「8.1Horror Land」
山田 悠介 著
山田悠介さんの書いた文庫版の短編集。
短編だと、短い時間でさらっと楽しめるので忙しい時期でも楽しむことができます。
今回、この「8.1Horror Land」では3編の短編が収録されていて、この文庫のために書き下ろされた作品も入っています。
長編作品を読みながら、間に1冊はさむにはぴったりの短編集。
ぜひ一度手に取っていただきたいと思います。
それでは、今回のトピックはこちらです!
「8.1Horror Land」の収録作品とあらすじ
「8.1Horror Land」に収録されている3つの作品は、
○ 「8.1」
○ 「黄泉の階段」
○ 「骨壷」
の3作品となっています。
1作品ずつ、簡単なあらすじを書いていきます。
○ 「8.1」のあらすじ
幽霊が出ると噂される心霊トンネルを巡る物語。
インターネット上でお化けトンネルサイトというものが存在しており、そこで知り合った人たちといつもトンネル通いをしていた。
お化けトンネルを「バケトン」と称し、より怖い噂のあるバケトンを探して日々躍起になっていた。
なかなか本当に怖いバケトンが見つからずモヤモヤしていたある日、「捨て子トンネル」という名がついたバケトンが見つかった!とトンネルサイトの知人から連絡が来る。
昔、嵐の夜に子どもを捨てた夫婦がいて、帰りに事故にあって亡くなったという逸話があるらしい。
すでに捨て子トンネルでは目撃情報もあるらしく、みんなで行ってみようという話になった。
捨て子トンネルではどんな恐怖が待ち構えているのか・・・?
○ 「黄泉の階段」のあらすじ
彼女のために日々仕事に打ち込み、頑張ってお金を稼いで美味しいものでも食べさせてあげようとしていた。
1年前から付き合い始めた彼女とは、あまりデートもできていないし、部屋も1Kで、貧乏な思いをさせ続けていた。
そして、今回の給与日にはイタリア料理でも食べようと約束をしていたのだ。
少し待ち合わせに遅れそうで急いでいると、携帯電話が鳴った・・
彼女が事故にあって亡くなったのだ。
意気消沈で、すべてやる気を失った彼の元に、「亡くなった彼女に会えるかもしれない神社がある」という話が届いた。
「本当に愛していた人」になら1度だけ会えるかもしれないというその神社の情報を胸に、彼は「黄泉の階段」を目指すことに。
果たして「黄泉の階段」にまつわる情報は真実なのだろうか・・・?
○ 「骨壷」のあらすじ
青田墓地というお墓に、ある骨壷があるのだそうだ。
その骨壷には粉骨が入っており、憎い人間にその粉骨をふりかけると「3日以内に死ぬ」のだという。
こんな噂話に敏感な女子高生2人が、早速確かめてみたい!という話になっていた。
内1人には、どうしてもその粉骨を試したい相手がいたのだ。
ある日、理科の教師に理科室へ来るように呼ばれた。
恐る恐る入ってみると、成績があまり良くないが先生が成績を上げてあげようと言い始めた。
そして、その男性教師から恐ろしいことをされたのだった。
その男性教師に試したい。
どうしてもその思いが拭えず、青田墓地へ向かうことになった。
果たして、青田墓地の例の骨壷へ向かった彼女の運命は・・・
注目の1編はトンネルを舞台にした「8.1」
3つの短編はどれも面白い作品ばかりでしたが、てかてんがオススメする1編は「8.1」です。
「8.1」は心霊トンネルを題材にした、いわば「定番ホラー」のような作品です。
心霊スポットに行ってみた!というホラーものはかなり多いですが、定番には定番になる理由がありますよね。
やっぱり、どれだけ定番であっても心霊スポットものは怖いものです。
怖いもの見たさのような部分もありますが、人気があるのもわかってしまいますね。
実際の心霊スポットに行ってみたい!とは思いませんが(怖がりなので・・・)、物語や再現VTRでみたいと思う気持ちは強いです。
経験はしたくないけれど、安定して恐怖感を味わえる設定なのかもしれないですね。
終わりに
「8.1Horror Land」予想以上に楽しめた1冊でした。
山田悠介さんが書いた短編集を読むのは初めてだったのですが、長編に比べると展開が早くて楽しめた感じです。
収録されている3編が、どれも全く異なる内容のホラー作品が書かれているところもよかったですね。
せっかくの短編集で、どれも似通った内容だと飽きてしまうので・・・
もう1冊、角川文庫で出版された短編集の作品があるので、そちらも読んで書評したいと思います。
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