【書評】「パーティ」(山田悠介)友情が紡ぐ感動の物語!

 

 

パーティ (角川文庫)

 

「パーティ」

 

山田 悠介 著

 

 

ホラー作品を多数発表している山田悠介さんですが、この「パーティ」はホラーではなく感動と憎しみをテーマに描かれた青春小説になっています。

 

これまで読んだ山田悠介さんの作品も、書評した作品もほとんどがホラー作品だったので、ちょっと違った視点で書評できそうな感じです。

 

先日、15冊くらいまとめ買いした山田悠介さんの作品ですが、そろそろようやく読み切れそうです(笑)

その関係もあって、最近の書評記事はほとんどが山田悠介さんの作品になっております。

徐々に他の本の書評も書いていけそうですが、これだけ同じ作家さんの書評記事もまとまってきたので、「山田悠介さんの書評まとめ」みたいな記事も書いておきたいと思います。

 

それでは、「パーティ」の書評を書いていきます。

今回のトピックはこちら!

 

 


  • 「パーティ」のあらすじ

  • 熱い友情が大きな力を生み出していく
  • 残念ながら世の中にはサービスを悪用している人がいます・・・
  • 終わりに
  •  

     

     

     

    「パーティ」のあらすじ

     

    4人の少年たちは、幼い頃からずっと一緒に過ごしてきた親友だった。

    小学生の頃、美希という女の子が転校してきた。

    彼女は心臓が悪く、激しい運動はできないということだった。

    クラスでもリーダー的存在だった4人に対して、担任の先生が「美希ちゃんを仲間に入れて守ってあげてね」とお願いし、4人は美希を守っていくことを決断する。

     

    小学生から中学生になり、そして高校生になっていく中で、アルバイトをしながら彼女の手術費用を稼ごうと4人で力を合わせていく。

    しかし、ある日心臓への負担が強くかかりすぎて、美希は命の危険にさらされてしまう。

     

    早く心臓移植を行わなければ美希は助からない。

    そんな時、加納と名乗る女性が海外での心臓移植のための団体として活動していて、2000万円あればすぐにでも手配できるといってくる。

    4人は銀行強盗をしてしまってでも、2000万円を用意するが、加納は2000万円を受け取ると行方をくらました。

     

    憎しみにかられながら必死に加納を探していたある日、神獄山の山頂で待っているという加納からの手紙を受け取った。

    4人で神獄山に登って復讐しようと決意し、命がけの登山に挑む・・・

     

     

     

    熱い友情が大きな力を生み出していく

     

    山田悠介さんの作品には珍しく、熱い友情を描いた作品でした。

    ホラーも素晴らしいですが、たまにはこんな感じの作品もいいですね。

     

    やっぱり読みどころは5人の友情の熱さです。

    いくら大切な友人のためとはいえ、青春時代にアルバイトに明け暮れ、その収入を全て彼女のために貯めていこう!って行動ができるなんて素敵ですよね。

    色々なことにお金を使いたい年頃なのに、その全てを投げ打って親友のために頑張る姿は圧巻です。

     

    しかも、小学生の頃から高校生の頃まで、ずっとブレずに支え続けるなんて、きっと自分にはできないなーと感じながら読んでいました。

    そんな熱い思いは、とても大きな力を生み出していくのだとも感じましたね。

     

    この人を助けたい!と口で言うだけなら簡単ですが、それをブレずに行動で結果を出し続けた4人は素晴らしい。

    奇跡は、そんな熱い思いから生まれるのかもしれませんね。

     

     

     

    残念ながら世の中にはサービスを悪用している人がいます・・・

     

     

    この物語にも登場するように、どうしても世の中にはサービスを悪用する人がいるものです。

    これだけインターネットが普及して、個人がSNSなどで簡単に情報発信ができる時代になったからこそ、もっと警戒しなければなりません。

     

    オレオレ詐欺のような詐欺行為は、SNSの乗っ取りやアプリ内から課金を促す悪徳サービスへと派生して、いろいろなところからお金を搾取しようと働きかける人たちがいます。

    仕組みもどんどん複雑化して、これまで騙されなかった人も騙されてしまうかもしれません。

     

    しかも、この物語のように「人の弱みに付け込む」詐欺もたくさんあります。

    どれだけ取り締まっても、絶対になくなることはないのだと思いますが、くれぐれも引っかからないように気をつけたいところです。

     

     

    終わりに

     

    ちょっと話は脱線してしまいましたが、とても素敵な友情を描いた1作として楽しむことができました。

    362ページもある長編ですが、まだ読んでいたいという余韻にも浸れる作品で、飽きがこなかった印象があります。

     

    1冊の中で、小学生から高校生、そして神獄山への登山シーンと目まぐるしくシーンが変化していくところが、飽きない理由かもしれませんね。

     

    きになる方は是非一読して欲しいと思います。

     

     

     

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