【書評】「王様ゲーム 煉獄10.29」(金沢伸明)終わったはずのゲームが再び高校で始まる

 

王様ゲーム 煉獄10.29 (双葉文庫)

 

王様ゲーム 煉獄10.29」

金沢 伸明 著 読了。

 

王様ゲームシリーズ第9弾!

新たな物語「煉獄」がスタートします。

今作は、王様ゲームの原点に戻ったかのようで、再び高校のあるクラスをターゲットにした王様ゲームが始まります。

 

規模が大きな王様ゲームが続いていたので、

「あ、王様ゲームはやっぱりこうだなー」

なんて思いながら読み進めました(笑)

 

変わったところといえば、

これまでの主人公とは違って、大人しくてか弱そうな少年が主人公であるというところ。

主人公の佐々山夢斗が少しずつ成長していく姿も、面白さの一つでしたね。

それでは、書評をスタートしていきます!

 

※ 過去の王様ゲームシリーズ3作品分の書評記事は以下からお読みいただけます。

tekaten.hatenablog.jp

tekaten.hatenablog.jp

tekaten.hatenablog.jp

 

 

 今回のトピックはこちら!

 


  •  「王様ゲーム 煉獄10.29」の主な登場人物

  • 「王様ゲーム 煉獄10.29」のあらすじ
  • 再び高校を舞台にした王様ゲームがスタート!
  • 夢斗は、これまでのシリーズとは一味違った主人公
  • 「煉獄」の王様は、一体誰なのか・・・?
  • 終わりに
  •  

     「王様ゲーム 煉獄10.29」の主な登場人物

    佐々山 夢斗

    王様ゲーム 煉獄シリーズの主人公。

    転校した次の日に王様ゲームに巻き込まれた悲劇の少年。

    これまでの王様ゲームの主人公とはちょっと異なり、おとなしい性格をしている。

     

    伊藤 由那

    王様ゲーム 煉獄シリーズのヒロイン。

    夢斗とは転校初日から会話を交わす仲であり、王様ゲーム中も行動を共にする。

    明るく元気な性格。

     

    中島 陽平

    由那と同じく、夢斗と行動を共にする少年。

    明るく活発で、自分の意見をはっきり言う強気な性格。

     

    城戸 宗介

    夢斗が転校してくる前に自殺したクラスメイト。

    宗介の死が、今回の王様ゲームに関わっているようだ。

     

    岩本 和幸

    王様ゲームに巻き込まれたクラスの担任教師。

    今回は、担任教師も王様ゲームの参加者となっている。

     

    「王様ゲーム 煉獄10.29」のあらすじ

     

     日本中を恐怖に陥れた北海道の「リボーン・チャイルド事件」からわずか1ヶ月後のこと。

    埼玉県内の高校で、1人の男子高校生が自殺するという事件が。

    そしてその2ヶ月後、クラスメイト全員に王様からのメールが届いてしまう。

    悲劇の王様ゲームがスタートしたのだ。

     

    今回の王様は、ナノクィーンを手にした人間であるが、その正体はつかめていない。

    転校した次の日から王様ゲームがスタートするという、非常に運の悪い今作の主人公「佐々山 夢斗」は、どのようにしてこの王様ゲームを切り抜けていくのか?

     

    再び高校を舞台にした王様ゲームがスタート!

     

    王様ゲームといえば、

    「ある高校の、ひとつのクラスがターゲットとなり、クラスメイト同士で争う命令と戦う」

    というイメージがあります。

    最初の作品から3作目までが高校を舞台にしたもので、それがものすごく印象深いのかもしれませんね。

    王様ゲームといえば、高校が舞台で、命令も違いが争うように仕組まれている!まさにこのイメージ。

     

    その後の作品は、学校の外に出て命令をクリアしていくものに変化し、規模も全国まで広がっちゃってました。

    前作では、チャイルドという生命体との戦いもメインで描かれていて、物語の雰囲気も大きく変わっていましたからね。

    ですから、「高校という狭い空間で、知り合いのクラスメイト同士で争う」という閉鎖的な世界での戦いが王様ゲームらしいなーと思いますね。

     

     

    夢斗は、これまでのシリーズとは一味違った主人公

     

    夢斗は、今回舞台となる高校に転校してきた次の日、王様ゲームに巻き込まれたというめちゃくちゃ運の悪い少年です。

    転校日がもうちょっと後だったら、このデスゲームには巻き込まれなかったかもしれない・・・

    そう思うと、運が悪いなんてもんじゃないですよね。

     

    そんな夢斗は、これまでのシリーズで主人公として活躍してきたキャラクターとは、一味違ったタイプです。

    金沢伸明、工藤智久、宮内雅人の3人は、みんな勇敢なタイプであり、クラスメイトをなんとか生きながらえさせることを考えていました。

    自分の命を犠牲にしてでも助けてやる!

    クラスメイトを殺すくらいなら、王様ゲームの原因を突き止めてみんな助ける!

    3人には、共通して強い意志がありました。

     

    対して、今作の主人公の夢斗は、争いを好まない大人しいタイプの少年です。

    とても優しい性格で、転校してきたばかりで友達がいない環境であっても、自分の命のために誰かが死んでもいいなんて、とてもじゃないけど思えない性格。

    みんなには生き残って欲しい。でも、自分も死にたくないし、争いも起こってほしくない。

    みんなでなんとか生き残ろう。

    温厚でありながらも、夢斗は心から平和を望むタイプの主人公です。

     

    今回の作品を通して、少しずつ夢斗の心境が変化して、成長していく感じが見て取れるように書かれているので、それも読みどころですよb

     

    「煉獄」の王様は、一体誰なのか・・・?

     

    王様ゲーム 煉獄では、ナノクィーンを奪った誰かが、人為的に王様ゲームを操作しています。

    誰か1人の人間の手によって、王様の命令が送りつけられているということですね。 

     

    クラスメイトの生存状態や、クラスメイトの動向を知っているからこその命令なんかも登場するため、おそらくクラスメイトの内部に王様がいるのでは・・・?と読者に思わせる書き方になっていますね。

    この時点では、誰が王様なのかわかっていないので、王様を推理して自分なりに考えるという楽しみもありますね。

     

    終わりに

    久しぶりの高校を舞台にした王様ゲームは、やっぱり面白かったですね。

    またシリーズが新しくなったので、キャラクターが入れ替わってしまうのはちょっと不安要素ではあったんですが、このシリーズのキャラクターもすでに気に入っちゃいました(笑)

    王様ゲームシリーズは、会話表現や心理描写も多く、若者の気持ちをストレートに書いているところが目立つので、親近感を覚えやすいのかもしれませんね。

    どのキャラクターにも愛着がわいていて、楽しい限りです。

     

    さて、残す3作品もすべて手元に届いてしまいました(笑)

    時間さえあれば、最終章まで一気に読み切れてしまいそうですね。

    残りあとわずかな王様ゲーム、噛み締めるように楽しんでいけたらいいなーと思いながら、この書評を終わりにします。

     

    本日も、てかてんの書斎にお越しいただきありがとうございました!

     

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