現在の読書家が、将来の読書家を減らしているかもしれない

 
 

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私は、本を読み始めて5年弱になりますが、最近では「この本おすすめだよ!」と薦められるだけでなく、実際に「おすすめやから読んで!」と本をいただくことも増えてきました。
 
 
 
読書をしていることを認知していただき、インターネット上で本から得た知識を共有する活動が、知人の目に入ってきたのだと実感します。
 
 
 
そんな中、読書を嫌いになったり、苦手意識を持ってしまうひとつの理由にも気がつきました。
 
 
 
それは、
 
 
 
「人から借りた本やいただいた本、いわゆる身銭を切っていない本は、面白いと感じる確率が低いこと。そして、読み始めることもできていない本が結構あること。」
 
 
 
せっかくご紹介していただいているのに、自分が購入している「積読本」を読んでいるうちに、どんどん先伸ばしされることも少なくありません
 
さらに、これを言い換えると、
 
 

「初めて読書に取り組もうとしている人が、読書好きから本を薦められたことから読書に入ると、読書に対して苦手意識を持ってしまうかもしれない。つまりは、潜在的な将来の読書家を減らしてしまう恐れすらある。」

 
 
 
ということに気がつきました。
 
 
 
 
 
読書家が減ってきている昨今、ひとつの大きな原因として、
 
 
「現在の読書家が、将来の読書家をへらしているかもしれない。」
 
 
なんとしても、これは避けたい事態です。
 
 
 
読書が好きな人は、読書を習慣としていない人に「自分が読んだ中からおすすめ本」を紹介して、その面白さを伝えたいと思います。
 
読書が楽しくなってくると、周りの人にも伝えたくなるのです。
 
 
しかし、読書の素晴らしさを伝える上で「その人に合った本は、その人自身に選ばせる」ことが何よりも重要なのです。
 
 
気がつかない内に、お節介を焼いてしまって、将来の潜在的な読書家を減らしてしまっているとは、夢にも思いませんからね。
 
他ならぬ私も、友人に本を紹介することは良くありますし、読書がいかに素晴らしいかについても話します。
 
友人が「おもしろかった!次の本を紹介してよ!」と読書にはまるケースもあります。
 
また、できる限り「こういう本でおすすめない?」と注文を受けてから、合う本を紹介することを心がけています。
 
「現在の読書家が、将来の読書家を減らしているかもしれない」と気がついてからはかなり気をつけているのですが、それでも読書に対する苦手意識を与えてしまっている可能性も否定できません。
 
読書を好きでいるからこそ、その素晴らしさを伝えるには、読書経験がない人の目線に立った正しい薦め方を開発しなければいけないのです。
 
そこで今回は、私なりに考えた「読書の薦め方」についての考えを、皆さんにお話ししたいと思います。
 
 
私の体験談と考察を元にして考えたものですから、決して正しいとは限りませんが、参考にはしていただけると思います。
 
 
 
 
 

読書を薦める時には、「強制」しない

 
 
読書を人に薦める時に、ついやってしまうのが「この本おもしろかったから、読んでみて」という薦め方です。
 
「本の面白さは、読む人の能力・レベルに応じて変化する」のエントリでも書きましたが、読書のおもしろさは読む人のレベルや過去の体験に応じて変化します。
 


本の面白さは、読む人の能力・レベルに応じて変化する – てかてんの書斎

 
つまり、あなたにとっておもしろかった本は、必ずしも他人がおもしろいと感じるとは限らないということです。
 
ここで、あなたにとっておもしろかった本を薦められて読んだ人が、
 
 
「読書は難しいし、つまらないな」
 
 
と感じてしまえば、その人は今後本を読まない人生になるかもしれません。
 
 
特に、いま読書したい!と意欲がある人に薦める場合は別として、読書意欲が別にない、という人にこの薦め方をすると失敗する可能性が高まります。
 
 
この本は絶対読んだほうがいいよ!はNGです。
 
 
 

おすすめ本は自分の中にしまっておき、聞かれた時にここぞと薦める

 
 
