本を読み直す「再読」の効用

 

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一度読んだことがある本を、また読み直してみる。
 
このことを、「再読」という言い方をしますが、同じ本を読み直すことにはたくさんの利点があります。
 
そもそも、一度読んだ本は滅多なことがない限り読み直さないという人もいると思います。
 
もう読んだんだから、新しく知ることもないし、学ぶこともない。
 
そんな風に思っているのかもしれません。
 
しかし、人間は一度読んだからといって、覚えている部分はほんの少し。
 
ひどい場合は全く覚えていない程度の記憶力しかありません。
 
(一部の天才は覚えているのかもしれませんが・・・笑)
 
 
もしも、「新しいことがない、学ぶことがない」という理由で再読をしていないのだとしたら、それは大きな間違いであり勿体無い事でもある。
 
私はそんな風に感じているので、今回まとめてみることにしました。
 
 
 
 
「再読の利点」
 
・ 内容の復習になり、記憶に残りやすくなる
 
・ 以前読んだ時と比べ、読み取り方が変わる
 
・ 以前の読書の振り返りができる
 
・ 何度も再読できれば、自分のバイブルとなる
 
 
 
 
まずは箇条書きにしてみましたが、それぞれ詳しく見ていくことにしましょう。
 
 
 
 

・ 内容の復習になり、記憶に残りやすくなる

 
 
 
まずは、勉強の復習と同じく「再読により本の内容が復習できる」というところです。
 
再読の最も大きな利点であり、読書に限らずあらゆることに復習は必要不可欠だと言えるでしょう。
 
子供の頃から学校などで繰り返し言われてきた復習。
 
 
復習の話になるとよく登場するのが、心理学者「ヘルマン・エビングハウス」という方が提唱した「エビングハウス忘却曲線」です。
 
人が一体どれだけのことを記憶できるのか?
 
そして、定期的に復習するとどれだけ記憶が定着しやすいのか?
 
これを実験してまとめたものがエビングハウス忘却曲線です。
 
 
 
20分後には、節約率が58%であった。
1時間後には、節約率が44%であった。
1日後には、節約率が26%であった。
1週間後には、節約率が23%であった。
1ヶ月後には、節約率が21%であった。
 

忘却曲線 – Wikipedia より引用しています。

 

エビングハウス忘却曲線は、上記の文章をグラフにして表現したものなのですが、読み取りにくさなどを考慮して、ここではあえて文章から解説していきます。

 

ウィキペディアに記載のある「節約率」とは覚えている量だと思ってください。

 

つまりは、100個の単語を暗記したとして、20分後には58個しか覚えていないということです。

 

わずが20分の間に約40個も忘れてしまっているというのがわかったのです。

 

これが1ヶ月後であれば8割も忘れてしまい、ほとんどのことを記憶できていないことがわかります。

 

案外、人間は物事を覚えられない生き物なのですね。

 

エビングハウスは、定期的に復習することで最初に忘れる量が少なくなり、定着する記憶量が増えることもグラフにしています。

 

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 忘却曲線 – Wikipedia より引用しています。

 

 

赤いグラフが1度も復習しなかった場合。

 

緑の線がそれぞれ1日後、2日後、3日後に復習をした場合なのですが、

 

見て分かる通り忘れていく量とスピードが全く異なります。

 

これだけ人は物事を忘れやすく、そして復習すれば記憶がより強くなることがなんとなくわかってもらえたのではないかと思います。

 

 

 

復習の利点について長くなってしまいましたが、再読に話を戻しましょう。

 

エビングハウス忘却曲線にあるように、人間は基本的に物事を忘れていくものなのですから、読んだ本の内容だって同じです。

 

時間が経てば、ほとんどのことを忘れます。

 

だからこそ、大事なことは再読によって復習し、自分の知恵・情報などをより強固な記憶にしないと、文字通り「ただ本を読んで分かった気になっただけ」という状態になり兼ねないのです。

 

