自分の生き方に影響を与えた、おすすめビジネス本ランキングベスト10

 

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年間100冊以上の本を読んでいる私ですが、読んだ本はすべて本棚にとっておき、Excelシートにまとめた読書データべースを元に繰り返し復習をしています。
 
年間100冊という冊数は、多読の読書家にとっては大した量ではないかもしれませんが、私は「仕事をしながら、勉強もしながら、プライベートも充実させながら、無理なく読める本の冊数が100冊程度」だと思っております。
 
無理なく楽しみながら読んできた数百冊の本を、今回は棚卸して精査し、なんとか10冊選び出しております。(たった10冊選び出すのにも、大変苦労しました・・・)
 
「自分の生き方に影響を与えたおすすめビジネス本ランキングベスト10」を今回はランキング形式で1冊ずつ簡単にご紹介していきたいと思います。
 
もちろんこのランキングは私が読んできた本の中からのみ選出されるもので、必ず読んだ本の中からご紹介致します。
 
人によって良いと感じる本は異なりますから、必ずしも私のつけたランキングベスト10が皆さんの心に響くかはわかりませんが、参考程度にご覧いただけると幸いです。
 
あくまで、「私の生き方に影響を与えてくれたビジネス書」という選び方です。
 
 
 
また、1人の作家さんにつき1冊しかランキングには加えないようにしています。1人の作家さんから何冊も選んでしまうと、私の好みの作家さんばかりになってしまう可能性がありましたので、ランキングに入った本の内容ができるだけ色々な分野にばらつくように設定しました。
 
 
前置きはここまでにして、「自分の生き方に影響を与えた、おすすめビジネス本ランキングベスト10」スタートしましょう!かなり長い記事になってしまいましたが、最後までお付き合い願います。
 
 
※ ●●~●●は、本文からの引用・抜粋箇所です。
  
 
 
 
 
 
 

第10位 本を出したい人の教科書  吉田 浩

 

本を出したい人の教科書 ベストセラーの秘密がここにある

 
 
 30年以上に渡って出版業界に携わっている吉田さんは、これまでに1600冊以上の本の出版に関わっているそうです。自身も200冊を超える本を出版されており、「出版界のジャイアン」の異名も持っているとか。「企画のたまご屋さん」という、世の中に埋もれている作家と企画を掘り起こすためのWEBサービスを立ち上げ、会長理事を務めています。
 
 
 これだけの出版業界のキャリアをお持ちの吉田さんが書かれた「本を出したい人の教科書」は、そのタイトルだけでもインパクトがある1冊だと思います。
 
 それでは内容に入っていきましょう。
 
 
 
■ 本は「1つのテーマ」を伝えるもの
 
 
 本はたった1つのことを伝えるものでなくてはならない。テーマが2つあってはいけないのです。そんなエピソードを紹介されているのが以下、
 
 
 
●● 
  
 あるお客さんが、家具屋に椅子を買いに来ました。店員はあれこれと椅子を薦めるのですが、お客さんは、あまり気乗りがしないようです。
 
 そこで、椅子を買いに来た理由を詳しく聞いてみると、古くから使っている椅子のネジがはずれて、ガタガタして座り心地が悪いことがわかりました。
 
 このお客さんは、じつは、新しい椅子がほしいのではなく、古い椅子を直すネジとドライバーがほしかったわけです。
 
 そこで、このとき店員は椅子ではなく、ドライバーとネジを売りました。
 
 この店員の親切な対応に感謝したお客さんは、それ以来、新しい家具を買う時には、必ず、この店員さんを訪ねて来るようになりました。
 
 
●●
 
(「凡人が最強営業マンに変わる魔法のセールストーク」(佐藤昌弘著 日本実業出版)より「本を出したい人の教科書」に引用されていた文章をここで再引用させていただきました。)
 
 
 
 このエピソードに書かれていることは、お客さんが店内で椅子を見ていたからといって、椅子を買いに来たとは限らない。さらに、お客さんが探しているのはネジであり、その本質を見抜くことが重要である、ということです。
 
 営業マンにとって重要なことは、お客さんの本質を見抜く、聞き出すことだ。
 
 「凡人が最強営業マンに変わる魔法のセールストーク」では、そのたった1つのテーマについて、200ページもの内容を書き連ねているのです。
 
 あれこれと内容が変わったり、複数のテーマが書かれていたりするのではなく。たった1つのテーマについて色々な方向から、色々な事例を使って説明していくのが、本の書き方なのだそうです。確かに、読み手としても、同じことについて深く、繰り返し学べる本の方が良い学びが得られますし、内容としても繋がりが見えて読みやすいと感じますね。
 
 
 
 
 
■ 作家になる方法は「夢をあきらめないこと」
 
 
 
 世の中には様々な「作家になる方法」がありますが、30年に渡って出版業界で活躍してきた吉田さんの意見は、
 
 「夢をあきらめないこと。作家になる為には、死ぬまで書き続けること」
 
だと書かれています。
 
 「え?そんなこと?もっと詳しいノウハウとかは?」
 
と突っ込みたくなるところですが、小手先のノウハウではなく、長い期間に渡って力を注げることこそ、目が咲くのではないでしょうか。
 
 
●●
 
 「1万時間の法則」を知っていますか?
 
 どんなド素人でも、1万時間を費やして修業したり、研鑽を積んだりすると、プロになれるという法則です。
 
 たとえば、格闘技経験ゼロのあなたが、今日から空手を習うとします。
 
 1万時間やれば、黒帯を取得し、達人になれるというわけです。
 
(中略)
 
 1万時間を具体的にイメージできますか?たとえば、1日に3時間ずつ何かの修練に費やせば、1年で1000時間、努力を積み重ねたことになります。これを10年間続けた長さが1万時間になります。確かに、10年もかけて修練したら、だれでも達人になれますよね。作家の修業も同じです。1日3時間、休まず10年間書き続ければ、あなたはひとかどの物書きになれるでしょう。
 
 
●●
 
(「本を出したい人の教科書」より引用しました。)
 
 
 
 1万時間は途方もなく長い時間ですよね。しかし、1万時間にこだわる必要はないと思います。ここで大切なのは、とにかく「毎日こつこつ努力し、それを長く継続する」ということが、何かを成し遂げる上で最も大切だということ。小手先のノウハウで作家になる方法を模索したり、少しでも効率よく良い文章を書くコツを探したりするのなら、「とにかく文章を書きなさい、本を書きなさい」ということだと思うのです。何かスポーツを始めたときに、そのスポーツがうまくなる方法を学ぶよりは、とにかくやってみた方が上達が早いということと、同じですね。
 
 
 
 以上の様に、「1つのテーマについてどれだけ長く書くことができるか、どれだけ継続して努力することができるか」というメッセージが強く印象に残った1冊です。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

第9位 レバレッジ勉強法  本田 直之

 
 

レバレッジ勉強法 (だいわ文庫)

 
 
 一社の社長というだけでなく、数社にわたって社外取締役まで務める凄腕ビジネスパーソンだから驚きます。また、本田さんは日本とハワイでデュアルライフを行っている「ノマドライフ」そのものなライフスタイル。1年の半分は東京、もう半分はハワイだというからこれもまた驚きます。
 
 レバレッジとは、「てこ」を意味する言葉で、本田さんは、
 
「少ない労力で最大限のリターン(成果)を得るのがレバレッジである」
 
と語っています。
 
著作にも「レバレッジシリーズ」として、
 
レバレッジ勉強法、レバレッジ英語勉強法、レバレッジリーディング、レバレッジシンキング、レバレッジマネジメント、レバレッジ人脈術、レバレッジ時間術、といった、多くのビジネスにレバレッジを応用した独自の教えを持っています。
 
(上記は、「たった3つのクセを直せば、人生はうまくいく」の書評ページより抜粋)
 

 

tekaten.hatenablog.jp

 

 
■ 年収をアップさせたければ、働くより勉強せよ
 
 
 
 年収をアップさせたければ、とにかく働いて、残業して、休日も返上で働いて、社内で昇格してキャリアアップしなければならない。そんな風に思われがちですが、それはあくまで社内で、今すぐに年収をアップさせる方法なのだと思います。長い目で見ていけば、残業をしたから、休日返上で働いたからといって、将来年収が上がっていく保障なんてどこにもありません。むしろ、今月の月収が増える程度で、その分自分を成長させるために使う時間や、プライベートを楽しむ時間を犠牲にしなければならないというリスクもあります。
 
 年収をアップさせたいと思ったら、働き過ぎることを避け、まずは「勉強しなさい」というのがこの本のテーマです。
 
 
 
●●
 
 仕事上、わたしは国内外のさまざまな経営者と会う機会が多いのですが、成功している人にはいくつか共通点があります。
 
 そのひとつが「勉強をしている」ということ。
 
 これは、高学歴を意味するのではありません。一流と言われる大学の出身者とは、「学生の頃、勉強ができた人」あるいは「「大学受験がうまくいった人」であり、そのなかには成功している人もいれば平凡に暮らしている人もいます。
 