本を薦めるタイミングはずばりこれです。
 
相手が「こんな感じの本でおすすめない?」と聞いてきたら、過去に読んだ本の中からおすすめを紹介する。
 
これなら、相手は読書をする気になっていて、学びたいジャンルも定まっていますから、薦めた本を楽しんでもらいやすいです。
 
 
本をたくさん読みながら、読んだ本をすべてとっておくと、「おすすめない?」と言われた時に振り返ることができます。
 
本をとっておかなくとも、「読書ログ」などを活用して、これまでに読んだ本が探せる仕組みを作っておくと良いです。
 
 
面白いと感じた本があったとき、「この本おもしろいよ!」と薦めるのではなく、いつかおすすめを聞かれた時のために、自分の中に溜め込んでおく。
 
こうしてたくさん溜めてきた本の中から、相手に合う本を選んでご紹介することが、読書家には必要なスキルだと思います。
 
 
 
 

読書を楽しむ姿を見せることで、自発的に読書をしたくなる状態を作っておく

 
読書は、人に薦められてはじめるのではなく、自発的にはじめるものだと思います。
 
先ほどの、「おすすめない?」というお願いも、自発的に読書をしようとした上で、読書家に手を借りる手段なので、自発的にはじめた人になります。
 
何を学ぶにも、近年は「受け身」の姿勢が厳しく問われます。
 
受け身の姿勢では、何も学ぶことはできないからです。
 
授業を受けさせられていると感じていては退屈だと思います。
 
学びというのは、常に自ら進んで手に入れにいくもの。
 
読書においてもなんら変わりはありません。
 
だとすれば、読書は自発的にしてこそ意味があるのですから、他人に読書を薦める際も、読書を自発的にやってもらえるようなアプローチが必要になります。
 
私は読書を心から楽しんでいます。
 
だから、その姿を皆に知ってもらい、見てもらうことで、「読書っておもしろいのかな?」と思ってもらえればいいなと思っています。
 
いろいろな本をFacebookを通して公開し、読書のおもしろさが伝わるように本の要約とその中で考えたことをお伝えしています。
 
年間に100冊以上をお伝えすることで、3日に1度は皆さんの目に触れる機会を作ることができます。
 
また、日常的に本を持ち歩き、スキマ時間で読んでいます。
 
近い友人などは、そういう姿を見てくれています。
 
そうした本をいつでもどこでも楽しむ姿を見て、本の魅力を伝えることも大切です。
 
このようなアプローチの中から、読書をしたいと思う人が現れてくれたら、嬉しい限りです。
 
 
 

「何を読めばいいかわからない」人には、過去に体験しているジャンルを探させる

 
 
10代の人達の間で携帯小説が流行り、みんなが読み始めるのは、過去もしくは現在進行形で「恋愛のリアル」を経験しているからだと言えます。
 
自分の恋愛に当てはめるように、小説にでてくるキャラクターの心を感じながら、読書を楽しむことができます。
 
この点は、意外と気が付かれていないところなのですが、
 
「自分の過去、もしくは現在進行形の経験に当てはまるジャンルの本は、面白く感じやすい」
 
という傾向があります。
 
自分の興味、関心にも当てはまるからだといえますが、経験してきたからこそ本に書かれている内容がわかるからです。
 
本を読んでいくと「うさんくさい」と感じることがありますが、それは自分がそのジャンルに関してよく知らなかったり、経験不足だったりするのです。
 
 
ですので、「何を読めばいいかわからない」という人には、その人の過去から現在で経験している内容の本をおすすめしましょう。
 
経験してきた内容なら、すでに知っていることでも復習になりますし、その経験がさらに深みをもったものになります。
 
 
 
 

最後に、

 
「読書家が本を薦めて、それが仮におもしろくなかったといって、その人の人生から今後読書が無くなる」
 
というのは極論で、本当はそんなことないかもしれません。
 
ですが、薦めるのであれば、今後読書をする正しいきっかけを与えてあげたいものです。
 
 
本が好きだから本を薦めるのは当然なのですから、うまく薦めるために少し考えてみましょう、ということです。
 
何が正しいかは私もわかりませんが、今後読書家が増えていって欲しいのは事実です。
 
なんらかの形で、私の活動で読書家が増えてくださることを願っております。
 
 
 
 

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