒猫の作業曲では、新しい優しい死神が黒猫に乗り移って登場します。
前作、優しい死神の飼い方では、ホスピスの中で優しい死神が活躍するストーリーでした。
今回の黒猫の制作では、一般家庭のとある女性の部屋で買われる黒猫となります。
舞台を病院から住宅街へ。
記憶をしなった女性の、記憶を探す旅に巻き込まれていきます。
主要な登場人物
優しい死神のクロ
本作は、優しい死神が黒猫に乗り移って登場します。
優しい死神は、人間界に降り立つ時、何かに乗り移らなければ実態がありません。
人に親しまれやすい姿として、黒猫に乗り移って人々の未練解決に走ります。
記憶喪失の女の子
優しい死神のクロが、未練を取り除く対象に選んだ女の子。
記憶喪失になっていて、記憶を取り戻したいと思っている。
その記憶の奥に隠された真相とは。
「黒猫の小夜曲」はこんな人におすすめです!
黒猫の作曲は、次のような人たちにお勧めしたいと思います。
知念幹人さんの作品の中では、サスペンス要素が少なく、ミステリー要素もそこそこといった感じです。どちらかと言うと、人とのつながりや心の温かさをうまく開描いた医療物語といったところです。
感動したい人、心を洗いたい人
やはり「優しい死神シリーズ」のコアとも言える「感動」を味わいたい人におすすめしたいです。
優しい死神が黒猫に乗り移って、とある記憶喪失の女の子の記憶を取り戻そうと奮闘するのですが、そこには人と人との関係や想いが詰まった秘密が隠されています。
読了感は「感動」と「心を洗われた」気分でいっぱいになれましたので、
ちょっと心を整理したい人にもおすすめです。
キャラクターが映える作品が好きな人
前作「優しい死神の飼い方」とも同じなのですが、キャラクターが映える作品が好きな方にもおすすめです。
登場するキャラクターが多すぎるわけでもないので、キャラクターを覚える負荷は少ない作品。
それでいて、キャラクター一人ひとりは際立っていて、特に主人公の「優しい死神クロ」は可愛らしい一面もあって愛着がわきます。
前作の「優しい死神の飼い方」を読んだ方なら、より楽しめるようにも描かれています。
「優しい死神の飼い方」を読んだ方
前作「優しい死神の飼い方」を読んだ方なら、「黒猫の小夜曲」のきっと楽しめると思います。
世界観や設定が同じであり、前作の「優しい死神レオ」もコラボで登場するので、
シリーズ作品ならではの楽しみ方ができます。
あなたには「今」思い残していることはありませんか?
今生きている人たちは、これからの人生が当たり前のように続いていくと思ってしまいがちです。
私も、普段は 「明日も当然やってくる」と思って過ごしています。
この「優しい死神シリーズ」は、寿命を迎える人たちに「未練を残さず逝ってもらいたい」という想いから、生きているうちにその未練を断ち切るお手伝いをしていきます。
そのときに死神達がぶつかるのが、
「本人も何に未練があるかはっきり理解していない」
という問題です。
忙しい毎日の中で、自分を犠牲にし過ぎていると、この作品の登場人物達と同じことになり兼ねません。
こういう作品を読んだときこそ、
「今日この瞬間に後悔を残さない」
ということについて、真剣に考えてみるのも良いと思います。
今思い残していることがないか、後悔してしまうことがないかを考える上で、
次の3つの問いかけをしてみてください。
自分が今本当に悔いなく生きていけているのか、少し考える時間にしてみましょう。
やりたいこと、思ったことを先延ばしていませんか?
まず最初の質問です。
「やりたいこと、思ったことを先延ばしにしていませんか?」
人間は、日々の忙しさに埋没されて、
ついつい「やらなければならないこと」を優先しがちです。
自分のやりたいことや、思っていることを優先できず、先延ばしにしてしまいます。
先延ばしにし続けた挙句、結局やらないまま人生を終えることも少なくありません。
今、自分が何をやりたいのか。
今一度、真剣に考えて、
今日からやれることにエネルギーを注いでみませんか?
今、やりたいことに素直になっていますか?
先ほどの質問とも少し被りますが、
「今、やりたいことに素直になっていますか?」
やりたい気持ちを押し殺して、やらなければならないこと、人から押し付けられたことばかりを処理していませんか?
そして、やらなければならないことは、本当に必要があることでしょうか?
こんな問いかけを繰り返して、
今自分が本当にやりたいことに素直な気持ちになれば、
自ずと楽しい人生が切り開かれていきます。
やるべきことに埋没されていませんか?
最後の質問です。
「やるべきことに埋没されていませんか?」
日本人は勤勉で真面目ですから、やるべきことだらけになってもこなしていきます。
でもそれって、本当に幸せなのでしょうか?
やるべきこともしっかり棚卸しして、
優先順位をつけ、
時には不要なものは排除しながら、
自分のために時間を作っていきましょう。
今からでもきっとできるはずです。
終わりに
「優しい死神シリーズ」は本当に素敵な作品です。
心が洗われるし、本当に大切なものに目を向けさせてくれます。
情報過多で忙しい毎日だからこそ、
一息ついて自分のことを考える時間を作りたいものですね。
優しい死神シリーズの次回作が発売されることを祈って、書評を終えたいと思います。
今日も、てかてんの書斎に遊びに来てくれてありがとうございました。
では、また。
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