 しかし、ビジネスで成功し、継続的なリターンを得ている人は、「ビジネスパーソンとして第一線で働きながら、現在進行形で勉強を続けている」のです。
 
 
●●
 
(「レバレッジ勉強法」より引用しました。)
 
 
 
 このように、「勉強をしなさい」と語る裏付けとして、本田さんの周囲で成功しているビジネスパーソンの習慣を例に出されています。
 
 成功者と言われるビジネスパーソンは、例外なく「勉強をしている」「読書をしている」という話題はよくあるものですが、実際に勉強もせず、読書もしないビジネスパーソンは成長するスピードが遅くなるのは当たり前です。自ら進んで何かを学ぶ人と、何もせず進んで学ぼうとしない人では、どちらが優れたビジネスパーソンになる可能性が高いかは、言うまでもありません。もちろん、勉強しない人が優れたビジネスパーソンではない、と言っているわけではありませんが、「勉強は、しないよりしたほうがいい」という話です。
 
 また、継続的に結果を出すためには、一度結果を出したからといってそこで勉強を辞めない人だということも分かりますよね。一流大学に合格するために必死に勉強し、実際に合格を果たした(一度結果を出した)人が、大学に入ってから勉強を辞めてしまえば、そこからの成長はなく繰り返し結果を出す(一流企業から内定をもらう、研究で成果を上げるなど)ことができなくなります。自分でゴールを決めてしまわず、勉強は毎日少しでもこつこつ積み上げていくことが重要なのです。
 
 
 
 
 
 
■ レバレッジが効く勉強は「語学」「金融」「IT」
 
 
 本田さんは、文中で勉強=投資と捉え、勉強する内容(例えば数学、ビジネス、料理などのジャンル)については「投資アイテム」と呼ばれています。以下に記載している引用の中にも「投資アイテム」という言葉がでてきますので、ここを押さえた上でお読みください。
 
 
 
●● 
 
 何を勉強するかというとき、わたしが「買い」だと思う投資アイテムは三つ。資本主義のルールで生きるビジネスパーソンであれば、業種を問わず役に立つ「主要三科目」です。
 
① 語学
 
② IT
 
③ 金融知識
 
 一つめの語学を勉強するっと、転職や昇進に役立つだけでなく、あなたの「市場」が日本限定ではなくなり、情報を得る場も飛躍的に広がります。
 
 たとえば英語をマスターすると、インターネット上で何か情報を得るにしても日本語をはるかに凌駕する量の情報が集められるのです。
 
 二つめのITスキルがあれば、ビジネスの効率が飛躍的に良くなります。
 
 ITは、時間にレバレッジをかけるための最強ツール。また、日々進化している分野なので、定期的に勉強していないと取り残されてしまいます。
 
 三つめの金融知識の必要性については、ロバート・キヨサキさんが「長時間せっせと働いて稼いだお金は投資するのに、投資の方法を学ぶために大して時間を投資しない人がいることを不思議に思う」と述べています。
 
●●
 
(「レバレッジ勉強法」より引用しました。)
 
 
 
 勉強をしたら良いことがわかっていても、さて何を勉強したらいいのか。こんな気持ちになっている人は、結構大勢いるのではないかと思います。私自身、何を勉強していけば自分を成長させられるのだろう?特に究めたい分野も無いし・・・と悩んでいたことがあります。そんな時は、とりあえずたくさん本を読むことをおすすめしますが、今回は本田さんがお薦めしている「語学」「IT」「金融知識」について考えてみましょう。
 
 語学は、本田さんの解説いがいの場面でも効果が出ます。なんといっても海外旅行にいく人なんかはある程度の英語力は身についておくと得です。簡単なコミュニケーションなら、独学でちょっと勉強しただけでもなんとかなるものです。外国の人とコミュニケーションをとるという楽しみも、語学を学ぶことから得られます。
 また、転職や昇進以前に、会社に入社する就職試験の時や大学に入学する大学入試に関しても、語学を身についているということはアドバンテージになります。現在では、英語能力試験の「TOEIC」という試験の点数を、入社試験や大学入試で利用できるシステムもあります。TOEIC○○点以上あるということが、合格の条件になっている大学の推薦試験なんかもあるほどです。
 語学は学んでいれば人生の選択の幅も広がる、素晴らしい投資アイテムですね。
 
 
 続いてITは、何も難しいプログラミング言語を覚えたり、WEBページを作ったりというITではなく、「パソコンを上手に使う能力」と捉えてみましょう。例えば、パソコンのキーボード入力である「タイピング」が早くできるようになるだけで、パソコン作業はかなり早く済ませることができるようになります。
 それから日常で知りたいこと、学びたいこと、気になることを検索して探し出すスキルも重要です。インターネットにおける検索は、検索する人によって目的とするページを探す力は異なります。検索するキーワードを選ぶスキルやキーワードの打ち込み方なども、まずは手に入れたいスキルかもしれません。インターネットで調べれば、大体の事は学ぶことができるのだと知っているだけでも十分ですね。
 これからの時代、すべての人が持っておきたいITスキルは「Microsoft Office」が最低限使えるスキルかもしれません。文書作成の「Word」、表計算・グラフ作成の「Excel」、プレゼンテーションの「PowerPoint」は、大学や企業、アルバイト、パートにおいても必須なスキルとなっています。
 パソコンを上手に使えるようになるだけでも、あなたの生活をより良くし、仕事でも活躍できる必須スキルと言えますね。
 
 最後の金融知識。金融知識と聞くと、一見難しいように感じますが、これも簡単に「お金の知識」と捉えてみましょう。お金の知識だけでもいろいろあります。日常でどれだけのお金を使っているのかという生活収支、所得税、住民税といった支払い義務のある税金。生命保険、傷害保険、社会保険といった保険料金。車や住宅でローンを組んでいる人は、ローンの残り残高、毎月支払額、利子はどの程度といった引き落とし金額。難しいところまでいけば、株式、外貨取引(FX)、投資信託、債券などの「投資」と言われるジャンルの勉強なども含まれてきます。
 あなたが、お金というものについてどれだけ知っているかは、これからの生活の上でかなり重要な知識となってきます。自分がどれだけの保険料を納めているのかわからなければ、保険の見直しをして保険金額を安くしようという節約方法は思いつきません。残りの住宅ローンがいくらで、返済期間はあと何年か知っておかなければ、いつまでお金が引き落とされ続けるのかもわからず、今必要な貯金額を計算することもできませんよね。
 お金に関して何か考えるとき、今あなたが得ている収入と、使っている支出が具体的にどうなっているのかを知っておく必要がありますが、意外と税金、保険料、ローンなどは知らない人が多いのです。「知ってても知らなくても毎月引き落とされるのだから」と言われそうですが、その引き落とし金額が妥当なのか、もっと減らすことは出来ないのかという選択肢は、金額を知っている人にしか生まれません。自分が支払っているお金についてはくらいは、皆に知っておいてもらいたいと思います。
 
 
 
 長くなりましたが、ビジネスパーソンには一度目を通してもらいたい一冊です。
 
 
レバレッジ勉強法 (だいわ文庫)
大和書房 (2013-11-08)
売り上げランキング: 14,010
 
 
 
 
 
 
 

第8位 読書は1冊のノートにまとめなさい  奥野 宣之

 
 

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 「情報は1冊のノートにまとめなさい」を書かれている奥野さん。今回ご紹介するのは、その読書特化版の「読書は1冊のノートにまとめなさい」というものです。これは、勉強でノートを取る場合や仕事で情報収集をする場合にも応用がききますので、あなたの集めている情報に合わせて使うことができます。「読書」の部分を、「数学」や「仕事」に置き換えてもらうと分かりやすいかと思います。
 情報は一元管理(一か所に集中して管理すること)するべきであり、読書も勿論一元管理するのがベスト。このノートにすべての読書データが残っているとわかれば、「あれ?どのノートに読書の内容を書いたっけ?」と探す必要はなく、素早く必要な情報を取り出すことができます。
 
 さらに、読書ノートをつけた後、その情報を「パソコンに入力して管理する」というところが大きなポイントです。パソコンに読書ノートの情報を入力しておけば、本のタイトルを入力するだけで探していた本の内容を書いた読書ノートを読み返すことができます。また、「今人間関係で悩んでいる」となれば、「人間関係」で検索すれば、人間関係について書いてある本を探し出せるという優れもの。もちろん、検索したときにうまく読書ノートのデータが見つけ出せるよう、「タグ」をつける作業は必要になりますが、読書ノートをパソコンで管理するというアイディアは素晴らしい。
 
 私もここから着想を得て、独自にアレンジして進化させた「データベース読書法」を実践しています。データベース読書法では誰でも使えるように「Excelシート」で作成した独自の読書ノートに、本で読んだ内容を貯め込んでいくだけのもので、Excelなら今ではiPhoneでも見ることができるため利用範囲は広くなります。詳しくは、「付箋とExcelシートを活用したデータベース読書法」の記事をご一読ください。
 
 
 
 
 
