「ドアD」(山田悠介)他人の為に自分の命を犠牲にできるか?

 

 

ドアD (幻冬舎文庫)

 

 

「ドアD」

 

山田 悠介 著

 

 

今回、山田悠介さんの小説をたくさん買い込んでまとめ読みしているてかてんですが、山田悠介さんは作品数が多く、これまで知らなかった作品もまだまだありました。

 

有名どころは小説だけでなく、映画化されている作品も多いですし、そうでなくても名前は聞いたことがあるという作品が大多数を占めています。

この「ドアD」は、数ある作品の中でも初めて知った作品でした。

 

読書好き、読書家を語るてかてんとしては、有名な作家さんの作品でも知らない作品がまだまだたくさん眠っていることに、少しワクワクしています(笑)

 

そんな意味でも、BOOK OFFやAmazonをうまく使って、昔の作品などをたくさん買ってまとめ読み!というのは、新しい発見もあって面白いですね。

 

今後も、どこかのタイミングでまとめ読みを実践しようと思います。

 

それでは、「ドアD」の書評に行ってみたいと思います。

 

 

 

今回のトピックはこちら!

 

 


  •  

  • 「ドアD」のあらすじ
  • 他人の為に自分の命を犠牲にできるか?
  • 命をかけた極限状態に、人間の本性の部分が現れる
  •  
  • 終わりに
  •  

     

     

     

     

    「ドアD」のあらすじ

     

     

    主人公の優奈は、大学のサークル仲間7人と共にある部屋に拉致されてしまう。

     

    部屋に唯一あるドアは施錠されていて、脱出することはできない。

    すると、突然部屋の中に水が入ってき始める。

     

    よく見ると、部屋にはドアを開ける為のスイッチがあり、誰かがそのスイッチを押し続けないと外に出ることはできない・・・

     

    部屋から出るためには、誰か一人が犠牲にならなければならない。

     

    そして、水が溢れる部屋から脱出した先には、さらに新しいドアが・・・

     

    人間の本性が剥き出しになる、命をかけた心理的ゲームがスタートした。

     

     

     

     

    他人の為に自分の命を犠牲にできるか?

     

     

    この「ドアD」の一番の見所は、「他人の為に自分の命を犠牲にしなければならない」という絶望的な選択にあります。

     

    部屋から脱出しなければみんな死んでしまう。

    しかし、部屋から脱出する為には1人が何らかの形で犠牲になる必要がある。

     

    これは本当にたまらない選択ですよね!

    自分が同じ状態になったとすると、その他の人たちを助ける為に自分の命を犠牲にすることができるでしょうか?

     

    そのメンバーの中に、「嫌いな人」や「苦手な人」なんかがいたとしたら、その人を犠牲にしたいと思ってしまうのではないでしょうか?

     

    そんな風に人間の闇というか、本当に心の底にしまっている感情を表に出さなければならない。

    霊的ホラーの作品よりも、人間の闇を見るホラーというのも、読みがいがあります。

     

    てかてんとしては、「脱出ゲーム」や「王様ゲーム」といった作品が大好きなので、「ドアD」にも同じような面白さを感じましたね。

     

     

     

     

    命をかけた極限状態に、人間の本性の部分が現れる

     

     

    自分の命がかかっているという極限状態になると、何としてでも生き延びたい!と人間の本性の部分が出てくるのだと思います。

     

    普段の生活では、命がかかるほどの状態に陥ることは無いので、想像の世界ですが。。

     

    「俺はまだここで死にたく無いんだ。代わりに誰か犠牲になれよ」

    心の中ではそんな風に思ってしまうと思います。

     

    自分の命に代えても守ってあげたい人がいるなら、もしかしたら自分が犠牲になる!という選択肢もあるのかもしれませんが、ほとんどのケースは他人を犠牲にしてでも自分が生き残りたいものだと思いますから。

     

    こうした時、「お前が代わりに犠牲になれよ!」とストレートに威圧して生き残ろうとするやり方もあれば、「ここでこうしておけばあいつが犠牲になるはず・・・」と裏工作をしながら罠にはめるタイプもいるでしょうね。

     

    どういう形であれ、人間が持つ本性も部分がにじみ出る設定で、面白かったです。

     

     

     

     

     

    終わりに

     

     

    作品の最後には「えー、まじかよ」って思わされる展開が待っていました。

    ネタバレになっちゃうのでここでは伏せておきますが、よく練られて書き上げられた作品だなと感じましたねー。

     

    心霊的ホラーのように直感的で怖いなと感じる作品も読みたくなるんですが、この「ドアD」のように人間の黒い部分を描いた作品を読むのも良いものです。

    もしかしたら、この世で一番怖いものは「人間」なのかもしれませんね。

     

     

     

    これまで山田悠介さんの作品の中で書評した記事がいくつかあります。

    中でもオススメの記事リンクを以下に記載しておきますので、よろしければ合わせてお読みください。

     

     

    tekaten.hatenablog.jp

     

     

    tekaten.hatenablog.jp

     

     

    tekaten.hatenablog.jp

     

     

     

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