「仮面病棟」
知念 実希人 著
こんにちは、てかてん(@tekaten)です。
今回は、知念実希人さんの「仮面病棟」を書評していきます。
知念実希人さんといえば、現役の医者として働きながら小説家もされている、超スペックの高い人です。
理系と文系のトップクラスの職業に就いているなんて、本当に信じられません。
作品数もかなりの数に上りますので、執筆スピードの速さにも目を見張るものがあります。
本業の医師で培った「医療知識」をふんだんに盛り込んだ「医療ミステリー」が魅力の、今話題の作家さんですね。
そんな知念さんが「サスペンス×医療ミステリー」のような作品として出版したのが「仮面病棟」です。
ハラハラ、どきどきする展開に、思わず一気読みしてしまうほどでした。
ということで、
あまり前置きが長くなりすぎる前に、本文に入っていきましょう。
今回のトピックはこちら!
「強盗」「密室」「心理戦」で読み応えあり
仮面病棟のテーマは、「強盗」「密室」「心理戦」の3つです。
どれもサスペンス、ミステリーの匂いがプンプンするキーワードですよね。
はっきりと「共通の敵、悪役」と認識できる「強盗」が登場し、
「逃げ出せない病院」という「密室」の空間で、
隔離された人々と強盗の「心理戦」が繰り広げられる。
簡単に表すとこんな感じのストーリーになります。
舞台設定・状況
とある病院に、ピエロのお面を被った「強盗」が押し入ってきます。
そして、病院のエントランスに張り込み、人質をとった「立てこもり事件」へと発展。
一階のエントランスに「殺人ピエロ」が人質をとって立て籠もっている状況で、
ピエロからの様々な要求に応えていきます。
そんな中、
「なぜこんな状況に陥っているのか?」
を囚われたメンバーで探ろうとします。
もちろん、殺人ピエロに殺されてしまわないように細心の注意を払いながら。
警察に通報できないよう、内部の電話回線は遮断されているし、
出口もエントランス以外には無い状況。
そして、調査を進めていく中で「様々な違和感」が見つかっていきます。
どうやら、ピエロも病院内の「何か」を探ろうとしている様子。
「強盗」であるピエロが作り出した「密室」の中で、登場人物達が激しい「心理戦」を繰り広げるストーリーです。
「仮面病棟」はこんな人におすすめです!
医療ミステリーを得意とする知念実希人さんですが、
今作「仮面病棟」は特に次のような人たちにおすすめの作品になります。
もし1つでも当てはまるのなら、ぜひ読んでみてはいかがでしょうか?
ミステリー、サスペンス好きな人
まず最初は「ミステリーやサスペンス」が好きな人。
ミステリーやサスペンスが好きなら、問答無用でおすすめです。
事件が発生した後に、それを必死で解決に導いていく「刑事モノ」もすごく面白いのですが、
まさに今「リアルタイム」で事件に巻き込まれている状況で、当事者としてどう打開していくのか?
という展開は刺激的で面白いですよね。
知念実希人さんならではの「医療知識」もたくさん登場するので、「ミステリー×サスペンス」に追加で味付けもなされたような作品です。
ハラハラ・ドキドキしたい人
「ミステリー、サスペンスが好きな人」ともちょっと被りますが、
「ハラハラ・ドキドキしたい人」にもおすすめです。
仮面病棟は、ミステリーとしてもサスペンスとしても十分に楽しめる作品ですが、
殺人ピエロとの心理戦には「常にハラハラドキドキ」してしまいます。
殺人ピエロがいつどのような行動をとるのかわからない。
いつになったら解放されるのかわからない。
だからこそ、どうにか殺人ピエロと戦った方が良いのでは?
そんな風に考えながら、登場人物たちの行動にハラハラしたり、
突然の殺人ピエロの行動にドキッとしたりして、
常に飽きず、スピード感を持って読書が楽しめます。
どんでん返しが好きな人
最後は「どんでん返しが好きな人」におすすめです。
ミステリー作品の最も面白いところといえば、最終局面の「どんでん返し」です。
いわゆる「伏線回収によるオチ」といったところですが、
この「仮面病棟」でも期待を裏切らないどんでん返しが楽しめます。
知念実希人作品の中でも「サスペンス要素」が強めの仮面病棟
知念実希人さんの作品は、基本的に「医療ミステリー」がテーマになっています。
現役の医者だからこそ書ける「医療の知識」をふんだんに盛り込んで、
医療現場、病院やクリニックを舞台にしたミステリー作品が主ですね。
心温まるミステリーや、人気キャラクターが奔走するミステリー、難しい医療の知識をわかりやすく物語にした作品が多い中、
本作の「仮面病棟」と、次作の「時限病棟」では「サスペンスの要素」が強めに出ている印象です。
なので、知念実希人さんの本を読んでみたいなーと思っていて、ミステリーの中でもサスペンス系が特に好きだ!という人なら、
読まないわけにはいかない!と思います。
終わりに
知念実希人さんは、「医療」「ミステリー」という根幹はブレない作風でありながら、
バリエーションも豊富な素晴らしい作家さんです。
作品数も多いし、新作をリリースする速度もかなり早いので、
新しい作家さんを発掘したい人にはちょうど良い出会いになるのかもしれません。
私もなかなか手を出さずにいましたが、とりあえず一冊読んでみてから一気にはまってしまって、
その他の既刊を次々読んでしまったほどです。
ミステリー作家としては、次世代の東野圭吾さんといった印象を受けますね。
今後の新作にも目が離せません。
今日も、てかてんの書斎に遊びに来てくれてありがとうございました。
では、また。
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