【 年間120冊読書計画 26冊目】
「反抗期ムスメに向けたキャラ弁ママの逆襲 今日も嫌がらせ弁当」
ttkk(Kaori) 著 読了。
二人の娘を女手一つで育てている、ある主婦の物語を綴った一冊です。
高校生に上がった次女が、反抗期に突入したことから、母の「嫌がらせ」という名目のキャラ弁生活がスタート。最初は勢いで始めた、とのことでしたが、まさかそんなキャラ弁を3年間も作り続けるとは思いもしなかったようです。
しかし、そんなキャラ弁に対して一切のコメントやリアクションが無かったことから、「毎日キャラ弁を作る」ことを決意し、夜中に働くことがあっても踏ん張ってつくり続けました。「美味しかった」とも「おもしろかった、可愛かった」とも言われることはなく、無言で弁当箱が返される毎日。それでも、ちゃんと完食して帰ってくる娘をほほえましく思っていたといいます。
キャラ弁のクオリティもさることながら、高校生活の3年間、一度も休むことなくキャラ弁を作り続けた、という根性が素晴らしいですね。キャラ弁作りが楽しかったとか、娘のためだからとか、理由はあったかもしれませんが、1日たりとも休まず作るのは大変な作業です。
せっかくキャラ弁を作るのだから、誰かに見てもらいたいと始めたブログが大ヒットし、こうした書籍の出版にまでつながったのだそうです。世の中何が起こるかわからない、という感じです。
親子の絆やクオリティの高いキャラ弁のイラスト、なによりひょうきんな性格の著者が娘にぶつける言葉の数々に、「ふふっ」と笑える1冊でした。
「反抗期ムスメに向けたキャラ弁ママの逆襲 今日も嫌がらせ弁当」の中では、実際のブログ記事をまとめた内容になっていて、キャラ弁の写真とブログに掲載した文面で構成されています。ですから、様々なレパートリーのキャラ弁と、その作り方についても解説しています。
のりやチーズを巧みに使ったメッセージ弁当、定番キャラクターとなったソーセージの作り方、缶コーヒーを再現したリアル弁当など、意表を突かれる弁当もたくさんありました。これからお弁当を作る人達にもご参考いただけると思います。
さて、当の娘さんは、相変わらず3年間反抗期が終わらなかったようだと話されていますが、その一部のエピソードがなかなか笑えます。
LINEでお母さんとやりとりしているのですが、そのお母さんの登録名がなんと「鬼」。毎日キャラ弁を作ってくれて、雨の時は眠たい目をこすって送り迎えまでしてくれる母親を「鬼」と登録するあたり、反抗期の中にも仲の良さが伺えます。
反抗する娘に対してコミュニケーションを取りたがる母親と、なんだかんだいいながら母親に頼っている娘、といった印象を受けます。私も反抗期の経験がありますのでなんとなくわかるような気がします。なんだかわからないけれど、母親の発言や行動にいちいちイライラしてしまう。でも、母親のことは信頼しているし慕っているような、曖昧な感情がある。結局は、徹底的に突き放すこともできずに、そのままの関係を保つような感じですね。
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この本の元になった著者のブログでは、今でも仕事にいく娘に作ったキャラ弁が掲載され続けています。現在は、2人の娘と同じ職場で仲良く働いているので、そんな中で作るお弁当やエピソードがつづられています。
気になった方は一度ご覧ください。ということでシェアします。
「ttkkの嫌がらせのためだけのお弁当ブログ」
それでは、26冊目 読了です。
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