【書評】「予知夢」(東野圭吾)奇怪な事件に挑む天才学者とエリート刑事

 

予知夢 (文春文庫)

 

「予知夢」

東野 圭吾 著 読了。 

 

ガリレオシリーズ第2弾は、「予知夢」という短編集です。

第1作目の「探偵ガリレオ」と同じく、帝都大助教授の湯川と警視庁捜査一課の草薙刑事がともに怪事件の真相へと進んで行く物語。

2作品目となり、メインのこの2人が話す内容とか、掛け合いなんかにも親しみが生まれ始め、キャラクターに愛着が湧いてきています。

これも、連続シリーズ作品の魅力ですね。

 

今作も、5つの短編が収録されている短編集。

それぞれの短編ごとに、事件の発生から解決までが細かく描かれています。

1つの物語ごとに切りよく読めるので、ちょこちょこ時間を見つけて読んでみてもいいのではないでしょうか。

 

それでは、ガリレオシリーズ第2弾「予知夢」の書評を書いていきます。

前作、「探偵ガリレオ」の書評は以下のリンクよりお読みください。

tekaten.hatenablog.jp

 

今回のトピックはこちら!

 


  •  「予知夢」の収録作品

  • 草薙と湯川のキャラクターが作品をより面白くさせます
  • 終わりに
  •  

     「予知夢」の収録作品

    予知夢は以下の5つの短編がまとまった短編集になっています。

     

    夢想る(ゆめみる)

    深夜に、16歳の少女の部屋に男が侵入した。

    男の侵入に気がついた母親は、猟銃で威嚇してその場をしのいだ。

    後に逮捕された男は、

    「17年前から結ばれる運命だった」

    と主張していた。

    果たして、これは偶然なのか、妄想なのか。何かトリックがあるのだろうか。

     

    霊視る(みえる)

    ある女性が殺害された。

    その女性は、殺害された同時刻に別の場所でも目撃されているという不可解な現象が起こっていた。

    同じ人間が同時刻に別の場所で目撃されるなんてあり得ることではないが、実際に証拠や目撃情報が示している。

    目撃情報が間違っているのか、それとも誤認させるようにトリックが仕込まれているのか。

     

    騒霊ぐ(さわぐ)

    草薙の元に1つの相談が舞い込んでくる。

    相談者は女性で、夫が行方不明になっているのだという。

    そして、その夫が仕事で通っていた老人宅で、老婆が亡くなっているのだとも伺った。

    今現在その老人宅では、老人の甥にあたる人たちが数名で暮らしていて、女性はその家と住んでいる連中が何か知っているんじゃないかと睨んでいた。

    いざその老人宅を調べに行ってみると、定刻に家全体が振動するという非現実的な現象が起こっていたのだった。

    この非現実的な現象と、女性の旦那の失踪という2つの謎を前に、湯川と草薙はどんな捜査を繰り広げるのか。

     

    締殺る(しめる)

    ホテルのある1室で男性の絞殺体が発見される。

    遺体には細い紐で締められた跡があるが、同時に遺体のそばのカーペットが焦げていることや、皮膚が擦り切れていることなども見て取れた。

    単なる絞殺としては不可解な点が多く見られため、草薙は今回も湯川に捜査協力を依頼することに。

    故人の周辺調査をしていくと、次第に怪しいところが見え始め、事件が本当の姿を見せ始める。

     

    予知る(しる)

    マンションの1室で女性の遺体が発見された。

    驚くことに、その部屋の窓から見える位置に、不倫相手の自宅があるという。

    女性は亡くなる前、

    「奥さんと別れなければ覚悟がある」

    と不倫相手に電話をし、不倫相手に自殺の瞬間を目撃させたという事件だ。

    しかし、捜査を進めていくと、2日前に女性が首つりをしているところを見たという少女が現れる。

    この少女の目撃情報が間違いや勘違いによるものなのか、それとも何かしらのトリックがあるのか。

    再び、湯川と草薙のペアが事件の真相を探りに行く。

     

    草薙と湯川のキャラクターが作品をより面白くさせます

     

    連続シリーズ作品ですので、毎度登場するメインキャラクターには愛着が湧いていきます。

    キャラクターに愛着が湧いてくると、続編をどんどん読みたくなるし、作品そのものが面白く感じられるようになる。

    ガリレオシリーズの草薙と湯川には、そんなキャラクターが作り出す物語の面白さのようなものがありますね。

     

    次第に2人の仲の良さが垣間見えるようになってくるし、掛け合いや距離感なんかも絶妙です。

    こんな相棒がいたら心強いなー!と思いますね。

    お互い仲は良いのに、どこかちょっとした壁を張っているところがあったり、あいつはこういうやつだからと理解しあっているところがあったり。

    付き合いの長さが見て取れる関係は素敵ですね。

     

    そんな具合で。

    登場するメインキャラクターの人間性とかキャラクター像が見えてきて、自分なりに語れるほど好きになってきているとなると、それだけ作品全体が面白くなってくるので素敵です。

    これこそ、シリーズ作品の最大の魅力だと思っています。

     

    終わりに

    探偵ガリレオ」、「予知夢」と2作続けての短編集だっただけに、すでに大量の作品を読んだような気分になっています。

    2冊目にして、ガリレオシリーズのファンになっちゃってますね。

    ドラマや映画にもなっているのですが、こういう場合どちらから先に手を出すか悩みますね。

    ドラマを見て、よし原作も読もう!ってなるパターンと、その逆で原作読んでからドラマを見るパターンがありますが、

    ドラマも原作もある状態で、どちらから手を出すか選べるとき、どうしよう?ってなります。

    基本的には原作から読むようにしていますが。

    皆さんはどうでしょうか。

     

    本日も、てかてんの書斎にお越しいただき、ありがとうございました!

     

     

    予知夢 (文春文庫)
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