■ 思い出せないを克服する
 
 
 
 読書をしていく中で悩みとなるのが、「読んだだけで分かったつもり、覚えたつもりになっている」ということです。たくさんの有益な情報を本で読んだとき、その知識をうまく説明してくれていると「分かったようなつもり」になりますが、時間が経つとほとんど忘れてしまいます。最悪の場合、本を目の前にして「何を書いてあったかすら覚えていない」状態にまでなってしまいます。でもご安心を。人間の脳はそこまで記憶力が良いものではないので、たくさんの本を読んだり、本を読んでから時間が経ったりすれば、覚えていない方がむしろ当たり前なのですから。
 
 しかし、当たり前とはいえ、せっかく読んだ本の内容を忘れてしまうのは非常にもったいない。そこで、本を読み直して復習したり、必死で覚えようとしながら読むわけですが、こちらも時間がかかってしまって本末転倒なのです。
 
 そこで、「読書は1冊のノートにまとめなさい」から言葉を借りましょう。
 
 
●●
 
 
 読書ノートを「索引テキスト」でデータベース化して検索可能にしておくことは、本の内容を思い出せないときに威力を発揮します。
 読書家を悩ます最大の問題は「何かで読んだのだが思い出せない」「あの話はどの本に書いてあったっけ」というヤツでしょう。
 この悩みは本書の参照システムを作ることで、ほとんど解消します。
 
 
●●  
 
 
(「読書は1冊のノートにまとめなさい」より引用しました。)
 
 
 
 読書ノートをパソコン管理でデータベース化しておけば、著者名やタイトル、キーワード、タグから自由に必要な言葉を検索することができます。もちろん、自分が記入した情報のみに限定されますが、データベースに読書から学んだ素晴らしい情報を貯め込めば貯め込むほど、データベースは力を発揮してくれます。インターネットで情報を調べてもなかなかピンポイントな情報を得ることはできませんが、読書で得た知識を貯め込んだデータベースは「あなたの人生の教科書」となってくれます。
 
 この読書ノートをパソコン管理してデータベース化すること自体は、さほど難しいものではありません。前述したように私がExcelでも作れたので、検索機能のついたテキストエディタならなんでも良いでしょう。編集しやすさや見栄え、持ち歩きやすさなどを考慮すると、やはりExcelがおすすめです。
 
 
 
 
 
■ 「読みっぱなし」は読んでないのと一緒
 
 
 
 読書の怖いところをもうひとつ。前述の「読んで分かった気になる」「読んで覚えた気になる」というのも怖いところなのですが、「読みっぱなしにしてしまう」というのもなかなかに怖いところです。わざわざお金を出して本を購入し、その本に時間をかけて読書する。そうしたお金や手間を加えているのにも関わらず、読んだら読みっぱなしにしてしまうことは少なくないのではないでしょうか。読み終わったら、何かアクションを起こすだけでも、知識の定着は大きく変わってきます。
 
 例えば、読んだ本をFacebookやブログ、Twitterでシェアする。誰かに本を読んで感じたこと、学んだことをシェアしようとすれば、頭の中で本の内容を思い出したり、さらっと読み直したりするアクションが加わります。さらに、文面に書き起こすことで脳に記憶させることも可能でしょう。その他にも、前述したパソコン管理でデータベース化をするのも良いです。テキストに書き起こす際に覚え直すことができ、後に忘れてしまっても簡単に短時間で読み直せる読書ノートを作成することができるので一石二鳥ですね。
 
 こうした読了後のアクションの重要性は、声を大にして伝えたいところです。
 
 
●●
 
 あなたは、これまでに読んだ本のことをどれだけ覚えているでしょうか。
 たとえば、よく人に聞かれる座右の書。「これは学生ころに読んだけど良かったよ」という以外に、どんなことが言えるでしょう。次のような問いに答えることができるでしょうか。
 
・ どんなことが書かれていましたか?
・ 特に気に入ったくだりは?
・ どんな影響を受けましたか?
・ どういう点が優れていましたか?
 
 あらためて考えてみると、なかなか難しいと思います。
 では、覚えていないのは仕方ないとしても、感想の走り書きやメモは残っているでしょうか?
 
中略
 
 読んだのに残らない。それは、読んでいないのと同じではないか。
 
●●
 
(「読書は1冊のノートにまとめなさい」より引用しました。)
 
 
 最後にありますように、読んだのに何も覚えてないし記録も取っていないのであれば、それは読んでいないのと同じなのではないでしょうか。お金や時間を浪費しただけで、何にも残らないのであれば、それは無駄になってしまいます。だからこそ、読書はノートに記録し、さらにはパソコンで管理することであなたにとって一生モノの知識となってくれるのです。
 
 
 読書をしているすべての人、読書をより効率良いものにしたい人には読んでもらいたい1冊です。
 
 
 
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第7位 お金と時間と場所に縛られず、僕らは自由に働くことができる。  伊勢 隆一郎

 
 

お金と時間と場所に縛られず、僕らは自由に働くことができる。

 
 
 「新しい、自由な働き方」をテーマとした、伊勢さん自身のストーリーも盛り込んだエッセイ風のビジネス本。
 大学時代に起業で失敗し、その後1日100円以下で暮らすというどん底を経験した伊勢さんが、なんとか一人で食べていけるようになりたいとコピーライターを目指すこととなり、その後コピーライターとして再度起業。12時間で5億円にもなる仕事を受注した経験もお持ちだというから規模の大きさと、収入の絶対値に驚きます。そうした経験から、自由なライフスタイルを実現したい人へのアドバイスを詰め込んだのが「お金と時間と場所に縛られず、僕らは自由に働くことができる。」なのです。
 
 
 
 
■ 自由に働くって、実はそんなに大した問題じゃない
 
 
 
 伊勢さんの周囲では、「自由に働くことはこういうことか」という出来事が頻繁に起こっているそうです。そうした出来事は、一般的な人達には馴染みがないかもしれないけれど、きっと参考になるだろうという書き口で、いくつか事例を紹介していますので、以下にそのひとつを引用させていただきます。
 
 
●● 
 
 これから事例を紹介します。
 これを読んで、「こんなことでいいのなら、自分にもできそうだ」と思ってもらえたら本望です。
 たしかに努力は必要だけど、でも自由に働くというのは、実はそんなにたいしたことではなく、きちんとやるべきことをやり、正直に、誠実に、人のために生きるという、人間として当然のことをしていれば、誰でも手に入れられるものなのです。
 
 
プロ選手でもないのに「跳躍力トレーニング法」で月収30万円
 
 これは、私の会社で働いている26歳の男性スタッフの話です。
 彼があつかっている商品は、「90日でジャンプ力を15センチ伸ばす方法」です。
 
中略
 
 トレーニング方法を講義形式で解説したDVDをアマゾンで販売しています。価格は9800円です。
 これが、なんといまでも毎月30万円ほどがコンスタントに売れています。
 しかも、売り出した当初は、初月だけで70万円も売り上げました。
 
 
中略
 
 彼は、まったく普通のアマチュア選手です。
 もちろんプロの経験もなければコーチ経験もありません。
 いま現在、私の会社で働いているので、スポーツインストラクターでもないわけです。
 ただ、彼は実際、中学、高校とバスケットボール部で活躍し、レギュラーになりたくて跳躍力を一生懸命鍛えました。
 
 そうして自分が編み出したトレーニング方法をメソッド化したものなのです。
 
 
●●
 
(「お金と時間と場所に縛られず、僕らは自由に働くことができる。」から引用しました。)
 
 
 これだけ読むと、「胡散臭い」と思われる方もいらっしゃると思いますが、実際にこのメソッドで15センチのジャンプ力アップを達成したユーザーから、多数の感謝の言葉が届いているそうです。つまり人のために有益な情報を提供するのは、何もプロやコーチ、トレーナーといった第一線で活躍する人間でなくても良いということです。提供する情報やノウハウが優れているのなら、その人に知名度が無くても、購入して効果を体験されるユーザーの方がいるという大きな事例です。
 
 これから自由な働き方を選択する中で、世の中の知名度もなく、何か卓越した成果を挙げているわけでもない一般の方が、「私は知名度もないし、成果もあげてないから、自由な働き方なんて無理」と決めつけて、諦める必要はないということがわかります。もちろん、世の中で知名度があり、何らかの成果を挙げている人ならば、そのノウハウや情報の「信頼性」が高まるため、売り上げは上がるかもしれませんが、そうしたブランドがなくても実際に売り上げを出している人がいると知れただけでも、自由な働き方を選択することに対する恐れが少し解消されます。
 
 
 
 
 
■ 普通でも必ずビジネスになるものはある
 
 
 普通の人、一般的な人は、自分の中にビジネスとして商売できるものなんて何もないと感じてしまいます。それもそのはず、これまで自身でビジネスをしたこともないし、自分の経験や知識がコンテンツとして提供できるなんて考えたこともないからです。私も、自分が提供できるものなんてあるのか?と思いながらキーボードを叩いていますが、こうしてブログ記事をまとめていることも「私なんかがやっていいのだろうか」なんて思うこともしばしば。前述の例のように、自分の経験や知識は、必ずどこかの誰かが役立ててくれると信じて、発信し続けることにしています。
 
