【書評】「王様ゲーム 再生9.19」(金沢伸明)智久が変異した「第三の性」が動き出す

 

王様ゲーム 再生9.19 (双葉文庫)

 

王様ゲーム 再生9.19」

金沢 伸明 著 読了。

 

王様ゲームシリーズ第7弾!

全国を巻き込んだ王様ゲームが集結し、それから3ヶ月が過ぎた頃。

北海道をターゲットにした王様ゲームが指導してしまう。

 

さらに、「チャイルド」と呼ばれる謎の生命体も登場。

まさに北海道は、混沌の渦に巻き込まれていきます・・・

 

新たな展開を見せる王様ゲーム

今回も、新たな舞台・新たなメンバーが王様ゲームと戦っていきます!

それでは、王様ゲーム 再生9.19」の書評を書いていきます!

 

少し前の王様ゲームシリーズの書評は、以下にリンクを貼っておきますのでよろしければお読みください。

tekaten.hatenablog.jp

tekaten.hatenablog.jp

tekaten.hatenablog.jp

 

今回のトピックはこちら!

 


  •  「王様ゲーム 再生9.19」の主な登場事物

  • 「王様ゲーム 再生9.19」のあらすじ 
  • 「チャイルド」という新たな生命体の登場
  • チャイルドのオリジナルが「智久である」という悲劇
  • まだ姿を現していない智久はどうなっている?!
  • 終わりに
  •  

     「王様ゲーム 再生9.19」の主な登場事物

    宮内 雅人

    王様ゲーム再生の主人公。

    金沢伸明や工藤智久と同じく、なるべく多くの人を救おうと奮闘する性格。

    滅亡で全国規模の王様ゲームが展開された時、

    「高校生が生き残るか、高校生以外が生き残るか」

    という選択を迫られ、「高校生が犠牲になろう!」と多くの高校生を説得し、今では英雄と称えられている。

     

    春野 美咲

    王様ゲーム再生のヒロイン。

    宮内雅人の彼女として、雅人を支えながら王様ゲームを生き残ろうとする。

    正義感が強く、自分の意見もはっきりと述べる性格である。 

     

    荒井 和彦

    クラスメイトであり、宮内雅人の親友。

    とても熱く・行動力のある性格で、常に雅人達を気遣って手助けしてくれる重要人物。

     

    氷室 香鈴

    クラスメイトであり、ともに行動する仲間。

    大人しく、あまり行動力もないが、物語の鍵を握る人物として登場する。

     

    工藤 智久

    前作、王様ゲーム滅亡で活躍し、全人類を救った英雄。

    再生の世界でもその名を語り継がれるシーンがあり、智久のおかげで命が救われたということをリアルの体験したものが多い。

    ・・・果たして、謎の変貌を遂げた智久は今・・・ 

     

    チャイルド 

    第三の性を持つ人類ならぬ新たな生命体。

    感情がなく、意志を共有できる能力を有し、体の再生能力にも優れている。

    人間を殺すことを目的とした行動パターンを示しており、今作の強敵として雅人達を苦しめる存在。 

     

    リボーン

    人類をチャイルドに管理させる世界を目指し、この世界を再生することを掲げている集団の名称。

    チャイルドを増やし、人間を滅ぼそうとしている恐ろしい組織だが、その多くは謎のベールに包まれている。

     

    「王様ゲーム 再生9.19」のあらすじ 

     日本全国を巻き込んだ最悪の王様ゲームから3ヶ月が経過していた。

    北海道各地で、腹部を切り裂かれた死体が見つかり、それは人間の所業とは思えないものであった。

    さらに、「リボーン」と名乗る謎の集団が北海道で勢力を増やしていっており、人類の再生を望む活動を進めているとのことだった。

     

    そして、ある日突然、北海道全体で携帯電話が鳴り響き、悲劇の王様ゲームが再スタートしてしまう。

    ナノクィーンの奪取と工藤智久の作ったケルドウィルスの抗体によって、完全に解決したはずの王様ゲームがなぜ再度始まってしまったのか?

    そして、王様ゲームの開始とともに現れ始めた謎の生命体は、一体なんなのか?

     

    わからないことだらけだが、生き残るために人々は王様の命令に従いつつ、謎の解明をしなければならない状況に追い込まれるのだった。

     

    「チャイルド」という新たな生命体の登場

    王様ゲーム再生には、「チャイルド」という謎の生命体が登場します。

    チャイルドは、感情がなく、体を損傷しても再生する能力があり、人間と性行為をすることで増えていくという特徴があります。

    基本的には、人間を殺そうと動くように指示されているようです。

    しかも、チャイルドは意思を共有する力がある。

    とんでもない存在です。

     

    チャイルドには、王様の命令が通じないという設定も悲劇的。

    人類は、王様の命令に従いながら、チャイルドからも逃げ続けることでしか、生き残るすべはありません。

     

    例えですが、

    24時間動くな。

    という命令が下された場合、動くと命令に従わなかったことになり、罰を受けます。

    しかし、チャイルドは動けるので、見つかってしまうと殺されます。

    つまり、王様の命令とチャイルドの存在は、とんでもなく絶望的な組み合わせということになりますね。

     

     

    チャイルドのオリジナルが「智久である」という悲劇

     チャイルドは、人間の体を媒介してどんどん増えていっているので、その数は膨大になっています。

    人間は命を狙われ、体を媒介してチャイルドを増やしていくのなら、人間とチャイルドの数は次第に逆転していくことになりますね。

     

    そんなチャイルドですが、最初はどうやって誕生日したのか?という謎があります。

    王様ゲーム滅亡では、智久という主人公が「金沢伸明の細胞を体に宿して、ケルドウィルスの抗体を作る」という行動にでます。

    ケルドウィルスの抗体と引き換えに命を落とした智久でしたが、滅亡の最後のシーンで智久が異様な姿に変貌します。

     

    それは、「第三の性」といえる男とも女とも言えない外見で、肌は真っ白という姿。

    死んでいたはずなのに突如動き始めるところで物語が終わります。

    この智久が変化した姿がチャイルドであり、「チャイルドのオリジナル」だったのです。

    日本を救うために自らの命を犠牲にした智久が、自らの意思とは関係なく次の絶望を生み出している。

    そんな、ちょっと悲しい展開になっています。

     

    まだ姿を現していない智久はどうなっている?!

     

    チャイルドのオリジナルは「智久」であることがわかったのですが、肝心の智久が登場することはありませんでした。

    おそらく、最強のチャイルド!みたいな形でラスボスとして登場するのでは?!と思っていただけに、少し残念。

    次作の再生で、登場するのかどうか、気になるところですね!

     

    もしかすると、最初にチャイルドを増やしたところで命を落としているのかもしれません。

    今後明かされることを期待しましょう!

     

     

    終わりに

     

    王様ゲームもついに7作目。

    全12作品なので、折り返してしまいましたねー。

    7冊も読んだっけ??と思うくらい、スピード感があって、あっという間だった印象です。

    大筋は同じ設定でも、次々と新しい展開になっているので、飽きがないぶんテンポよく読めているのでしょうね!

     

    たくさんのキャラクターが登場するけど、それぞれ味が出ていていい感じです。

    あっさりいなくなるキャラクターも多いけれど、それでもキャラクターが薄くないところも魅力。

     

    残りもあっという間に読めそうですね!

     

    本日も、てかてんの書斎にお越しいただき、ありがとうございました!

     

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