【書評】配信せずにはいられない(山田悠介)動画配信の過熱が狂気に変わる

 

【文庫】 配信せずにはいられない (文芸社文庫)

 

 

「配信せずにはいられない」

 

山田 悠介 著 読了。

 

 

コドモランドシリーズ第3弾。

 

孝広と孝平の子供時代から時は経ち、孝広は高校2年生となっています。

そして、舞台は学校内で作ったサークルの活動に。

 

動画をネットに配信して、リスナーからの反響を増やそうといろいろなことを試していくストーリーが描かれています。

 

シリーズ第1弾、第2弾の「君がいる時はいつも雨」と「天使が怪獣になる前に」では、孝広と孝平の2人にスポットライトを当てた作品でしたが、この「配信せずにはいられない」では友人にスポットライトが当てられています。

 

キャラクターや舞台設定は同じで、視点とテーマが違うような感じ。

シリーズ作品ならではの読み口も楽しみの一つです。

 

ということで今回は、コドモランドシリーズ第3弾の「配信せずにはいられない」を書評していきます。

 

これまでのコドモランドシリーズの書評は、以下からご覧ください。

 

 

tekaten.hatenablog.jp

 

tekaten.hatenablog.jp

 

 

今回のトピックはこちら!

 

 


  • 「配信せずにはいられない」のあらすじ

  • 個人がネット配信で注目を集めることができる
  • 過激な行動で反響を得ようとする問題も・・・
  • ピザ豚まんという新しいキャラクターで違った面白さが!
  • 終わりに
  •  

     

     

    「配信せずにはいられない」のあらすじ

     

     

    高校2年生になった孝広は、学校内で動画投稿や生放送を楽しむサークルを作って、日々活動していた。

     

    その名も、レインマンズ202。

     

    孝広と、カメラマンの陽介、ちょっと太った面白キャラのピザ豚まん(あだ名)の3人んで、新しい食べ物のレビューやショッピングモールの撮影などを楽しんでいた。

     

    人気を集めようとするあまり、ピザ豚まんは過激な動画を撮影しようとしてしまう。

    最初はコメントでも軽い炎上のようなものが多く、確かにアクセスや閲覧数は飛躍的に増えていたのだが、次第に・・・

     

    孝広たちは、自分たちが予想していなかった方向へと進んでいく。

     

    現代のインターネット時代、個人が自由に発信できる時代に、もしかしたらあるかもしれないことをテーマに取り上げている一冊です。

     

     

     

    個人がネット配信で注目を集めることができる

     

     

    現代では、個人が自由にインターネット上で発信することが可能になっています。

    多くの人がインスタグラム、フェイスブックツイッターといったSNSを活用していて、もはや当たり前になりつつあります。

     

    そして、ただインターネット上で発信できるというだけではなく、人気が出てくるとかなり強い発言力を持つこともできます。

    Youtuberのように、多くの視聴者を抱える「芸能人」のような活躍の仕方も登場しているのです。

     

    SNSでの発信によって、個人のブランディングに繋がったり、そこから収入が得られるようになったり、ファンがついたり、身近なところで言えば共通の趣味の仲間を作ることができたり。

    数年前では考えられないような進化が、現代では起こっているのです。

     

     

     

    過激な行動で反響を得ようとする問題も・・・

     

     

    このように、個人が簡単に情報発信できる時代になると、問題もいくつか発生してしまいます。

     

    それは、人気を得よう!アクセスを集めよう!反響を得よう!とするあまり、ちょっと過激なことをしてしまう人が出てくるということです。

    ようは、手っ取り早く人気になろうとするのです。

     

    youtubeでも、過激な動画や刺激的な動画を公開して、人気を一気に集めようとする人が目立った時期がありました。

    それでも、ほんの一瞬のアクセス増加はあっても、継続的に人気が出ることはありませんので、手軽な方法として過激なものを公開するのは危険です。

     

    多くの場合、他人に迷惑がかかってしまうため、世間で問題視されてしまう可能性だってあります。

     

    今回の「配信せずにはいられない」では、ピザ豚まんがどんどん過激な動画を撮影していく姿が描かれていますが、それは現代の問題点をうまく描写しているように思います。

     

     

     

    ピザ豚まんという新しいキャラクターで違った面白さが!

     

     

    これまでのコドモランドシリーズは、孝広と孝平をメインキャラクターとし、それぞれの作品ごとにサブキャラクターがいるような構図でした。

     

    今回の「配信せずにはいられない」では、ピザ豚まんというインパクトの強いキャラクターがメインキャラクターレベルで活躍し、物語の面白さを際立たせています。

     

    お調子者のおデブキャラで、孝広と友達という構図も今作が初めてですね。

     

    友達同士の掛け合いも読みどころです。

     

    シリーズ作品での楽しみ方は、やっぱり新しいキャラクターと従来のキャラクターのつながりや関係性によって、新たな化学反応が起こるところですね。

     

    今回のピザ豚まんは、まさにコドモランドシリーズのイメージを崩すことなく面白さを加えていて、とても良かったです。

     

     

     

    終わりに

     

    第3作品目まで書評しました。

    いかがだったでしょうか?

     

    現代でも考えられる動画配信やSNSの問題点をうまくストーリーに取り込み、読みやすく、読者を掴みやすくしています。

     

    てかてんも、タイトルに惹かれて購入しました。

    「配信せずにはいられない」まさに、最近はやりの動画配信のことだ!と食いついた感じです(笑)

     

    実は、最初に配信せずにはいられないを読んだんです(笑)

    後から、それがシリーズ3作目だったと知り、また1作目から順番に読んでいきました。

    ということで、配信せずにはいられないを2回読みましたね!

     

    本日も、てかてんの書斎にお越しいただきまして、ありがとうございました! 

     

     

     

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