 「お金と時間と場所に縛られず、僕らは自由に働くことができる。」では、前述の例に加え、お客様が欲しいと思っているもの(ニーズ)が提供できれば、物は必ず売れる、と説明しています。
 その部分について、以下に引用しましょう。
 
 
●● 
 
 お客様が欲しいと思っているものを提供できればものは何でも簡単に売れてしまうということは、私の実感としても言えることです。
 九州で高校の美容教師をしていた遠藤さんがつくった「ダイエットプログラム」も、堀下さんの「咆音矯正プログラム」もお客様が欲しいものを提供したから売れました。
 私の「ネットビジネス成功メソッド」も、「それが欲しい」というお客様がたくさんいたから売れたのです。
 
 一般的には、「権威があれば売れる」のではないかと思いますよね。
 たとえば、「ダイエットプログラム」にしても、高名な医学者とか、人気のスポーツインストラクターとか、人気モデルでないと売れないと思ってしまいます。
 でも、名もない普通の高校の教師が、それも専門知識がありそうな保健体育でもなく、美術の先生が勝手につくった「ダイエットプログラム」がなぜ売れてしまうのか不思議かもしれません。
 
 
中略
 
 
 
 普通は、何の実績もない、裏付けもない「ダイエットプログラム」が売れるはずがないと思うわけですが、その商品が間違いないものだと納得でき、その人が信頼できる人だと思えば、権威は必ずしも必要ではありません。
 
 
●●
 
 
(「お金と時間と場所に縛られず、僕らは自由に働くことができる。」から引用しました。)
 
 
 
 このように、有名であったり実績があったりという「権威」は、あればあるだけ信用が増して売り上げにつながるのは間違いありませんが、なければならないというわけではないことが分かります。実際に、そうしたブランドイメージがなくとも、商品が売れた事例はいくつもあるわけですから。
 
 結果として、何かを始めるとき「権威」がないからできないというのは、言い訳に過ぎないということを学ぶことができました。やってみて、それでもダメだったときに考えればいい話ですので、まずは有名でなくても、実績がなくても、自分が提供したいものを世の中に提供するチャレンジを試みたいものです。
 
 
 
 
 
 
 
 
 

第6位 今日が「最後の1日」だとしたら、今の仕事で良かったですか?  中村 将人

 

今日が「最後の1日」だとしたら、今の仕事で良かったですか?

 
 これまで「今日が最後の1日」だと真剣に考えたことがある人はいるのでしょうか。特に何か病気を患っているわけでもない場合、同じように明日が来ると思って生きています。むしろ、明日が同じようにやってくるということすらも、考えることはないかもしれません。それほどまでに、毎日時間が過ぎていくことは当たり前だと感じているのです。
 
 著者の中村さんは、死にかけた経験が5回もあるとのことで、そうした「死にかけた」=「明日がこないかもしれない」という経験から、「今日が「最後の1日」だとしたら、今の仕事で良かったですか?」というメッセージをまとめてくださっています。
 
 このタイトルと本の装丁を目にした瞬間に、「これは買って読むしかない」と感じた本です。それだけ引き込まれるタイトルだったのですが、「働き方」や「生き方」について今一度考え直す良いきっかけを与えてくれた1冊となりました。
 
 
 
 
 
 
■ 死にかけたらわかる「人生を後悔しないため」のポイント
 
 
 
 前述しましたが、中村将人さんはなんと「5回も死にかけたことがある」という驚くべき体験をされてきている方です。人間は死期を悟ると、人生のかけがえのなさに気付き、日々の平凡さから解放されて、まったく違った考え方ができるようになるという話はよく耳にします。実際に、私達は「人生はまだまだ長い」とどこかで考えていることによって、同じような毎日を繰り返したり、自ら進んで変わっていこうとしなかったりするわけです。「大切なことや大切なものというのは、失ってから分かる」のと同じように、人生というかけがえのない時間が、もうすぐ終わってしまうかもしれないと感じたその時から、人間は本当の意味で人生を歩むことができるのかもしれません。
 
 そこでまずは、今日が「最後の1日」だとしたら、今の仕事で良かったですか?の中でも、冒頭でインパクトのあった、中村さんが「死にかけたエピソード」を拾って引用したいと思います。
 
 
 
●●
 
 私は、過去5回ほど死にかけている。
 
【1回目】
 
 10歳の夏、夏休みに家族で静岡の叔父の家に遊びに来ていた私は、父が親戚を駅まで迎えに行くというので一緒についていくことになった。
 のどかな道を抜け、川や森がビルの群れに変わり始めるころにはもう、駅が近くに見えた。車は駅の手前の信号で停車し、信号が変わるとゆっくり動き出した。
 と、その直後っ!
 
「ドドーン!」
 
という、ものすごい爆音とともにすさまじい衝撃が車全体を激しく揺らした。
 
 一瞬何が起こったのかわからず、爆音のあった後ろ側を振り返ると、後続車が爆風で吹っ飛ばされ、ペシャンコになって炎上していた。ビルからは真っ赤な炎が勢いよく吹き出し、たくさんの人たちの悲鳴と泣き叫ぶ声が街中に響いた。
 
 
●●
 
(今日が「最後の1日」だとしたら、今の仕事で良かったですか?より引用しています。)
 
 
 
 
1回目は、真後ろで車が大炎上した
 
2回目は、友人がスイングしたアイアンが頭に直撃
 
3回目は、バイクで軽自動車と正面衝突
 
4回目は、廃屋に肝試しにいった際、危うく5階にあった地面の吹き抜けから落ちかけた
 
5回目は、後続車に追突され、運転席以外はペシャンコに大破
 
 
 ここまで「死を感じる」体験をすることは、他の人の人生ではありえないと思います。5回の体験すべてが、一歩間違えば命を落としていたレベルです。しかしこうした「最後の1日」になっていたかもしれない体験こそ、中村将人さんが今日が「最後の1日」だとしたら、今の仕事で良かったですか?を書いた理由でもあります。
 実際に私は「死」を意識する経験をしたことがありませんが、こうした他人のエピソードを読んで、心の中で追体験するだけでも、多少は効果があるのではないかと思います。実体験ではないため、効果は小さなものかもしれませんが、意識したことがないよりはよほど効果的です。
 
 「死」を意識し、実際にリアルな経験をした中村将人さんは、「人生を後悔しないためのポイント」として、次の5つを挙げられています。
 
 
 
●●
 
 ① 人はいつ死んでもおかしくないと覚えておく
 
 ② 自分には必ず何らかの「生きている理由」があると考える
 
 ③ 本当の自分、あるべき自分について、とにかく考え続ける
 
 ④ 生涯を通じて「自分の役割」を探し続ける
 
 ⑤ 自分の「心の声」を聞いたなら、すぐに行動に移す
 
 
●●
 
 (今日が「最後の1日」だとしたら、今の仕事で良かったですか?より引用しています。)
 
 
 5つの項目は、どれも当たり前の様に人生を生きていたら意識しない項目だと思います。日々の忙しさに埋もれていくうちに、個人がやりたいことや、やるべきことを見失ってしまっていることを示唆しています。せっかく1度きりの人生なのだから、自分にしかできないこと、自分だけのミッションを持って、様々な活動に取り組んでいきたいですね。
 
 
 
 
 
■ あの頃に戻れたら・・・の「あの頃」に今立っている
 
 
 
 今日が「最後の1日」だとしたら、今の仕事で良かったですか?の中で一番心に残ったセリフを使って、少し考察してみたいと思います。気に入った言葉とは、
 
「あの頃に戻れたら・・・のあの頃に今立っている」
 
という言葉です。つい、昔を思い返して、「あの頃に戻れたら・・・」と考えるものですが、将来の自分にとっては今がまさに「あの頃」となるのです。こう考えてみると、今行動を起こさなかったり、新しいことにチャレンジしなかったりしたことが、後の後悔として「あの頃・・・していたら」ということに繋がっていくのです。当たり前だとはいえ、この言葉にであえたことは、今日が「最後の1日」だとしたら、今の仕事で良かったですか?を読んだ一番の収穫だったように思えます。
 
 
 数年経てば、仕事ができるようになっているとか、お金がたくさん稼げているとか、頭が良くなっているとか考えてしまいますが、それは「あの頃である今」を頑張って努力してこその結果です。「今」この瞬間というのは、楽なことを選択してしまいがちで、つい昼寝をしたりごろごろしてしまったりします。そうした非生産的な日常を積み重ねていると、数年後はただ年を取っただけの自分がそこにいる状態が目に浮かびます。だからこそ、「あの頃に戻れたら・・・のあの頃に今立っている」という言葉を今一度思い出し、これからの日々は何か行動を起こす人間にならなければいけないと、強く思えるようになりました。
 
 
 
今日が「最後の1日」だとしたら、今の仕事で良かったですか?
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第5位 「最高の授業」を、世界の果てまで届けよう  税所 篤快

