せっかく読書を読むのだから、とにかく楽しんで読みたい。
とにかく楽しんで本を読むためには、どんな読み方をしていけばいいのだろう?
年間100冊以上の本を読むようになってから、忙しい時期では、とにかく集中して本を読み進めなければ、という気持ちが出てくることがあります。
目標とした冊数を読み上げる為には、それなりにスピードを意識しなければなりませんが、本来読書は楽しむために取り組んでいます。
目標のために、楽しむことよりもスピード重視になってしまっては本末転倒。
ということで、今回は本を楽しく読むためにはどの様な読み方をして、どんなところに意識を持っていけば良いのかを考えてみたいと思います。
小説やビジネス書では、楽しみ方も変わってくるので、今回は「小説」と「ビジネス書」の2つのパターンに場合分けして考察していく事にします。
■ 本を楽しんで読むために必要なことは?(小説)
小説を読むときは、やはりスピードよりも「世界観に浸る」ことが楽しむ秘訣でしょう。
特に、小説の読み始めでは、登場するキャラクターの名前や人物像、人間関係、世界観の設定などが頭に入っていない状態でスタートします。
このキャラクターはどんな性格で容姿なんだろう?
キャラクター同士の関係性は?
メインキャラクターは誰?
世界観は、現代物?近未来?別世界?
この様な、その小説を読む上で重視される情報をいち早く掴み、頭に入れておくことが楽しむための条件です。
大体の基本情報は、物語の序盤に出てくるので、必要であれば読み返しながら、世界観やキャラクターについての知識を頭に入れます。
基本情報が頭に入っていれば、読み進めながら「あれ?この人どんな人だっけ?」とか「設定がよくわからなくなってきた」という事態を避けることができ、物語の進行を途中で止めることなく楽しめるようになります。
ここまでは、前準備のようなものですが、基本情報がしっかり入っていなければ楽しめませんから、内容に関してわからない情報は、調べながらでも内容に浸かっていきましょう。
それから、物語の伏線を意識しながら読むと、面白さはさらに増します。
伏線とは、後から実はこうだった!という驚きやギャップを与える文章の書き方の事で、序盤に出てきたある情報が、中盤や終盤で違った意味を持ったり、意味がわかるようになったりします。
伏線を物語に隠して散りばめて置くことを「伏線を張る」と言い、後から意味を持つ説明や条件が発生することを「伏線を回収する」と言います。
普通に読んでいけば、張られた伏線になかなか気がつかず、後に回収されるときに「すごい!」とか「おー!」という感動や驚きとなって気がつきます。
それくらいわかりにくいように、著者も伏線を張るようにしているのです。感動や驚きを強く与えるための文章術でもありますからね。
この伏線を見つけながら読むことも、楽しみのひとつです。
ここで張られていた伏線が、後にどんな結果になるのだろう?と予想しながら読むと、展開が見えてきて楽しめます。
その予想をさらに上回る回収をされると、ギャップをより楽しめたりもするからですね。
過去に読んだ本で似たような伏線が張られていたという経験でも伏線にきがつけるようになりますし、感性の良い人は読んでいきながらでも、伏線にきがつくことができます。
このようにして、キャラクターや世界観をしっかりと理解して頭に入れておき、著者が感動や驚きを与えるために準備している伏線を探しながらストーリーを追いかけていくと、小説をより楽しめるようになります。
■ 本を楽しんで読むために必要なことは?(ビジネス書)
小説に比べると、純粋に「楽しむ」と言うよりは、「学ぶ」「情報を収集する」といったニュアンスが強い読書になると思います。
そんなビジネス書をより楽しむためには、「自分の為になるフレーズや言葉を探す」という意識で読み進め、見つけたフレーズや言葉を記録していきます。
記録する時には、読書ノートを使うことが一般的ですが、私はいつでも参照できて、必要なフレーズや言葉を検索して取り出せるように「Excelシート」にまとめ上げています。
記録の方法に関しては、好きなやり方で記録していくと良いでしょう。
本を読みながら記録の一緒にやっていくと、読書を途中で中断しなければならなくなりますので、気になったフレーズ、言葉をみつけたら、その部分に付箋を貼っておきます。そして、そのまま読書を継続していくのですね。
本を読み終わったら、読書ノートやExcelシートを用意して、付箋を貼っているところを読み返し、必要なところを書き出していく。この方法を使えば、読書を中断する必要もなく、読み終わった後に必要な部分を復習できるだけでなく、読書ノート作成も楽にできるようになります。
読書ノートを作成すれば、後からもう一度その本を読み返さなくても、読んだ当時に学んだことを瞬時に復習することができます。一度読んで「いいな」と思っただけだと、人間はなかなかその学びを活かすことができません。繰り返し学ぶ必要がありますが、何度も同じ本を読む時間も惜しい。そんな時に、読書ノートが活躍します。
ビジネス書を楽しむためには、上記のように「学びを活かすための仕組み」が必要なのだと思います。
■ 終わりに
ただなんとなく闇雲に本を読んでいるよりも、こうやって「楽しむための読書とは?」ということについて考えてみることも、大切なのだと感じました。
読書は習慣化してくると、ついいつものペースで、いつものスタイルで読んでしまいがち。それが悪いというわけではありませんが、「あれも読みたい、これも読みたい」という気持ちが先だって、本を大量に買いだめしてしまいます。
本をたくさんストックしていると、「早く読まないと溜まっちゃう」とか「他にも読みたい本が山ほどあるのに・・・」という気持ちのほうが強くなり、「本をいかに早く読むか」に終始してしまいます。
これでは、前述した通り、本末転倒ですよね。
本来の読書は、楽しむための娯楽であり、学ぶための資料として活用すべきなのですから。
せっかくの名作やベストセラーなどを、より楽しむために、読者である私達も楽しむための努力や取り組みが必要ですね。
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