【書評】「新世界」(西野亮廣)人は思い出にお金を出す

 

新世界

 

「新世界」

 

西野 亮廣 著

 

今、注目のインフルエンサー西野亮廣」が仕掛ける新しい試み。

それは、「思い出にお金を払う」という人間の心理を掴んだ「参加型のイベント」です。

 

インターネットの普及、スマートフォンの普及、昨今の私たちを取り巻くお金の考え方などから、時代の変化が訪れています。

西野さんは「絵本作家」として爆発的に成功しましたが、そこにはいろいろな戦略があって成功を掴んだのだそうです。

絵本の成功から次にチャレンジしたのは、絵本を「光る絵本に変えて個展を開く」という試み。

SNSでもかなり拡散されている「光る絵本の個展」ですが、ここで「思い出や体験」を共有し「感動」をお持ち帰りいただいているようです。

 

この辺りを、本の内容からいくつかピックアップしながら書評していきます。

 

西野亮廣さんの著書「革命のファンファーレ」についても書評しているので、

よかったら下記リンクからお読みください。

 

tekaten.hatenablog.jp

 

今回のトピックはこちら!

 


  • 人は想い出にお金を出す

  • 「チックタック 約束の時計台」 光る絵本の個展
  • 貯金ではなく、貯信時代
  • ここから「新世界」が始まる
  • 終わりに 
  •  

     

    人は想い出にお金を出す

     

    「新世界」を読んで一番心に残ったのは、

    「人は想い出にお金を出す」

    という内容でした。

     

    特に、最近は「人は想い出にお金を出す」ようにシフトしていっているということです。

     

    一昔前は、情報を得たり、目に見える利点があるものにお金を出すことが当たり前でした。

    しかし現在は、インターネットがどんどん進化して、あらゆる事が「無料で便利に」活用できる時代になっています。

     

    ゲームもお金を出さないとできなかったけど、

    今は無料アプリでもトコトン楽しめます。

    新聞を買わないと情報が得られませんでしたが、

    ニュースも豊富でブログやインターネット記事も無限大に存在します。

    今でもブランド物は人気がありますが、安くて質の良いファストファッションも増えてきました。

    電話だって有料が当たり前でしたが、今ではどこにいても無料通話ができますよね。

     

    こんな風に、かつて有料だったものがどんどん無料で使えるようになり、

    むしろ有料だった頃よりも便利になっているのです。

     

    私たちは、便利な世の中に慣れてしまって、

    お金を使わず「貯めていく」ことが主になりつつあります。

     

    そこで話を戻すと「人は想い出にお金を出す」という話。

    旅行に出かけたり、アクティビティを楽しんだり、イベントやライブにでかけたり。

    「想い出」「体験」がセットになるものにお金を払うようになってきたのです。

     

    西野さんが目をつけたのはここ。

    オンラインサロンを成功させたポイントは、「人が想い出にお金を出す」ようになってきたからなのです。

     

     

    「チックタック 約束の時計台」 光る絵本の個展

     

      西野さんが仕掛けるイベントは、どれも本当に素晴らしいです。

    「人が想い出にお金を出す」ことと非常によくマッチングしています。

     

    「えんとつ街のプペル」という絵本が爆発的に売れてから、その絵本を「光る絵本」として作り変え、様々な場所で「個展」を開きました。

    お客さんは、個展を見に行くことで「体験にお金を払い」「想い出を持ち帰る」という流れになっています。

     

    同じく「チックタック 約束の時計台」という絵本でも個展をあちこちで開催して人気になっています。

    しかも、個展の会場には西野さん本人がいて、

    オンラインサロンで繋がっているメンバーも集まって直接楽しむことができます。

    SNSで知り合った仲間が個展でオフ会をしたり、作者の西野さんと一緒に写真を撮ったり、食事をしたり。

    個展を見るだけでなく、「感動」を追加することで「想い出」になっています。

     

    これがどんどんSNSで拡散され、お客さんがお客さんを呼び、

    さらにお客さん自身が「ファン」となり「リピーター」となる。

    素晴らし過ぎてうまく言葉にできないほどです。

     