 
 

「最高の授業」を、 世界の果てまで届けよう

 「e-Education」という国際教育支援NPOをご存知でしょうか?
 教師不足に悩む発展途上国で、なんとかして教育が受けられる環境を作りたい。そう願った税所さんは、19歳にして海外を飛び回り、ネットやDVDを駆使して「最高の授業を届ける仕組み」をつくりあげてきました。現在では、世界各国の現地に「e-Education」のコーディネーターを配置し、様々な教育をお届けする大きな団体となっています。
 当時大学生だった税所さんが、どのようなきっかけで、そしてどういう手段でこのような大きなプロジェクトを成し遂げたのか?そのストーリーがエッセイ風のビジネス本として書かれているのが「最高の授業を、世界の果てまで届けよう」です。
 
 起業に若さは関係ない。やりたいことをやるのに若さは関係ない。どんなことも熱意と情熱を持って取り組めば、なんとかなるんだ。
 
 そんな力をもらえる1冊に、私は普段のなんの変哲もない生活を見直すきっかけとなりました。
 
 
 
 
 
■ 「ドラゴン桜プロジェクト」で最高の授業を届ける
 
 
 
 テレビドラマとして放送された受験ドラマ「ドラゴン桜」。落ちこぼれの高校の赴任することになった元暴走族駆け出し弁護士の桜木先生が、東大を目指す特進クラスで熱血かつユニークな教育を手掛ける受験ドラマですが、このドラマのストーリーのような革新的な教育を、ということで「ドラゴン桜プロジェクト」をスタートさせます。発展途上国の教育状態を調査し、現地で有名な予備校講師や大学教授の授業を撮影したDVDや映像コンテンツをネットから見ることができるシステムを立ち上げ、各村などで実践していくというもの。このアイディアだけでも素晴らしいのですが、それをやってのけたのが当時19歳だった大学生だというのだから、驚愕です。
 
 
●●
 
 僕の名前は、税所篤快。
 先日24歳になったばかりの大学7年生だ。
 
 この本は、落ちこぼれだった僕が2010年にバングラデシュで始めた「ドラゴン桜プロジェクト」が、世界5大陸に広がっていく過程の記録である。
 
 バングラデシュの農村で暮らす、高校生たち。彼らのなかには、とても優秀なのに予備校に通うお金がないため、大学に行くことをあきらめてしまう人が少なくない。
 首都と農村の年収格差は3倍以上。子どもたちは、農村に生まれたというだけの理由で高等教育が受けられず、よい仕事にもつけない。生まれた村を出ることもできず、親の仕事を継ぐしかないため、貧困が再生産される。
 そのサイクルを断ち切るために、バングラデシュの予備校でトップレベルの人気をほこる先生たちの授業を、ビデオカメラで撮影してDVDに焼き、農村の高校生に届ける。
 それが僕が考えた「E-エデュケーション」の最初のアイデアだった。
 
●●
 
 (「「最高の授業」を、世界の果てまで届けよう」より引用しています。)
 
 
 こんな革新的な教育プロジェクトを立ち上げたのに、元は落ちこぼれだったというのですから、世の中何が起こるか分かりません。
 また、海外の貧困格差、教育格差の現状も、この本を読みながら知ったところがたくさんありました。日本でもそれなりに格差はあるものの、皆に教育を受ける機会はありますし、国も奨学金などで支援する体制ができています。個人の努力ややり方次第で、自由に教育を受けることができる国に生まれたおかげで、このような発展途上国の現状や苦労を知る由もなかったのですね。
 しかも、最終的には世界5大陸にまたがる巨大プロジェクトまで成長した「e-Education」。その過程にあった失敗や苦労、様々なコーディネーターとの出会い、税所さんの驚くほどの情熱を、「最高の授業」を、世界の果てまで届けようから読み取ることができます。
 
 ここで1部を引用して解説するのは難しい様な、1冊通して税所さんが辿ったストーリーの構成なので、「e-Education」の始まりについて引用したところで、次はあとがきから引用したいと思います。
 
 
●●
 
 本書の中でも述べましたが、僕はただの落ちこぼれの学生にすぎませんでした。
 それでも、とにかく行動、行動、行動を繰り返しているうちに、たった1人の思つきのアイディアで始まったプロジェクトが、多くの人を巻き込みながら、わずか数年で、世界5大陸へと広がっていきました。
 
 
中略
 
 
 なぜ自分が、発展途上国の教育改革というものに関わるようになったのか。
 それは僕自身が教育によって、生まれ変わることができたという実感があるからにほかなりません。
 そういえば名門ダッカ大学の学生である盟友のマヒンも、小学生時代はあまり勉強ができなかったそう。「元落ちこぼれ」同士の連帯感を僕には感じているみたいです。
 
 子どもには無限の可能性がある。
 そう言われながらも、実際には生まれ育った環境によって、可能性を閉ざされてしまっている子どもたちが、世界中に数億人います。
 
 
中略
 
 
 E-エデュケーションは、ほんの小さな取り組みにすぎません。
 でも僕らが届けた「火種」のいくつかは、未来のいつの日か、きっと焼原の火のように世界中に広がっていくだろうと信じています。
 
 
●●
 
 (「「最高の授業」を、世界の果てまで届けよう」より引用しています。)
 
 
 税所さん自身も、「ドラゴン桜プロジェクト」がどうなっていくのか、どのように発展していくのか、これから何をしていけばいいのかわからないまま、手探りで進んできた様子がうかがえます。そして、これだけ大きなプロジェクトまで発展してもなお、「E-エデュケーション」がどう進化していくのかわからない、と述べられています。
 つまりこれは、「見通しが付かないからできない」「自分には力が無いからできない」という私たちがつい口にしてしまう言い訳は、何の意味もないのだということを教えてくれているように思えます。
 
 私も自分でやってみたいことがいくつもあります。でもどこかで、「まだ自分にはできない」とか「自分にはそんな大それたことをやる資格がない」と言い訳しているところがあります。
 
 税所さんのように、若くても何でもできるんだ!という力を、この本からもらいながら、「やりたいこと、やってみたいこと」にチャレンジしていきたいものですね。
 
 
 
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第4位 「自分メディア」はこう作る!  ちきりん

 
 

「自分メディア」はこう作る! 大人気ブログの超戦略的運営記

 
 素顔も本名も明かさないまま、大人気ブログを運営されている「ちきりん」さん。会社員時代に始めたブログ「Chikirinの日記」が数年間で大人気ブログとなり、現在では会社を退社されて執筆、対談、旅行など「楽しいことだけして暮らす」を実践されている方です。「Chikirinの日記」のアクセス数は、月間200万PV(ページビュー)にも上るらしく、ちきりんさんの書き口や考察の深さを楽しみに訪れるユーザーさんが多いようです。
 
 さて、そんなちきりんさんの「Chilirinの日記」はどのようにして成長し、今のような大人気メディアのひとつになっていったのでしょうか。現代では、無数のサイトやブログが存在しており、個人が作成したブログが大人気メディアとなることも、月間200万PVを集める規模に成長することも、数年前に比べると難しくなっていると言わざるを得ません。
 
 ちきりんさん自身が経験してきた「Chikirinの日記」の成長と、ブログ運営に関する考え方について、見ていきましょう。
 
 
 
 
 
 
■ メッセージを伝える
 
 
 
 ブログを運営していくにあたって大切なことは、「読者に有益な情報を伝えること」だと考えられますが、この点に関してちきりんさんは、「ひとつのエントリでは、ひとつのメッセージだけを伝えるようにしている」のだと言います。これは、伝えたいことを読者に確実に伝えるために、多くの情報を盛り込みながらも、伝えたいことはひとつの絞るということでしょう。言いたいことがいくつもあるエントリを読んでも、読書は「結局何が言いたいんだ?」と感じてしまうものですから。
 
 
 
●●
 
 
 ひとつのエントリを書く時間は、文章だけなら30分。パワーポイントで図表を作ったり、掲載写真の修整をしたりする場合は、それぞれの作業に30分以上かかることもあり、合計すれば、1時間以上かけて書いています。
 
 また「Chikirinの日記」には、「ひとつのエントリでは、ひとつのメッセージだけを伝える」というポリシーがあります。なので少々文章が長くても、もしくは、複数の事例を紹介していても、伝えたいメッセージは(1エントリにつき)ひとつだけです。
 
 ブログを書く時も、「何を書くか」ではなく、「今日は何を伝えようか」が最初に決まります。それは、誰かと話している時や、本や雑誌を読んでいる時、ネットで遊んでいる時、さらにはお風呂に入っている時や電車の中でぼーっとしている時などに、いきなり「あっ、コレを伝えたい!」と突発的に浮かびます。
 
 
●●
 
(「自分メディア」はこう作る! より引用しております。)
 
