働く人達にとって、仕事が終わってからの時間、いわゆる「アフターファイブ」は疲れやストレスを癒す面でも非常に重要な時間です。
好きなものを食べたり、趣味や好きなことに打ち込んだり、テレビを見たり、疲れを癒すためにごろごろしたり。
時間の使い方は人それぞれですが、それぞれにとって大切な時間です。
私は、絶対に仕事とプライベートを区別するようにしています。
プライベートでやりたいこと、やるべきことがたくさんあるので、それを仕事があるからと蔑ろにしたくない。
自分の人生なのだから、今の仕事がすべてにならないように、主張できる程度の自由を求め続けています。
アフターファイブは、私にとって「突発的な対応をしなければならない場合」や「自責で残業しなければならない場合」を除いて、絶対的に確保すべき時間なのです。
しかし、「本当のアフターファイブ」は崩壊しつつあるのは、誰しも感じているでしょう。
サービス残業をさせられたり、上司が帰っていないから帰りにくい雰囲気があったり、半ば強制的な残業や休日出勤もあると思います。
交代勤務をしている人は、そもそもアフター「ファイブ」ではありませんし、販売系や営業系の仕事であれば、アフターファイブから仕事が本格的にスタートする場合もあります。
お客様が日中は仕事をして、アフターファイブで営業の方とアポイントを取るからですね。
こうしたアフターファイブの崩壊と、ワークライフバランスの曖昧さは、会社にまかせていては主導権を握られてしまいます。
会社にまかせていれば、残業や休日出勤が無くなって、アフターファイブを満喫できるようになる、なんてことは絶対にあり得ません。
むしろ、会社が発展していくにつれて、やらなければならないことはどんどん増えていきますから、労働時間は増していくばかり。
残業したくない、休日出勤したくないという気持ちは、自分から発信し続け、掴み取る必要があると思います。
「ワークライフバランス」は会社にまかせるより自分で掴み取る
最近では「ワークライフバランス」という言葉が、社会的によく使われています。
「ワークライフバランス」とは、仕事( ワーク ) と生活( ライフ ) のバランスの事で、一般的には残業や休日出勤を出来るだけ減らしてプライベートとのバランスをとりましょうという考え方ですね。
かなり多くの企業でも、ワークライフバランスの取り組みがなされており、「残業は何時間まで」という残業規制や、「残業をしてはいけない日」であるノー残業デー制度、「コアタイム以外は働き方を選べる」フレックスタイム制度などが推進されています。
企業で働く人以外では聞きなれない言葉かもしれませんので、簡単に説明しておきます。
「ワークライフバランスとは」
ワークライフバランスとは、前述した通り、仕事とプライベート生活のバランスのことを意味しています。
仕事をし過ぎてプライベートが犠牲にならないように、残業できる時間を制限する規約を設けたり、有給休暇・時間休暇などを自由に取れる職場作りをしたり、そもそも残業をしてはいけないノー残業デーを作ったりという動きがみられます。
ワークライフバランスが話題に上るようになったのにはいくつか理由がありますが、特に大きな理由としては、「過度な労働で鬱病になってしまった」という人が大勢いたり、「子育てや親の介護といった絶対に必要な時間を確保させる」ことによって安心して仕事ができる環境作りを必要とする人が多かったりしたことでしょう。
IT系のシステムエンジニアの中では、過度な労働で鬱病になる人が増加していると話題になったこともありますし、「一番過労死しやすい職業はシステムエンジニアだ」なんてうわさも学生の頃耳にしたこともあります。(もちろん、あくまで噂ですが。)
このように、ワークライフバランスは、すべての働く人にとって、一生のテーマにもなりうる、「働くことと生きること」のバランスを考えるということなのです。
「フレックスタイムとは」
最近では多くの企業でも採用されている「フレックスタイム制度」。
例を挙げて説明すると、
コアタイムが午前10時~午後3時のだとした場合、午前10時~午後3時の間は仕事をすることが義務付けられていますが、始業から午前10時までと、午後3時から終業までの時間は働くことが義務付けられていません。
お子さんの送り迎えがあるので午前9時半に出社し、午後4時に退社することだって可能です。
フレックスタイムを使って通常より働く時間を短く調整すると、その分給料からは引かれます。
1時間遅く出社して、1時間早く退社すれば2時間分の給料が減るわけですね。
ですから、月曜日に2時間残業をしたとすれば、火曜日は2時間早く帰っても給料は通常通り支払われることになるので、「残業したらその分別の日に早く帰れる」「早く帰ったらその分別の日に残業する」といったことが可能になります。