     

    貯金ではなく、貯信時代

     

    昨今では、将来の不安から「貯金」をする時代になっています。

    終身雇用や年功序列が崩れ去り、大手の企業でもいつ倒産するかわかりません。

    倒産しなくても、事業が不安定になり、

    いつリストラされるかわからないのです。

    さらに、年金がもらえないのではないか?という不安も蔓延して、

    貯金に走る時代となりました。

     

    しかし、西野さんは、

    「貯金」ではなく「貯信」時代だと言います。

     

    貯信とは、信頼を貯めるということ。

    SNSで人気になってフォロワーが増えたり、ファンが増えたり、

    インフルエンサーになったりすることだと考えればわかりやすいですね。

     

    信頼を貯めるということは、周囲の人から信頼され、発信に影響力が出て、自分がブランディングされていくということです。

    そうすれば、ファンやフォロワーに対してサービスを提供して収入にすることもできるし、多くの人を巻き込んでイベントを行うこともできるようになります。

     

    まさに、信頼をお金に変えるという考え方ですね。

    西野さんが絵本で大成功した一番最初には、クラウドファンディングがありました。

    クラウドファンディングでお金を募り、そのお金で絵本を作って、資金提供者へ還元するという形です。

    これがまさに、西野さんが貯めてきた信頼がお金に変わり、そのお金が「思い出」を作った瞬間でした。

     

    貯信してこなければ、クラウドファンディングで多くの人が支援することはありませんでしたし、今の成功はなかったと思います。

    今現在活躍する人気ブロガーやインフルエンサー、有名Youtuberなどもすべて、信頼を貯め続ける活動をしながら、自身のコンテンツや広告などで「信頼をお金」に変えているのです。

     

    ここから「新世界」が始まる

     

    まさに、ここから新世界が始まります。

     

    非常に変化の多い時代で、次々と新しいビジネスが生まれていきます。

    これまで個人が活躍する時代ではありませんでしたが、今後は個人が力をつけて稼いでいく時代になります。

     

    インターネットの普及はまだまだ終わりません。

    むしろ、IoTやAIの進化により、さらにインターネット時代が加速していきます。

    ブログやYouTube、ウェブサイト、電子書籍、その他オンラインコンテンツがどんどん普及していきます。

    今とは比べ物にならないスピードで。

     

    そこでは多くの個人が活躍し、お金を稼ぐ時代になるのです。

     

    一人一人がクリエイターとなるような時代です。

    多くの企業が副業解禁してきました。

    これからは本業がありつつも副業頑張ることがむしろ当たり前になります。

     

    自分が好きなこと、得意な事が一体何なのか。

    それをよく理解した上で自分の好きなこと得意なことを伸ばしてみてください。

    まずはSNSの発信からでも大丈夫です。

     

    企業で働いてお金をもらうこと以外にも、自分が輝ける場所でお金を稼ぐという考え方は、非常に素晴らしい。

     

    西野さんの今後の活躍は、そんな個人の可能性をのぞかせてくれるワクワク感があります。

    私たちが簡単に真似できる事は少ないかもしれませんが、ヒントがたくさん書かれています。

     

    新世界や、革命のファンファーレなど、西野さんが出す著作を読み込み、そして今後の活動を覗き見することによって私たちにもチャンスが訪れるかもしれませんね。

     

    終わりに 

     

    やはり西野さんの活躍には驚かされるばかりです。

    今でも西野さんには、多くの誹謗中傷や、ネガティブコメントが寄せられているそうです。

    私も最初は、勝手な先入観でイメージを持っていましたが、実際の活動などを見させていただくとただのひがみに近いような感じでした。

     

    時代の流れを読み解き、圧倒的な努力をし、時間を惜しまず活動しているのです。

    ずるをしているわけでも、胡散臭いことをしてるわけでも、せこいことをしているわけでもありません。多くの人が西野さんのところに集まり、思い出を共有し、そこにお金をかけている。

    それは紛れもない事実なのです。

     

     

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