 
 ちきりんさんのブログの内容を読んでいくと、実に多くの事例を加えながら長めの文章が印象的です。その長い文章の中でも、必ずひとつのことだけを伝えるように記事を書くのは非常に難しいことだと感じます。だからこそ、「ブログのネタを探す」という考え方ではなく、「あ、これ伝えたい」という視点でブログを書くことは、重要なことなのかもしれませんね。
 
 私自身、こういう記事を書いたら面白いんじゃないかとか、こういう内容なら記事にまとめる知識があるという視点で記事を書いてしまっています。自分が経験した分野や得意な分野において記事を書くと、長い文章でかつ詳細な内容を書くことができます。しかし私も、ちきりんさんの考えている「伝えたい!」と感じたことを伝える習慣を身に着けたいと思います。
 
 
 
 
 
■ Own Media(自分のメディア)はインフラ
 
 
 
 ブログやサイト、最近では頻繁に個人が活用するSNSは、その発信力が強くなればなるほど「インフラ」として作用するようになります。多くの人が集まるブログでは、そこに書かれる記事が多くの人に影響を与えたり、そこで紹介されるものが多くの人に購入されたりという「インフラ効果」を発生させるのです。ブログやサイトだけでなく、FacebbookやTwitterでも人気の投稿は多くの人に「いいね!」や「リツイート」されて、驚くほど多くの人の目に留まることにもなります。
 「拡散」という言葉があるように、人の心を動かした記事や投稿は、他の人にシェアする機能が使われるようになっているのです。
 
 ここで考えたいのは、ブログやサイトは個人で運営するケースが多いですが、成長することによって自分専用の「メディア」となっていきます。つまり、Own Media(自分のメディア)となるのですね。これは今回ご紹介している書籍のタイトルとも一致します。
 
 
 
 
●●
 
 私が目指したのは、「Chikirinの日記」を価値あるメディアに育てることであり、価値あるメディアとは、特定の共通点を持って絞り込まれた読者が集まっている場所、と考えていました。
 
 
中略
 
 
 自分が運営する場所(サイト)、自分のメディア(Own Media)を持ち、そこに前述したような共通点を持つ、価値観の似たタイプの読者が多数集まるようになれば、アクセス数が増えて広告料が入るなどというレベルを超えて、様々な新しい(そして楽しい)試みが可能になる。そう確信していました。
 
 実際に最近では、働き方や政治についてアンケートを実施するなど、特定セグメントにおける世論調査のようなことまで可能になりました。1冊の本に関して、決まった時間帯にツイッターで集中的に意見交換をするソーシャルブックリーディング(ネット上の読書会)も盛況です。
 
 自分のメディアを持っていることで、講演会などオフラインでのイベント告知も容易だし、自分が勧めたいモノ(考えだけでなく、本や商品、企業など)を強力にプッシュすることもできます。
 
 
●●
 
(「自分メディア」はこう作る! より引用しております。)
 
 
 個人が運営する一塊のブログで、アンケートを実施したり、ネットマーケットのような販売促進をしたりできるようになるなんて、考えてもみませんでした。確かにブログは、「読者に情報を提供する」という場でありながら、もっと他にも可能性を秘めているのは間違いありません。イメージとして、情報を提供する、コメントをもらって情報をやりとりするというイメージが強いだけで、多くの人が集まるからこそできることが増えてくるのでしょう。
 
 ブログには、一般的にイメージされているものよりももっととてつもない可能性を秘めている。そんな気持ちにさせてもらえた1冊です。ブログの書き手が一方的に情報を提供するだけでなく、議論をしたり、読み手のほうから情報を手に入れたりする場所。特に強力なメディアでは、「広告効果」や「情報発信効果」といった「影響力」が培われているのだと言えますね。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

第3位 「1日30分」を続けなさい!  古市 幸雄

 
 

「1日30分」を続けなさい! (だいわ文庫)

 
 これまで「勉強法」に関する本はいくつも読んできましたが、その中でも抜群にインパクトがあったのが「1日30分を続けなさい!」です。効率の良い勉強法や勉強ノウハウ、ちょっとの勉強でもすぐ成果が出る勉強法といったありもしないものを探すのはやめて、こつこつ勉強しませんか?というのが「1日30分を続けなさい!」のメッセージです。効率が良い勉強法や簡単に成果が出る勉強ノウハウなどこの世に存在しないのだから、そろそろ現実を見つめてくださいといった、直球で少し威圧的・挑発的な文章もめずらしいタイプだと感じます。
 
 私も、「皆はどんな勉強法を実践しているのだろう?」という視点で勉強法の本を読むことはありますが、「楽して勉強の成果を上げよう」とは思ったことがありませんでした。だからこそ、この「1日30分を続けなさい!」のメッセージが心に残ったのかも知れません。
 
 「1日30分を続けなさい!」では、現実に目を向けましょうというメッセージだけでなく、どうすれば1日30分を続けることができるのか、そのための時間確保方法は?勉強場所は?勉強道具は?といったかなり実践的な内容が、古市さんの実体験を元に書かれています。「こうしたほうがいいですよ」というメッセージだけで終わらず、読んだことをすぐに実践できる詳細内容まで記載されているのは、読者としてうれしいところです。
 
 
 
 
 
■ 勉強は絶対やったほうがいい。でも、やりたくないなら「やらなくていい」
 
 
 
 「1日30分」を続けなさい!の特徴は、なんといっても「著者のドストレート」な文章です。読者に気を使うことは一切なく、言わなければならないことはばっさりと言ってしまうような印象を受けますが、その文章がやる気を出させてくれます。勉強はやったほうがいいけれど、やりたくないなら「やらなくていい」とあっさり本文でも述べられています。やる気を出させたり、やりたくないけれど勉強できるノウハウ、効率よく勉強できるノウハウなんかは、この世に存在しないのだから、やりたくないなら「やらなくていい」ということなのだそうです。小手先のノウハウを探すことに時間を費やすくらいなら、さっさと勉強を始めることが、もっとも優れた勉強法だということなのでしょう。
 
 
●●
 
 どうしたら勉強するように自分にモチベーションを与えられるのか?
 つまり、どのように勉強の動機づけをみつけたらいいかわからない人もいるでしょう。はっきり申し上げて、なかなか動機づけができない人は、あまり勉強をしたくないのですよ!ですから、勉強しなくていいです!
 
 書き間違いではありません。勉強する気がない人、または、する覚悟がない人は、しなくていいです。もう義務教育は終わったでしょうし。
 
 
中略
 
 
 「勉強したい」と思ったときが、その人の勉強意欲が一番高いときなのです。ところが、この絶好のタイミングを逃すと、勉強する意欲も徐々になくなってしまいます。
 
 
●●
 
 
(「1日30分」を続けなさい!より引用しております。)
 
 
 ここまでドストレートな表現をする著者も珍しいと感じていただけたのではないでしょうか。普通なら、批判を受けることを考えて、控えめな表現、一般表現を使ってしまいがちだと思いますが、「1日30分」を続けなさい!では一貫して「強気」の表現が使われ続けています。それだけ、小手先のノウハウにこだわらず、とにかく少しずつでもやってみよう!という強いメッセージを伝えたいのだと感じます。
 
 確かに、上記で引用した文章にあるように、やる気がないのに勉強するのは困難だと思います。こうなりたいという姿があってはじめて、勉強を続けていくことができるのです。毎日わずかな時間と言えども、こつこつ続けていくことは大変な努力が必要です。しかし、努力が必要なのは「習慣化」するまでの話です。毎日こつこつ勉強することが習慣化してしまえば、後は知りたいことを学んで、読みたい本を読んで、時間を過ごしていくだけなのです。
 
 
 
 
 
■ 移動時間やちょっとしたスキマ時間を無駄にしないだけで、簡単に30分は勉強できる
 
 
 ちょっとしたスキマに生じるスキマ時間(待ち時間やテレビのCMなど))やながら時間(移動しながら、テレビを見ながら、など)を使うだけで、簡単にたくさんの時間を手に入れて勉強することができます。こういった時間管理のノウハウは、多くのビジネス本でも紹介されており、知っている人も多いと思いますが、私が最初に時間管理法を用いて勉強時間を作りだす方法を知ったのは「1日30分」を続けなさい!を読んだときでした。
 
 始めて実践しはじめた時は、「衝撃」でした。当たり前だと思われているスキマ時間やながら時間の有効活用ですが、実際にやってくとみるみる時間が生まれてきます。数年間実践してきてもなお、無駄に過ごしている時間があると感じるほどで、まだまだ可能性を感じます。
 
 
●●
 
 車・徒歩での通勤時間中にはラジオや音楽を聞くのは控えて、それに割いていた時間の一部を勉強に割り当ててみてください。
 アメリカではオーディオブックという書籍を朗読したカセットやCDが売られています。しかし、日本ではまだあまり普及していません。よって、これを自分で作るしかありません。
 
 ちょっとアナログな方法ですが、例えば、あなたが英語の勉強や何か資格取得の勉強をしていたとします。重要な項目をあなたの声でICレコーダーやカセットテープに録音して、それを移動中に聞きます。目からの記憶よりも耳からの記憶のほうが心に残ると言われています。
 