趣味で本を読んで楽しんでいるだけ、ならばそれでも良いのですが、再読すればより良いと分かっていれば、再読すらも楽しみながら行えます。

 

趣味を楽しみながら成長できるため、再読は非常に良い手段なのです。

 

 

 
 
 
 

・ 以前読んだ時と比べ、読み取り方が変わる

 
 
 
読書とはおもしろいもので、読み手に応じて内容が変化して見えます。
 
例えば、経済について全く知らない人が経済学の本を読めば学ぶことがたくさんあったり、知らない言葉だらけで意味がわからなかったりしますが、
経済学専攻の大学生が読めばあまり学びにならなかったり、深い意味が理解できたりします。
 
これと同様に、読み手のレベルや立場、つまり学生なのか社会人なのか、はたまた主婦なのかなどによっても受け取り方が変わります。
 
自分が学生の頃にとても学びになった本を、社会人になって読み返す。
 
そうすれば、また違った読み味になってきます。
 
定期的にお気に入りの本を再読することで、新しい楽しみ方が可能になるのです。
 
 
ポイントとしては、
 
① 以前読んで感銘を受けた本、お気に入りの本
 
② 以前読んであまり内容が理解できなかった本
 
について、適度に再読することをおすすめしむす。
 
特に①の本は、繰り返し何度も読むことで、自分にとって本当に大切なバイブルにもなり得ますので、何度も読み返したいものですね。
 
 
 
 

 

・ 以前の読書の振り返りができる

 
 
もう一つは、以前の読書の振り替えりができるということです。
 
本を読みながら付箋をつけたり、気になったところにドッグイヤーをしたり、カラーペンでマークをひいたり、書き加えたり。
 
 
上記のような読書の履歴があれば、
 
以前読んだ時に自分がどこを気になり、どんなことを考えていたのかを辿っていくことができます。
 
以前気になって書き込みをしているのに、今回はそこまで気にならず、当たり前のことを書いていると思えたとしたら、それだけ自分が成長できていることになります。
 
また、前は書き込みもしていないのに、今回はどうにも気になる文章があれば、自分の興味関心が変わってきたこともわかりますね。
 
そんな風に、以前の自分と対話するような読書ができることも、再読のおもしろさになります。
 
 
 
 
 
 

・ 何度も再読できれば、自分のバイブルとなる

 
 
 
何度も再読することについては多少前述しましたが、何回読んでも心に響く本は人生のバイブルになります。
 
人生のバイブルは、そんな簡単に見つかるものではないですが、数冊あるだけでも人生の柱になってくれます。
 
バイブルとは、簡単に言うと最も重要な教科書のようなものを意味します。
 
つまり、自分にとって人生に必要な教科書を探すようなものです。
 
最初にも述べたように、人間は一度読んでも本の内容は覚えられません。
 
つまり、何度も読んで学びたいと思えるバイブルに出会えれば、その内容を脳に刷り込むほど読み込むことで、成長するチャンスがあるということにもなります。
 
暗記してしまうほど読み込んでいくと、本に書いている内容が無意識に頭にある状態となり、行動にも結びつきやすくなります。
 
ぜひ、自分がこうなりたい!という姿を持ち、その指針となる内容が詰まった本をバイブルとして、成長していければ素晴らしいと思います。
 
 
 
 
 

終わりに

 
 
 
本は一度読んだら本棚に入れたまま読み直さない、もしくは捨てるか売るかしてしまう。
 
そうではなく、必要に応じて読み返してみるといろいろな利点があります。
 
家の本棚に置いておけば、本棚に新しい本を直す際に目につくこともありますし、お気に入りの本がつまった専門ゾーンを作ってもいいかもしれませんね。
 
そして何度も読み返す中でその本の新しい良さに気づき、自分自身の成長の確認にも使用できます。
 
今一度、自室の本棚からお気に入りの本を取り出し、パラパラと読み返してみてはいかがでしょうか。
 
 
 
 
 
 
 
 

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