コアタイム以外は、ある程度自由にワークライフバランスが調整できるため、ご家族のイベントやお子さんの授業参観、町内会の行事など、普通なら平日仕事で参加できないようなことにもチャレンジすることができる魅力的な制度です。
このように、会社側もワークライフバランスについて様々な手段で取り組んでくださっているのですが、それでも私にとってはまだまだワークライフバランスが満足に取れているとは思えません。
私が過度に自由を求めすぎているだけなのかもしれませんが、「もっと自由に過ごしたい」「会社に拘束されたくない」「自由な時間やお金が欲しい」と切望している人はたくさんいるはずです。
それでも、そうした意見は周囲の反感を買ってしまったり、なかなか認めてもらえなかったりするから心にしまい込んでしまうのです。
心に「自由を手に入れたいけど言えない」という不自由な思いを留めたまま、会社が作ってくれている制度の中だけで自由を感じるのは絶対におかしいと思います。
だから私は、入社した当時から、
「出来る限り残業はやりません」
と周囲に言い続けてきました。
同期や同世代の知人には、会社の制度がもっと良くなるのを待つくらいなら、自分から残業をしない本当のアフターファイブを作り出し、「毎日がノー残業デー」を作り出して見せよう、とまで豪語しています。
これだけ書くと、すごく生意気で何にもわかってないやつが入ってきたなと思われたでしょうが、「残業をしない」と言うからには、定時間内でやることはしっかりやります。
今日やるべきことは今日の内に片付けてから、残業せずに帰る。このスタンスなら、目立って文句を言う人は少なくなります。
そもそも、残業は会社にとってマイナスです。
残業代は通常の時間当たりの給与よりも多く支払われますし、会社としては人件費というマイナスコストがかかってしまいます。
残業をしなくても定時間内にすべての業務を遂行することこそ、会社に余計なコストをかけさせない理想的な働き方なのですから。
残業をすることで、卓越した業績を残すことができるのならやってもいいかもしれません。
どんなに効率良く頑張っても、時間的にどうにもならない場合ならば残業という手段もありです。
しかし、最初から残業ありきで仕事をしていては、定時間内に終わらせることができた仕事も残業して取り組むことになり、結果として成果に対して人件費がかさんでマイナスの成果を生み出します。
残業をたくさんする人は、仕事をした気になっているかもしれませんが、本当に仕事ができる人は「出来る限り残業を減らしながらも成果をだせる人」なのは間違いありません。
ですから残業は、「やむを得ない突発の仕事」や「自責で終わらなかった仕事」に限定して、基本的には「毎日がノー残業デー」を楽しんでいます。
「残業をしない」と決めてしまうと、仕事に対して時間を常に気にすることができたり、少しでも効率よく仕事を片付けるために改善をしたりというプラスアルファの仕事が自然とできるようになります。
人間は、タイムリミットが決められると途端に頭も体も動くものなのです。
こうして、どうしてもプライベートな時間を確保したかった私は、「残業はできるだけしない」と周囲に公言し、それでいて自身の役割もきちんとこなすことで、「ほぼ毎日がノー残業デー」を実現しています。
終わりに
仕事に対する考え方や取り組み方は人によって千差万別ではありますが、誰しも働く時間を少なくしてプライベートを楽しみたいとどこかで感じていると思います。
会社には当たり前の様に残業することが見えないルールのようになっているところもありますが、自分もその枠にはまる必要はありません。
だらだらと会社に残って、残業代というマイナスコストを生み出し続けている社員はいくらでもいます。
「毎日がノー残業デー」を実行しなくても、残業しないことは会社にとって利益になるということが分かっていれば、それだけでも十分です。
残業をとにかくたくさんして、会社で仕事をする時間が長いことが正義。
そんな考えを持っている人は少なくないのですが、これは大きな間違いだと私は思います。
前述した様に、どうしても残業しなければならない場合のみ、残業という最終手段に出ればよいのです。
本当に仕事ができる人は、与えられた定時間内で十分成果を出す人です。
いま残業をしなければ仕事が片付かないと思っている人は、少しでも早く仕事を進められるように工夫をしましょう。
私もまだまだ仕事に改善の余地が山ほどありますし、自身のスキルも向上していかなければなりません。
ここまで偉そうに語ってきましたが、多くの人がこうした考えを持つことで、会社の無駄な人件費を削減し、それでいてワークライフバランスも良い状態で保つことができれば、皆さんがプライベートな時間を楽しむことができます。
「働き過ぎの日本」よりも「プライベートに余裕のある日本」と言われたほうが、なんだかわくわくする気がします。
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