 
中略
 
 
 さらに、音声を使ったながら勉強のいいところは、繰り返し学習ができることです。同じ本を10回繰り返し読むのは大変ですが、音声ならば10回聞いてもほとんど苦になりません。
 知識を吸収するために重要なことは、定期的に繰り返し勉強することなのです。
 
 
●●
 
(「1日30分」を続けなさい!より引用しています。)
 
 
 音声を使った勉強法は、車や徒歩の移動時には重宝します。私は、移動時間や待ち時間は基本的に読書をする時間に充てていますが、車や徒歩での移動となると手元の本に視線を落とすことは出来ません。危ないですからね。そこで、耳からの音声学習を実践すれば、手元に視線を落とすことなくどんな状況でも勉強をすることができます。さらにユニークなのは、勉強教材を自身の声で作るという発想です。最初は自分の声を聴くことに抵抗がありますが、これが効果的な勉強だと気が付くころにはたくさんの教材を作り出すようになっていきます。自分の声で音声教材を作れば、参考書とは違って、必要な個所だけが詰まった「最強の教材」を作り出すことができます。勉強をしていて覚えたいところ、なかなか記憶に残らないことなどを音声教材にして、毎日聞く習慣を身に着けると、自然と生活しているだけで多くの事を勉強することができます。無意識に勉強をしている状態というのが、音声学習の素晴らしいところです。
 
 
 「1日30分」を続けなさい!では、強烈にストレートなメッセージと、著者本人が実践した勉強法が多数紹介されています。ここでご紹介したのはごく一部ですから、実際にお読みになられる場合は、あなたに合う勉強法だけを拾い出して、ひとつずつ実践して効果を試してもらうと良いのではないでしょうか。
 
 
 
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第2位 ユダヤ人大富豪の教え  本田 健

 
 

ユダヤ人大富豪の教え 幸せな金持ちになる17の秘訣 (だいわ文庫)

 
 本田さんが大学生時代、アメリカに「平和に関する講演会」をするべく向かった際に、あるユダヤ人の大富豪と出合い、そこからビジネスに関する多くの教えをいただいた、そんな人生の1ページをエッセイ風にまとめてあるビジネス本。現在では、累計発行数600万部を越える作家でありながら、セミナーや講演会を開き、「アイウエオフィス」「ライフワークスクール」を運営する起業家でもある本田さんですが、そのルーツともいえる経験が「ユダヤ人大富豪の教え」に書かれているアメリカでの体験だそうです。ごく普通の大学生が、どのようにして現在のような実績をあげるようになったのか、その一部を読み取ることができます。なにより、エッセイ風なのでストーリーを読んでいるようで読みやすいです。
 
 「ユダヤ人大富豪の教え」はベストセラーとなり、「ユダヤ人大富豪の教えⅡ」「ユダヤ人大富豪の教えⅢ」も出版されるなど、著作の中でも人気のシリーズです。大学生だった本田さんがアメリカにわたり、この本で紹介されるユダヤ人(ゲラー氏)と出会って様々な教えをいただいたということなのですが、その行動力や現実離れしたストーリーに「世の中いろいろなことがあるものだ」と感じます。
 
 
 
 
 
■ 衝撃的な出会いと試練
 
 
 
 私にも大学生時代がありましたが、それは至極平凡なものでした。勉強を頑張り、友達と遊び、部活やアルバイトで様々な経験はしてきたとはいえ、一般的な大学生とさして変わらない日常でした。
 本田さんの大学時代のストーリーを見ると、当時の自分とは全く違っていて、わくわくした気持ちになったとともに、「もっと視野を大きく持ち、色々なことにチャレンジしていればよかった」と後悔したものでした。何か新しいことにチャレンジするのに年齢なんか関係がないのだと思います。それでも、社会に出た後や家庭を持ってからは、大学時代に比べると自由が少なくなるので、大学時代にできる限り色々なことにチャレンジするというのは、素晴らしいことなのだと今更ながらに思います。
 まず最初には、本田さんが起こした行動と、きっかけについて「ユダヤ人大富豪の教え」より引用したいと思います。
 
 
●●
 
 その老人と出会ったのは、一年のアメリカ滞在が終わろうとしているときだった。当時、まだ二十歳の学生だった僕はボランティア団体の招きでアメリカに渡り、フロリダの老人ホームをまわって日本文化と平和について講演していた。講演のかたわら、地元で成功している企業家や芸術家に会い、彼らの成功の秘訣をインタビューしてまわっていた。
 
 日本に帰っても、友人たちのように大企業に就職せず、独立して事業を興したいと考えていた僕は、アメリカにいる間に、彼らの成功の秘訣をぜひとも知りたかった。
 
 日本に帰る日まで、もう一カ月を切っていて、正直焦っていた。このまま日本に帰ったら、周りの就職活動のペースに飲み込まれてしまう。なんとか、人生を変えるきっかけをつかまなければ、と毎日考えていた。
 
 そんなとき、この老人と出会ったのだ。僕は、いままでの人生を振り返ると、それこそ絶妙なタイミングで素晴らしい人に出会ってきたが、まさしく、これがそういう出会いだった。
 
●●
 
(「ユダヤ人大富豪の教え」 より引用しております。)
 
 
 
 「将来、当たり前の様に会社員、サラリーマンになりたくない」、「いつか独立して、自分の仕事を持ちたい」という願望を持っている若者は、最近少なくないと感じられます。私も少なからず、自分自身で人の為になる活動を、人生通してやっていきたいと思っているので、似たようなところがあるのだと思います。
 
 多くの人が自分の理想となることができれば素敵ですが、なぜ現状を変えていけないのかというと、まさしく上記で引用した本田さんの行動にヒントがありました。それは、「圧倒的な行動力」です。大学生の頃に、アメリカにいって「平和と日本文化を伝える講演会」をしてみよう!という行動力、たまたま出会ったユダヤ人の大富豪を前に、ビジネスの教えを乞う行動力。もし目の前に、アメリカで「平和と日本文化を伝える講演会」をするチャンスがあったとしても、尻込みして飛び込めない人が大半だと思います。目の前にユダヤ人の大富豪がいたときに、母国語でもない英語で「ビジネスについて教えてください!」と伝えることができる人なんて、本当にいるのか?と思うくらい少数派でしょう。この「圧倒的な行動力」があれば、現状を変えていくことができるのだと思います。
 
 では、一般的な私たちはどうしたらいいのでしょうか。そんな「圧倒的な行動力」があるなら、苦労はしていないと言いたくなりますよね。ですから最初のステップとして、何か思い立ったらすぐに行動する習慣を身に着けることが必要だと思います。行動力は筋力と同じで、トレーニング次第で身についていくものだと思っています。日々の生活の中に、少しずつ行動力トレーニングを取り入れて、本田さんばりの行動力を身に着けていきたいものですね。
 
 
 
 
 
■ 1人の人間が与える影響を知る
 
 
 「ユダヤ人大富豪の教え」では、ビジネスで必要な知識やスキルはもちろんですが、人間として生きていく上で重要なことについても教えを受けています。その中でも特に印象深かったのが、「1人の人間が他人にどう影響しているのか考えること」です。
 私という1人の人間が、周りの人々に少なからず影響を与えているのは当たり前なのですが、なかなか気が付かないことが多いものです。しかし、その影響している物は何か?と目を向けて考えていくと、「私という人間の生きる意味」のようなものが見つかるような気がします。私でも他人に影響を与えることができているのだ、と自信を持って認識できれば、まだまだ人生は楽しいものになりそうです。
 
 
●●
 
 一人の人間が暴力的になると、周りの人間は影響を受けて、すさんだ気持ちになる。同じように、一人の人間が幸せになるとき、周りの人間も影響されて、幸せになるものだ。私は、一人の人間が絶望の淵からよみがえり、愛と豊かさに生きたとき、どういう影響が与えられるのか、自分の人生を使って実験したいと考えている。
 
 私からスタートした幸せや豊かさが、いま周りの多くの人間を幸せに豊かにしていきつつある。この波がどう広がるのかわからないが、それをこの地球に残していきたいと考えているのだ。その一つの波を君とも分かち合ったつもりだ。君がどのように使うのかは君の自由だがね。
 
 僕は、目の前に広がる海を見ながら、波が広がっていく様子を眺めた。
 
●●
 
(「ユダヤ人大富豪の教え」 より引用しております。)
 
 
 ユダヤ人大富豪のゲラー氏は、自分が豊かになったからそれでいいという考え方の人ではないようです。自分が得た豊かさを分析し、その知識やスキルを体系的にまとめて、他の誰かにシェアする。今回、それを本田さんにシェアしたことになります。このように、豊かさをシェアすることで、その人が豊かになっていく。さらには、その人がまた他の誰かに豊かさをシャアすれば、豊かになる人がどんどん増えていく。ユダヤ人大富豪のゲラー氏は、最終的に世界中のみんなが豊かな気持ちで生きていく世界を夢見ているのだといいます。
 
 実際に、本田さんはこの豊かさの知恵を日本に持ち帰り、こうして書籍化したり、講演会を開いたり、豊かさをシェアする会社を経営されたりと、ゲラー氏の望んだ豊かさのシェアを実践されています。その本田さんに影響されて、今度はまた別の人が豊かさのシェアをしていくのなら、豊かさは連鎖的に広がっていくことになります。私がこうして本田さんの本を紹介していることも、ひとつのシェアの形なのかもしれません。
 
 1人の人間が他人に与える影響は、本当に計り知れないと感じる1冊でした。
 
 
 
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第1位 20代で始める「夢設計図」  熊谷 正寿

 
 

20代で始める「夢設計図」-必ず“スピード成功”する5つの原則

 
 いよいよ第1位になりました。「20代で始める夢設計図」は「私が読書を始めるきっかけになった1冊。もちろん内容も私の生き方に影響を与えたベスト1なのですが、「読書を好きにさせてくれた」という私本位の意見も十分含まれていることは先にお詫びしておきます。
 
 なんといっても、タイトルで惹かれた20代で始める「夢設計図」 では、「手帳を手放さないメモ魔」と呼ばれている著者、熊谷さんの手帳術をベースとした、「夢ピラミッド」の作成方法と、手帳にある無限の可能性を詳細に解説している一冊です。今でもバイブルとして繰り返し読ませていただいており、その手帳術やメモのやり方については、私のベースとなっているスキルのひとつとなっています。
 
 熊谷さんは、今や有名企業となっている「GMOインターネットグループ」の創設者にして、現代表取締役社長を務めていらっしゃる方です。一代でインターネット会社を立ち上げ、41歳の若さで上場企業へと成長させてきた背景には、常に手帳と夢ピラミッドがあったそうです。実体験からも語られる手帳と夢ピラミッドの力を、みなさんにもお伝えしたく、1位とさせていただきました。
 
 
 
 
 
■ 夢ピラミッドを元にした、「未来年表」を作成して自身の人生をアシストする
 
 
 20代で始める「夢設計図」 では、夢ピラミッドと呼ばれる「自身のジャンル別の究極の目標」を記載したピラミッドを作成し、それぞれの目標をいつ達成するのかを事前に記載した「未来年表」を作成することが紹介されています。そこで、私は特に「未来年表」の素晴らしさに感動したので、ここでご紹介させていただきます。
 
 未来年表というのは文字通り、何年の何月に何を達成する、という項目をこの先数十年にわたって記載した「自分の将来を先に決めてしまった年表」のことです。例えば2017年に300万円の車を購入するだったり、2020年に独立して起業するだったり、夢に日限を決めてどんどん書き込んでいきます。そうすることで、逆算してこれからの日々を過ごすことができます。2017年に車を買うのなら、2015年と2016年の2年間で300万、つまり、1年間で150万ですから、月に10万円以上は貯めていかなくてはなりません。そうなると、お金の使い方を見直したり、新しい収入源を作り出したりと、新しいことにチャレンジしなければなりません。しかし、なんとなく車が欲しいと思っていた頃よりも、行動が明確になりますよね。こうした力を「未来年表」は持っています。
 
 
●●
 
 「この夢をいつかかなえよう」なんて悠長に構えていてはダメ。「いつか」と「お化け」は現実になった試しがないのです。
 実際、「いつか会おう」と言うだけで、会わないまま何年もの月日が経ってしまった友達はいませんか?年賀状に毎年のように「今年こそ会いましょう」と書くだけで、いっこうに会えないような友達が・・・。
 「いつか」なんて曖昧な約束をするから、いつまで経っても「会う」という行動が起こせないのです。
 
 本気で夢をかなえたいのなら、とにかく達成日限を決めて、そこから遡って行動プランを立てることが重要です。
 
 
中略
 
 
 その年表の予定を忠実に行ってきたことで、わずか1か月の誤差で奇跡的に夢をかなえることができたのですから、夢達成のためには期限を決めることが、いかに重要かがわかるでしょう。(会社上場の夢を1か月の誤差で達成)
 
 
●●
 
 (20代で始める「夢設計図」 より引用しています。)
 
 
 まさか、会社を立ち上げて上場までさせるという未来年表の項目を、誤差1か月で達成するとは夢にも思っていなかったと思いますが、それだけ夢に日限を決めて行動することの効果を感じることができます。前述したように、日限を決めて何かに記載していなければ、人間は忘れてしまったり、なあなあにしてしまったりするものです。だからこそ、どんな些細な夢でも、巨大な夢でも、「未来年表」という形で記載しておくことに、大きな意味があるのです。誤差があっても、達成出来なくても構いません。そこに向かって行動するための指標があることが重要なのです。
 
 
 
 
■ 何でもメモし、読み返す。メモは読み返さなくては意味がない。
 
 
 熊谷さんは、社内でも「メモ魔」と呼ばれているほど、何から何までメモをする人だそうです。常にメモができるようにリフィルを持ち歩き、システム手帳にファイリングしているそうで、手帳がおどろくほどパンパンにふくれあがり、はじめて熊谷さんの手帳を目にした人は、それが手帳であるということがわからないほどなのだと。「メモ魔」は徹底しており、本当にいかなる状態でもメモができるように工夫しているようで、お風呂にはいっているときでもリフィルとボールペンは手放さない徹底ぶり。そうした情報を記録していくスタイルによって、多くの夢を実現してきていることは間違いありません。そもそも、人間の記憶は対して力を持っておらず、こんなことなら覚えていられると思ったことでも、数日すればきれいさっぱり忘れていることなんて日常茶飯事です。だからこそ、外部記憶としてメモにこだわることで、どんなことでも覚えれいられる状態を作るのです。
 
 さらに、メモは見直すことではじめて力を発揮するわけですが、これは繰り返し読まなければ意味がないのだそうです。繰り返しメモを見直すことで、思い出さなくても頭にぱっとうかぶレベルにまで記憶が定着し、それが行動や習慣に現れるようになるのです。
 
 
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 読み返すだけではなく、何度も何度も書いて自身への戒めとしている言葉もあります。そうして脳に繰り返し叩き込むと、本当に人格が変わるという事実も身を持って経験しています。メモとは、それほど重要なものではないでしょうか。
 
 私は周囲から「メモ魔」と呼ばれるほど、いつもメモをしています。そのメモを始終読み返し、効果的に行動に活かすために、システム手帳を活用しています。今日の私の成功は、この手帳があったからこそと言っても過言ではありません。手帳が私の夢を実現する指南役として、機能してくれたからです。
 
 
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(20代で始める「夢設計図」 より引用しています。)
 
 
 情報を繰り返し頭に叩き込むことで、なんと人格まで変わる(もしくは新たに形成される)ということには驚きました。しかし、これは事実だと私も思います。数多くの本を読んでいく中で、読書をする前に比べると考えられないくらい、自分自身の考え方や生活スタイルに変化が起こりました。それと同様に、自分を変えてくれるような素敵な言葉を繰り返し頭に叩き込み、それがさも当たり前だと感じるレベルまでメモを読み返すと、理想の人間へと進化していくことができるのです。
 
 今回ご紹介した「未来年表」と「メモ術」は、仕事をするどんな人にとっても為になるノウハウだと思っています。どんな形にカスタマイズしても問題ないと思うので、自分の未来をあらかじめ決めてしまい、日常的にメモをたくさんして、それを活用する仕組みを構築することは、人生の早い段階で身に着けておいた方が良いスキルだと思います。
 
 
 
20代で始める「夢設計図」-必ず“スピード成功”する5つの原則
熊谷 正寿
大和書房
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ランキング付けを終えて

 
 
 今回ランキングベスト10としてご紹介した10冊の本には、私の個人的な思い入れも大きく含まれているので、私目線のかなり偏ったセレクトになってしまっております。ここまでお付き合いいただき、ありがとうございました。作成にもそれなりに時間がかかりましたが、これまでの読書活動をゆっくりと振り替えることができて、私としても良い復習になりました。
 
 
 本というのは、読む人によって受け取り方が大きく異なりますので、私がおすすめした本を「つまらない」と感じる人は多いと思います。読む人の職業、読む人の感性、読む人がこれまで経験してきたことなど、多くの要素が本の面白さを決めています。なぜかというと、人は1冊を通して全く知らないこと、経験したことがないこと、信じられないことが書かれているよりも、自分が知っていること、経験したことがあることが書かれていた方が、共感できるからだと思っています。会社勤めをしたことが無い人が、企業で上司とうまくやる方法の本を読んでも、まったくイメージできないから楽しめるはずもありません。
 そんな理由も含めて、出来る限り多くの人が共感できそうな本を選んだつもりではあります。本のランキングですから、読書が好きな人、本に興味がある人であれば楽しめそうな本、という選定基準ですね。
 
 これからもたくさんの本を読んでいくと思います。その都度、このような形で「読書のまとめ」を作成していこうと思っていますので、よろしければこれからもお付き合い願います。
 今回ご紹介した本の中から、あなたのバイブルとなる1冊とのご縁を作る一助となっていれば幸いです。
 
 

 

 

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